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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2003年09月17日(火) 13:30~
出席者 北城 恪太郎 代表幹事
渡辺 正太郎 副代表幹事・専務理事

冒頭、記者の質問に答える形で(1)株価、(2)株式市場への個人参入、(3)自民党総裁選、(4)中国通貨「人民元」の切り上げ、について発言があった。最後に、代表幹事コメント「現行制度の維持から脱却した公的年金の抜本改革論議を」について渡辺専務理事・副代表幹事から説明があり、その後記者との質疑応答があった。

Q: 株価が一万一千円台を回復したが、これをどう見ているか、また景気に対しての見通しはどうか?

北城: 株価が回復していることは、景気の面でも良いことだし、明るいことだ。但し、9月初めまでの実績を見ても、買い手は海外からの投資家が主体で、国内は機関投資家、事業会社、個人がいずれも売り越している。株の売買に参加している個人の投資家は増えてきているが、結果的には売り越しているということで、(株高が)持続するためには国内の個人投資家が株式市場に参入するような施策が必要だと考える。株式会社の収益が預金金利を上回るような成果を上げ続ければ、投資家にとっては、資産の形成の面でも好ましいと思う。

景気の先行きについては、このところ明るい指標もたくさん出ているようだし、米国の経済も堅調で第3・第4四半期は3-4パーセントの経済成長を達成しそうだということも明るい話題だ。しかし、このまま景気が回復軌道に乗ったかというと、まだまだそうは言えないし、決して安心できる状況ではないと思っている。一段と日本の経済が活力を持つための施策を打つ必要がある。ただし、バブル崩壊以降、財政出動したときに株価が上がって、景気もよくなったと見られているが、今回は財政出動することなく回復の兆しが見えているということで、これまでの景気回復と比較して一つの大きな変化が起きているのではないかと前向きにとらえている。しかし持続可能な景気回復という意味では規制緩和も含めて構造改革を一層推進していく必要がある。

Q: 個人の投資家を呼び込むような施策が必要だというが、具体的にはどういうイメージをお持ちか。

北城: 株価が上がっていることで、株式市場に参加しようという個人投資家は増えていると思うし、現実に今年の三月の証券税制改正で株の値上がりによる利益(キャピタルゲイン)と配当金額については10%課税という、米国を上回るような優遇税制が導入された。さらに配当の二重課税をなくして個人が受け取る配当金に対する税率をゼロにする、という方法もあると思うが、基本的に利益が出たときの優遇策は十分整備されたと思っている。それでも、配当利回りが預金金利を十分上回っているにもかかわらず、株への投資が進まないということを考えると、株が下がるかもしれないというリスクに対する不安があると思う。そうした不安に対して、株の利益や損失と他の事業所得とを通算する、相続税の対象として株に投資した場合に、株を保持することで相続税の評価の際に優遇する、といった施策が必要だと思う。合わせて、株式に投資するということは将来の資産形成にとって好ましい、という意識改革も必要だと思う。

また、中学や高校等でも、株への投資は良いことだという教育が必要だと思う。我々は自由主義経済の中で生活しているわけで、その基本は民間企業、株式会社であり、その株を買うということは重要なことだという教育も必要だ。

Q: 証券会社のビヘイビアーも、個人投資家にとって悪いイメージだという話も良く聞くが。

北城: 手数料収入を得るためにむやみに株の売買を勧めていたということは過去にあったと思うが、最近の証券会社の運営方針は、投資家に売買を勧めるというよりは資産形成に貢献するというような幅広い経営を行っていると思う。インターネット証券も含め、手数料の自由化を通じて低額の手数料の証券会社も出てきたので、かつてのように単に売買を勧めるというよりも、資産形成のアドバイスを行う中で経営していくということが進んでいるのではないか。株式の売買にくわえ、国債の販売、投資信託の販売、あるいは外債の購入を勧める等、幅広い営業をしていると思う。かつてのような問題が起きているとは思わないが、確かに過去の悪いイメージが、個人投資家が増えないことに影響を与えている面もあるかもしれない。

Q: 今週末の総裁選で小泉総理が勝利しそうだという報道が大勢で、内閣改造が行われるという話も出ているが、組閣についての希望は。

北城: 小泉総理が再選されるという前提で考えれば、総理が掲げている構造改革路線を推進して頂く方を選んでいただきたい。基本的な政策については、総理が掲げられたマニフェストで大きな方針が示されたと思うので、閣僚も政策を実行するのにふさわしい方を選んでいただいて、果敢に改革を断行して頂きたい。改革の方針としては適切な方向を出されていると思うが、その実施ということでは、まだまだスピードが必要だ。

Q: 中国「人民元」の切り上げについてはどのようにお考えか。

北城: 基本的には為替は市場で決めるものであり、一方的に切り上げる/切り下げるというよりは、市場で決まるような環境を作ることが望ましいと考える。変動する幅を広げ、どの水準でレートが決まるかという形に持っていってはどうか。為替の取引には、貿易のみならずさまざまな分野で国の規制があるが、規制がある中でレートが決まることはあまり健全ではない。市場の環境を整備し、変動の幅が広がり、結果として人民元が上がれば良いのではないか。

