政策提言

エネルギー自立を国策の根幹へ ~S+3Eの高度化に向けた意見~

# イノベーション/研究開発 # 国家ビジョン # 外交・国際問題 # 安全保障/経済安全保障 # 環境/エネルギー # 行政改革 # 規制・制度改革
公益社団法人 経済同友会
代表幹事 山口 明夫
エネルギー政策委員会 委員長 北野 嘉久
(JFEホールディングス 取締役社長)
委員長 見學信一郎
(NTTアノードエナジー 取締役会長)
委員長 兵頭 誠之
(住友商事 取締役会長)

 近年、地政学リスクの高まりと、それに伴う化石燃料価格の不安定化に晒される一方で、AIの進化・普及に伴うデータセンター等による電力需要の増加が指摘されている。
 こうした状況下において、経済安全保障の観点から、自立性の高い「安全性・安定供給・経済性・環境適合」(S+3E)の同時達成は国力の基盤である。その実現には、長期的視野でエネルギーシステム全体の最適化を目指すことが肝要となる。日本の自然条件や電力システムの特性を踏まえ、日本型のS+3Eの最適解を構築していくべきである。日本のエネルギー政策の目指すべき方向性と具体的施策を添付の通り示す。

意見のポイント ※※詳細は、別添の意見本文をご確認いただきますようお願いいたします。
  • 目指すべき方向性
    ・原子力・再エネ・移行期の化石燃料(合理性の検証に基づくCCUS・水素/アンモニア等を含む)を組み合わせ、日本に最適な一次エネルギーミックスを不断に追求すべき。
    ・供給信頼度や系統安定性は、系統全体で必要十分な機能を最小コストで実装するという「システム全体最適」に立脚すべき。その際、日本の前提条件を踏まえた日本型の全体最適を追求する必要がある。
  • 具体的施策の提言
    (1)原子力利用拡大、規制のアップグレーディング
    ・原子力は、自立性向上、安定供給、脱炭素、系統安定機能を提供する現実的な主力電源オプション。
    ・利用拡大を進めるためには、安全性の不断の向上と同時に、事業環境としての合理性や予見性を高め、投資判断が可能となるよう、審査の効率化/合理化、規制の予見性向上、革新炉対応、人材・体制の強化等の規制のアップグレーディングが求められる。
    (2) 再生可能エネルギーの検討深化、電力システム最適計画の制度化
    ・再エネ拡大は不可欠であり、日本の自然条件や電力システムの特性に適合した形で活用を進めていくことが重要。
    ・電力の需要特性に応じた役割分担を通じ、大規模電源/分散電源を効果的に組み合わせ、系統全体として最小コストで最大の安定性を追求すべき。電力システムをSystem of Systemsとして捉え、継続的に最適化プロセスを回す枠組みを整備すべき。
    (3) 国民理解・信頼の再構築
    ・国民一人ひとりが、エネルギーの便益・費用・リスク等を理解できるような情報開示や対話が必要。
    ・特に原子力では、電源立地地域と電力消費地の相互理解の促進が重要となる。
    ・学校教育等においてエネルギー教育を充実させることが、科学的・建設的議論を可能とし、中長期的に、エネルギー政策への理解と信頼の基盤となる。

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