政策提言
「企業版ふるさと納税」の活用促進に向けた提言
~「共助」による社会課題解決の流れを加速する~
一般社団法人 インパクトスタートアップ協会
特定非営利活動法人 新公益連盟
公益社団法人 経済同友会
特定非営利活動法人 新公益連盟
公益社団法人 経済同友会
2023年4月 に本会は、日本経済が活力を取り戻し、持続的成長を実現するモデルとして「共助資本主義」を提唱しました。共助資本主義とは、民主導による成長と共助が両立したwell beingの実現を目的とするものです。成長だけではなく、ソーシャルセクターと連携し社会課題を解決する共助により、包摂ある社会をつくることを目指しています。
本会は、企業が利益の一部を自治体に寄付し、社会的事業に活用する「企業版ふるさと納税(正式名「地方創生応援税制」)」は、まさに「共助」を体現する制度であると考えています。現在、個人版の「ふるさと納税」と比較すると金額規模が限られている本制度の活用を進め、金額規模を拡大することが重要です。
そこで今回は、本会の会員所属企業にアンケート調査を行い、企業版ふるさと納税に関する認知や活用状況、課題等について聴取し、それらを踏まえて制度の改善策について提言します。
7月9日に鈴木俊一財務大臣に、7月16日に松本剛明総務大臣に提言を手交した
1.税額控除の特例措置の延長
税額控除の特例措置は延長すべきであり、その期間は、少なくとも現状と同様(5年間)もしくはそれ以上とすべき。また、恒久的な措置とすることも検討すべき。
2.寄付側(企業側)の利用を促進するための施策
① 企業が株主に対して寄付の意義を説明しやすくする施策
- 本社所在地の自治体に対する使用用途指定型納税
使途が指定できる枠組みを設定し、本社所在地への寄付を可能に - 代理寄付(災害支援)の導入
被災自治体に代わり、被災していない自治体が寄付金を受け付け可能に - インパクト評価・開示の促進
国が、先進的な自治体と連携して社会的なインパクトを評価し結果を開示 - 企業と自治体のマッチング支援強化
企業の関心や事業領域と、自治体の取り組みとのマッチングを支援する仕組みを強化
② 寄付金の計上方法の見直し
- 税額控除後の実質寄付額計上の許容
税額控除された後の実質寄付額を損益計算書に計上することを許容 - 国による株主を対象とした説明資料の作成
国が株主向けに税控除の仕組みについてわかりやすく説明する資料を作成
③ 税額控除の範囲の拡充・長期的な視点を持った柔軟な枠組みの導入
- 税額控除が最大となる寄付額上限の引き上げ
現行の課税所得の約1%から5%程度にまで引き上げる - 段階的な優遇措置の導入
寄付額の多寡に応じて、優遇措置の内容を段階的に拡充させる仕組みを導入 - 寄付額の繰越制度の導入
寄付額が上記の上限を超えた部分について、一定期間内に繰り越して特例措置の対象とできる制度を導入
※詳細は、別添の提言本文をご確認いただきますようお願いいたします。
以 上
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広報誌『経済同友』委員長インタビュー記事(2024年8-9月号)
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