代表幹事あいさつ
「共助成長社会」の実現に向けて
― 最先端テクノロジーを、生きる力に変えていく ―

経済同友会 代表幹事
山口 明夫
最先端テクノロジーを、生きる力へ
AI をはじめとするテクノロジーの急速な進化や、地政学リスクの高まり、人口減少、労働力不足など、日本が直面する課題は山積しています。一方で、企業の事業再編の動きや、全国各地でのスタートアップ及びNPO による新たな挑戦のように、変化の兆しもあります。今こそ、日本の強みである勤勉さ、誠実さ、チームワーク、社会の安定性と信頼性を活かし、最先端テクノロジーを人々の「生きる力」へと転換していくことが必要です。
「共助」と「成長」を両輪に日本を動かす
私たちが目指すのは、国際情勢の変化が激しい中でも自律性を高く保ち、一人ひとりに居場所と舞台があり、互いに支え合いながら成長できる経済社会です。
その実現のために、経済成長は不可欠ですが、それだけでは十分ではありません。誰かの困難を社会全体の課題として捉え、多様な主体が連携しながら解
決に挑む「共助」の精神も必要です。
経済社会の課題が複雑化し、公助だけによる解決が限界を迎える中、NPO、インパクトスタートアップ、企業などが垣根を越えて知見や資源を持ち寄ることの重要性は増しています。経済成長の継続と他者を思いやる共助の精神が両輪となり、日本を動かしていくのです。
「共助成長社会」へ導く「七本の懸け橋」
「共助成長社会」の実現に向け、私たちは2040 年代初頭までに一人当たり名目GDP を現在の約2 倍へ引き上げることを目標に掲げます。その実現に向けた活動が2035 年度までの「七本の懸け橋」――「生活防衛とセーフティネット構築」「企業の代謝・活性化」「安心・安全の基盤確立」「産業構造の進化と新産業創出」「豊かさと幸福の実感」「世界市場での事業拡大」であり、それぞれの課題に対し、短期・中期・長期の視点から取り組みます。また、これらの活動を支える、経済同友会の発展も懸け橋の一つです。会員が経営においてAI を実用的に駆使する「次世代型経済団体」への進化、提言力と実行力の向上、会員エンゲージメントの強化に取り組んでいきます。
3 つのコミットメント ―― Execution、Open、Growth
「共助成長社会」の実現に向けて、次の3 つにコミットして参ります。第一はExecution です。提言の成果が出るまで、政府・与党・関係機関に粘り強く働きかけていきます。第二はOpen です。会員同士はもちろん、多様なステークホルダーとの開かれた議論、全国44 の経済同友会との関係の強化を促進します。第三はGrowth です。経済成長だけでなく、会員が経営者として成長し経営する組織を変える。その結果として社会全体が成長する。この3つの成長を促進します。
今年、経済同友会は創立80 周年を迎えます。本会が目指す経済社会の姿と、社会に不可欠な経済団体としての役割を発信し、この節目を経済同友会の新たな歴史をつくる次の成長への起点にしたいと思います。
