ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
ローカルナビ(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

ここからグローバルナビです。

グローバルメニューここまでです。

ここから本文です。

国際リニアコライダー(ILC)日本誘致に向けた政治のリーダーシップを

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 長谷川 閑史
科学技術・イノベーション委員会委員長 野路 國夫

安倍政権のもと、大胆な金融政策、機動的な財政政策が迅速に打ち出されたが、本質的な経済再生には成長戦略が不可欠であり、資源の乏しい日本が世界とともに持続的成長を続けるためには、国を開き、世界中から優秀な人材、資金を惹きつける国家づくりが必要である。

現在、国際リニアコライダー計画(ILC)※1が進展し、2012年末に国際チームによる技術設計が完了、今後は政府間交渉により建設地や国際協力のルールづくりを進めることが必須となる。ILC日本誘致が実現すれば、アジア初の大型国際研究所として世界中から優秀な頭脳を日本に集積でき、国内人材の育成にもつながる。また、研究者・技術者とその家族1万人が集まる国際都市の創生は、多様性を取り込み内なる国際化を推進する第一歩となる。

最先端の加速器技術は様々な要素技術の結晶であり、創薬・医療分野、環境・エネルギー分野をはじめ幅広い応用分野で新たなイノベーションを創出できる。高度な技術力を持つ日本の中小企業にも大きな活躍の舞台となり得る。

ILC建設候補地として日本が最も有力視され、関係諸国から日本のプロポーザルへの期待が高まっている今、日本政府は早急に「ILCの日本への誘致」を表明し、実現にむけての議論の開始を関係諸国に提起すべきである。同時に、世界の研究者・技術者とその家族が安心して滞在できる住居・医療・教育・交通などの生活環境整備や、欧州合同原子核研究機関(CERN)では条約で制限されている施設の民間利用、関連産業集積の検討など多岐にわたる課題に対処するため、省庁横断のプロジェクト・チームを設置し、政府を挙げて取り組むことを求めたい。また、研究施設や都市の整備においては、民間の資金や能力も最大限に活用し、大きな経済効果を生むよう取り組むべきである。

なお、ILC建設の国内候補地は北上山地(岩手県・宮城県)と脊振山地(佐賀県・福岡県)の2箇所あるが、国内候補地の一本化にあたっては、今後のオールジャパン体制構築のためにも公正な選定プロセスで進めることが重要である。選定プロセスでは、専門家が進めている地質・地形等の技術面の調査結果にもとづき、公正に判断されるべきである。

以上

※1 地下トンネルに全長約30kmの直線状の超伝導加速器をつくり、ほぼ光の速さで電子と陽電子の衝突実験を行う。建設候補地は欧州、米国、ロシア、日本(北上山地、脊振山地)。建設費は10年間で約8000億円。うちホスト国が半額(年間約400億円)を負担することが政府間交渉の基本線となる。


ローカルナビここまでです。

ここからサイトのご利用案内です。

スマートフォン版サイトに戻る

サイトのご利用案内ここまでです。