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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2011年02月01日(火)13:30~
出席者 桜井正光 代表幹事
前原金一 副代表幹事・専務理事

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記者の質問に答える形で、(1)学生の就職活動長期化問題、(2)エジプトの政情不安、(3)企業の決算発表と賃金・賞与への還元、(4)日本国債の格下げ、(5)民主党・小沢元代表の強制起訴と政局、などについて発言があった。

Q: 学生の就職活動長期化の問題について、昨日、日本私立大学団体連合会が経済同友会(の意見)とほぼ同様の要望書を日本経団連に提出した。(日本経団連の)米倉会長は、「就職活動を短くすると就職できない人が出てくるのではないか」との懸念を表明されているが、代表幹事の所見を伺いたい。

桜井:  そのような懸念もあるとは思うが、一番大事なことは、大学生が学業に充分に努められること、社会人としての基礎的な学力・能力を得てもらうことである。それが第一義的にあって、次に学力の向上を阻害しない採用(活動)がある。就職ができない人が出てくるのではないかという点は、やり方の問題であり、解決方法をきちんと出していくことが大事だと思う。逆転した発想は良くない。

前原:  (大学の)学長の皆さんの声は非常に切実だと思う。我々も真剣に受け止めなくてはならないのではないか。こちら(企業)の都合で「できない」というのではなく、よく相談しながら、代表幹事の発言のようなマイナスが出ないようにする工夫が要るのではないか。

Q: 以前、(この問題について)日本経団連と対話をしていきたいとの話があったが、その後、具体化の動きはあるか。

前原:  今年だけで終わる話ではないので、これからやっていきたい。

Q: チュニジアに続きエジプトでも政情不安が起きており、長期政権への不安が諸外国に飛び火するのではないかとの話も出ている。こうした現状が日本経済へ与える影響、およびこれから先懸念されることがあれば伺いたい。

桜井:  チュニジアに続いてエジプトで起こっている民主化運動が、今後、中東やアフリカの他の地域に広がっていくことによる大きな問題の発生が予想される。足下で考えても、この地域の紛争が、世界のマーケットから非常に不安視され、ダブついた資金がリスク回避のために、株から国債へ、そして国債から、どちらかというと安定していて非常時に強いと言われているドルへの逃げ込み(につながるだろう)。(一方では、)ドルへの逃げ込みで円安になるという構造ではなく、円への逃げ込みがあるので、円高の要素になってくる。日本経済に対する影響を考えると、株安、そして円高が、今後の大きな問題として跳ね返ってくる。もうひとつは、(中東諸国は)資源国なので、この地域での騒動は、エネルギー、特に石油関係の(価格)高騰にも跳ね返ってくる。これも、資源輸入国である日本の経済にとって、今後大変な影響が出てくるだろう。反政府運動を、適切な処理の下に、適切な民主化をはかっていくことで、できるだけ早く解決していただきたいと強く思う。

Q: 決算の発表時期で、企業業績が随分良くなっているが、これから先はどうか。

桜井:  2010年(度)決算は、全般的に良い。11年(度)も、産業によって異なるだろうが、一律的に見れば、増収も増益も可能な予算を立てるだろう。先述のエジプトのような問題等もあるが、新興国の安定した経済成長と、それを背景に米国経済がある程度の上昇を見込めるので、全体的にはそう大きな為替変動、(急激な)円高の恐れはなく、落ち着いた為替の動きになるだろう。多くの企業の11年(度)の計画が増収増益基調で、日本経済を牽引できればと思っている。

Q: これから春の賃金交渉が始まるが、賃金やボーナスで分配を増やすことで内需を喚起すれば、(景気が)好循環で回ると思うが、いかがお考えか。

桜井:  以前も述べたが、(業績を)すぐに賃金、いわゆるベース・アップに反映することは難しいと思う。増収増益基調で計画は組むだろうが、どう継続するかについて、企業はかなり慎重になる。設備投資等もまだ慎重に見ている。賃金への反映としては、賞与について業績(を反映させる形)で考えていく企業が多いのではないか。

Q: 先日、米国の格付け会社が日本の長期国債を格下げした。マーケットへの影響は極めて限定的だった一方で、これを警告と受け止めるべきとの声もあるが、いかがお考えか。