例えば中国に工場立地を考えている企業にとっては、人民元が安いほうが生産基地としては価値がある。一方的に上がればよい/下がれば良いというものではなく、基本的には市場で決めれば良いと思う。その上で、日本で競争力がない分野は、中国や他の国に任せ、競争力のある分野に事業構造を変えていくべきではないか。これは農業問題にもいえることで、競争力のある分野に力を入れていくべきである。

農業問題については、9日付でコメント「WTO農業交渉の推進と農業構造改革の実現に向けた一層の努力を」を発表している。ここに同友会の意見が述べてあるので参考にして欲しい。

今回のWTOの閣僚会議が合意に至らなかったことは大変残念だ。日本は貿易立国なので、WTOの体制が更に進んで、より貿易しやすい環境が出来ることは日本のためにも重要であり、それが推進できなかったことは非常に残念だ。ただし、多国間での合意に至らなくても、二国間あるいは地域でのFTAの締結ということも貿易を拡大するうえで非常に重要だ。FTAの障害になっているような農業問題も含めていくつか課題があるようだが、政治のリーダーシップで日本にとって必要な施策は実行するということを考えていくべきではないか。

[渡辺専務理事・副代表幹事より
コメント「現行制度の維持から脱却した公的年金の抜本改革論議を」について説明]

Q: 高齢者を中心に給付の引き下げ案には反対意見が強いが、どのように同友会の案を実現に導いていくのか。

北城: まず、現在の制度が持続可能ではないということを理解してもらう必要がある。同友会の案は、持続可能であることを前提としている。まもなく年金を受給する人にとって、同友会の案では受給金額が減るのではという懸念があるが、積み立て部分については払い戻しをするということである程度理解を得られると思う。既に受給している人については、例えば夫婦2人では、7万円×2、これに激変緩和措置の上限6万円が加わり、20万円という水準を考えている。現在の(国民年金・)厚生年金で給付を受けている人は、それほど大きく給付が減るわけではない。

渡辺: 様々な調査によると、40代以下の世代の多くは賛成してくれると思われる。既に受給している人は支払った分の8倍程度を受け取っているが、現役世代の負担の大きさを考えれば、(同友会案に沿って)20万円の給付を受けられるというのは政治の説得により可能ではないか。

北城: こうした制度は一度に国民全員の賛成を得られるものではない。しかし、より多くの国民の支持を得て持続可能な制度を導入するために、政治が問題点を明確にした上で、国民の意見をまとめていくべきだ。

渡辺: 保険料を20%に引き上げると、(医療その他の保険料も加えて考えると)正規雇用にも影響が出るだろう。また、社会人になり会社に勤めると一律20%の保険料を支払うことは、個人の負担が大きすぎるのではないか。結婚や子育てなど、個人のライフステージに応じて保険料を将来年金として積み立てる選択は残すべきだ。

Q: こうした制度が採られた場合、社会保険庁はどうなると想定しているか。

北城: こうした制度は一度に国民全員の賛成を得られるものではない。より多くの国民の基礎的な年金部分の話をしたが、付加的なものは私的年金で対応するということ。社会保険庁の仕事も、民間の付加的年金に対応できる組織に改変するだろう。

渡辺: 現在、国民年金と厚生年金を管理・徴収するのに、年間3000億円使用されていると言われている。これを消費税で集めれば徴収事務がなくなるし、一律7万円となれば支給の方法も簡潔になる。

Q: 基礎的年金の国庫負担が1/2になることをどう思うか。

北城: 全額消費税で賄うのが基本的方向なので、そこに至る過程で国庫負担が1/3から1/2になることもあるだろう。しかし、それはあくまで過程であり、本質ではない。

Q: その過程で消費税は上がっていくのか。

北城: 国民の理解を得られるよう、抜本的な制度改革が必要だ。単に国庫負担が増え、消費税の負担が増えたから良いということではない。しかし制度改革には時間がかかり、その過程では国庫負担の増加もあり得る。

渡辺: 目的消費税を、段階的に12%まで引き上げるのが同友会の案だ。しかし公的年金保険料はゼロになり、保険料20%を消費税に換算すれば30%近くなることを考えると、こちらの方が負担は大きいのではないか。

Q: 保険料の会社負担が薄くなると、企業は個人の給料に振り向けてくれるのか。

北城: 会社負担も人件費であり、企業は人件費負担によって事業採算を考える。保険料の会社負担が減れば、他の形で人件費に反映できると思う。

自民党総裁選の後に総選挙が行われる。年金制度は国民の生活にとって重要な制度であり、各党がどのような年金制度の改革を実行するのか、マニフェストの中に具体的な案を出してくれることを期待し、注意深く見守りたい。

Q: 公務員も含めて年金の一元化を考えているのか。

渡辺: 公務員の年金も大きすぎるし、公務員共済の保険料は、元をたどれば我々が支払った税金である。

北城: 公務員も同じ枠組みで考えるべき、つまり、積み立てた分は払い戻すということだ。基本的には国民として最低限の生活を維持するための年金は、消費税を財源に負担するという形に変えるべきだ。

以上

(文責:事務局)


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