イノベーション創出と利便性向上の実現に向けて ライドシェア新法の早期制定を求める
委員長 間下 直晃
(ブイキューブ 取締役社長 グループCEO)
委員長 竹川 節男
(健育会 理事長)
委員長 轟 麻衣子
(ポピンズ 取締役社長 グループCEO)
委員長 武藤 真祐
(鉄祐会 理事長)
自家用車活用事業(日本版ライドシェア)の導入から1年が経過し、現在も生活者や旅行者の移動の足不足が解消されていない状況や「ライドシェア事業に係る制度の導入に関する法律案」が先日、国会に提出されたことを受け、2024年度規制改革委員会より意見「イノベーション創出と利便性向上の実現に向けてライドシェア新法の早期制定を求める」を公表しました。
意見の概要 ※詳細は、別添の意見本文をご確認ください。
①ライドシェア事業を規定する新法の制定
現行の法制度は新規参入を過度に制限しており、十分な競争環境が整っているとは言えない状況にある。このため、新たなプレーヤーの参入を促進するための法的枠組みを速やかに整備する必要がある。新しい技術の活用による安全性の確保を前提とした、運転者の責任やサービス提供者の監督、料金の柔軟な調整を規定する新たな法整備の議論を直ちに進めるべきである。
②ライドシェアを担う運転者の多様な働き方の実現
新たな交通手段の登場は、運転者に柔軟な働き方を提供する。副業や兼業を希望する多くの人々にとって、「希望する時間に合わせて働ける」という選択肢は大きな魅力となる。移動のニーズは時間帯や地域によっても変動が大きいため、従来のように、固定的にタクシードライバーを雇う形態は経済的に合理性を欠く。ライドシェアの導入により、需要の高い時期に一時的に供給を増やす柔軟な仕組みを整えなければ、持続可能な運営は難しい。これらの点を考慮し、業務委託契約を選択肢として提供することで、運転手不足の中、より多くの運転者をサービスに引き入れ、事業の安定性を確保することが可能となる。
ライドシェアの導入において、タクシー事業者との共存は不可避である。両者が協力し、シナジーを生み出すことで、長期的な市場の拡大と利益の向上が実現する。このような協力的な取り組みによって市場全体が拡大し、結果として利用者へのサービス向上にもつながる。
以上
2024年2月1日提言「わが国における効果的なライドシェアの導入に向けて 〜なんちゃってライドシェアで終わらせないために〜」