桜井:  これは多分に警告である。個人的には、その国の政治が原因で(国債の)格付けが下げられたのを初めて見た。それほど、この課題多き日本の運営、そして重要政策の迅速な決断と実施を不安視しているということだと思う。 今年の 年頭見解「決断の年」 でも述べたが、日本はいま重要な分水嶺、分岐点にある。このまま構造改革や様々な新しい日本のかたちを求めていく上で必要な制度設計とその実施を怠ったまま、日本が破綻する道へと向かうのか、それともしっかりとした政策と決断の下に日本の再生(の道)を選ぶのか、今年はその決断の年である。(年頭見解では、)現政権の主張と合致するが、「強い経済・強い財政・強い社会保障制度」の一体的見直し・改革が必要であり、そのための決断が3つあると述べた。第一は税制の抜本改革で、その背景として少子高齢化と人口減少、特に生産(年齢)人口減少があり、これは日本の財政・社会保障制度において極めて大きな問題である。右肩上がりの人口増大をベースに考えていた税制を見直さなければならず、直接税から消費税を含む間接税への転換を決断すべきである。第二は社会保障制度で、若者や働き手が支える高齢者の比率がますます高くなるなか、財政的に長持ちし、世代間の需給格差を是正する社会保障制度と安定財源が求められている。その改革のための決断をすべきである。第三は、現政権が言うところの「強い経済」、なかでも成長戦略がもっとも重要だ。菅総理が掲げられた「日本を開く戦略」、EPA/FTAの戦略的締結やTPPの交渉・参加に対する決断である。これら(の決断と遂行)を通して、日本が再生する道を歩むのだということを、国際社会やマーケットに対して意思表示することが大事である。

前原:  私は以前、保険会社に勤務し、格付けを受ける立場にあった。格下げになると、どうしても感情的に受け止めがちであるが、それは間違った態度で、問題点を冷静に分析し、明らかにして、(下がった要因に)正面から取り組むことが大事だ。代表幹事の発言のように、警告と受け止めて問題に取り組む必要がある。(今回の国債格下げ評価に対しても)早期に回復するよう、日本全体として国民を挙げて取り組むべきだと思う。

Q: 昨日、民主党の小沢元代表が強制起訴され、少し局面が変わったように思う。民主党内や野党でも、(小沢氏は)離党すべきだ/すべきでない、あるいは証人喚問に応じるべきだ/べきでないなど、昨年来続いている(議論の)堂々巡りが依然続いている。今回の国債格下げ(の要因)として、そうしたことへの警告も多少あるのかも知れないと思う。まだ政局で動いている日本の政治について、今回の件をきっかけに、改めて代表幹事の所見を伺いたい。

桜井:  小沢氏(個人)の問題に関する質問ではないと思うが、"政治"のあり方として、足下志向、短期志向、国内志向で政治が動くことを極めて危惧し、問題視している。経済同友会は、中・長期の国のビジョン、この国のかたちをしっかりと描き、そこから逆算、バック・キャスティングをして現在の財政や税制、種々の制度の問題等について、ウェイト付けをして、いま急いですべきことに取り組むことが大事だ(と考え、「2020年の日本創生」を提言した)。足下・短期・国内志向のみで動いていると日本は本当に沈没してしまうという危機感を持ち、新たな"政治のあり方"や国会のあり方を正し、真剣に、国民視点で責任を持って、政権運営、国会運営をしていただくよう期待したい。

政治とカネの問題は、絶対に疎かにしてはいけない。(強制起訴に対しては)100%有罪にできるという従来の起訴のあり方と、そうではなく、裁判に委ねるという検察審査会の結論による強制起訴と(の)差があるかもしれないが、(いずれにしても)現役の(国会)議員で、かつ(党の)代表まで務めた方が起訴されている。このような事態は、国民から信頼される国会議員、(また)国民から信頼される政党、そして国会という視点から、重く受け止めなければいけないと思う。(民主党は)責任政党として、小沢氏のあり方について早く結論付けていくことが大事だと思う。

以上

(文責:経済同友会事務局)


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