政策提言

高等教育機関との連携プロジェクトチーム 活動報告
~学習と実践の好循環に向けた企業と高等教育機関の新たな連携の探求~

# 人材 # 教育
2025年度高等教育機関との連携PT
委員長 日色 保
(ウォルト・ディズニー・ジャパン 代表取締役社長)

社会課題の複雑化・高度化に伴い、個人に求められる能力・資質も移り変わっています。こうした変化を受け、産業界と教育機関それぞれが主導してきた従来の日本の人材育成は大きな転換期を迎えています。本会では、長年、教育分野への提言を続けてきましたが、今般、2年間にわたって実践活動に取り組むことで、高等教育機関との新たな連携のあり方を模索しました。高専、大学、大学院の学生、教職員を対象にキャリア教育や学び直しに関する5つの活動を展開し、教育現場や学生・教職員との連携を通じて得られた示唆を取りまとめました。

報告書のポイント ※詳細は、別添の報告書概要および本文をご確認いただきますようお願いいたします。

【5つの実践活動の詳細】
① 高等専門学校
 ・主に木更津高専での1~5年生を対象とする、正課プログラムでの出張授業を実施。
 ・キャリア教育への支援を目的とし、延べ220名が参加。
② 大学
 ・2024年度および2025年度に、経営者が大学生と車座で対話する「経営者と大学生の未来創造フォーラム」を開催。
 ・関東開催の2024年度は7大学62名、関西開催の2025年度は12大学119名が参加。
③ ジョブシャドウイング
 ・学生が本会幹部会員に1日同行し、経営トップの行動や価値観を体感するプログラムを実施。
 ・2025年夏季のトライアルでは大学2年生を対象に開催(会員企業3社、学生3名参加)。
 ・2026年春季の本格実施では、対象を大学3・4年生、修士課程の学生に拡大して開催(会員企業12社、学生22名が参加)。
④ 教職員
 ・キャリア教育の基盤強化を目的に、大学職員の意識・行動変容を促す研修を実施。
 ・東洋大学と連携の上、若手職員を対象に行動変容・意識変容の研修に取り組み、意識変容の研修では講演・車座での対話を行い、
 行動変容の研修では学生のキャリア意識醸成をテーマに課題設定型の研修を展開。
⑤ 大学院
 ・就労後の学び直しの促進を目的に、社会人大学院生と本会会員との意見交換を実施。
 ・文系博士である本会会員の学位取得の動機やキャリア等を可視化したロールモデル事例集を作成。

【本PT活動全体を通じた主な示唆】(第Ⅲ章)
1.これからは「学習と実践の循環」を通じて自律的に学び続けられる人材が重要
 ・AI活用のスキル以上に、「何を実現したいのか」という構想力や意思決定力が重要。
 ・こうした能力の育成は、座学だけでは身に付かず、学んだ知識を実践の場で応用し、自らの課題に気付き、学び直す循環の中で育成される。
 ・「学習と実践の往復」を通じた自律的に学び続けられる力が、今後、求められる人材の中核的な資質。
2.
能力形成の主体は個人へ
 ・従来の教育機関や企業を中心とした他律的な学びから、一人ひとりがキャリアオーナーシップを持ち、自らを育成することが不可欠。 
 ・個人中心の能力形成においては、目的意識に基づく、学びの選択と能力の更新が重要。
 ・教育機関や企業はそうした個人を支える多様な機会の提供・環境整備が求められる。
3.企業は人材を「受け取る」関係から、高等教育機関と「共に育てる」連携へ
 ・高等教育機関が育てた人材を企業が採用する、「受け渡し型」の関係では対応が困難に。
 ・急変する社会の中、企業は、高等教育機関と「共に育てる」連携へと転換する好機。
 ・価値創出を担う人材育成を促す、「学習と実践の好循環」の実現に向けた環境構築に取り組まなければならない。
4.高等教育機関は「知識を授ける」存在から、「学び方を育む」組織へ
 ・教育機関においても企業や地域社会との接点を教育の中へ組み込むことが不可欠。
 ・高等教育機関は、「知識を提供」していた存在から、学生の学びと社会課題や実践を結び直す、「学び方を育む」組織として変革していくことが重要。
 ・多様な学生の学びを促進する体制強化として、産業界との接点の増加を期待。

以 上

本文 概要

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広報誌『経済同友』掲載記事(2026年4月号) 
広報誌『経済同友』掲載記事(2026年6月号) 

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