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地方創生に向けた地方分権の推進について

改革推進プラットフォーム
委員長 長谷川 閑史
(武田薬品工業 取締役会長)
委員長代理 小林 喜光
(三菱ケミカルホールディングス 取締役社長)
事務局長 冨山 和彦
(経営共創基盤 代表取締役CEO)
事務局長代理 秋池 玲子
(ボストンコンサルティンググループ
シニア・パートナー&マネージング・ディレクター)

9月3日、まち・ひと・しごと創生本部が、人口減少・超高齢化の下での地方活性化を目的に設置された。

地方創生を実現するためには、地域の将来像を各地域自らが英知を結集しつつ描くことが前提となる。将来像のキーワードは「自立」であり、今まさに政府は、提案募集方式(注1)を実施することによって、地方の自立に向けた分権の取り組みを加速させつつある。

地方6団体(注2)は8月5日、農地転用許可権限を市町村に移譲すべきと提言した。現行では、4ha超の農地転用には農林水産大臣許可が、2ha超4ha以下の場合の都道府県知事許可にあたっては農水大臣との協議が必要とされている(注3)。都道府県と市町村は、現場を熟知していない国(出先機関)との折衝に多大な時間と労力を費やしている。

地域における土地利用計画は、実情を把握している各地域自らが主体的に描くべきであることを念頭に置けば、農地転用許可権限は原則として市町村に移譲するのが望ましい(注4)。

市町村は今後、自らの経済的な自立度を高めるため、確保すべき農地面積の目標を設定するとともに、優良農地の確保や耕作放棄地の再生・発生抑制に向けて、国や都道府県と協力しつつ、農地中間管理機構を最大限活用するなど、これまで以上に真剣に取り組む必要がある。

なお、各地域が相互の連携なしに将来像を描くだけでは弊害が生じる場合もある。例えば、隣の市町村が境界に近い所に大型ショッピングセンターの建設を許可したために、商圏が大きく変わって衰退に悩んでいる例は全国的に生じている。そうした弊害を避けるために、都市計画も含めて市町村間の調整は必要であり、その点にこそ広域自治体としての都道府県の役割がある。また、定住自立圏等の自治体間連携の仕組みを活用することも十分に考えられる。

今後は、人口減少・超高齢化・防災・空き家増加等に対応すべく、コンパクトシティの必要性が高まるだろう。現在縦割りとなっている土地利用法制の在り方を見直せば(注5)、各地域は産業構造・社会保障などの将来像を一体的に描きやすくなる。地方創生に向けた政府の取り組みの中で、踏み込んだ議論を期待したい。

以上

  • 注1地方に権限移譲・規制緩和すべき事項を、地方自治体等が内閣府に提案する仕組み。
  • 注2全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会。
  • 注32ha以下の場合は都道府県知事の許可が必要である。
  • 注4なお、転用の際の許可基準は農地法で定められているので、野放図な転用に対する歯止めは残る。
  • 注5都市計画区域と農業振興地域の重複や、用途が指定されていない大量の土地等の問題がある。なお、コンパクトシティの推進に伴い、宅地等から農地への転用ニーズが生じる可能性があるが、転用する際の法的制限はない。

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