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2009年度(平成21年度)通常総会前記者会見発言要旨

日時 2009年04月27日(月)14:45~15:25
出席者 桜井 正光 代表幹事
有富 慶二 副代表幹事
金丸 恭文 副代表幹事
浦野 光人 副代表幹事
小島 邦夫 副代表幹事・専務理事
林野 宏 副代表幹事
長谷川 閑史 副代表幹事
小枝 至 副代表幹事
數土 文夫 副代表幹事
萩原 敏孝 副代表幹事
池田 弘一 副代表幹事
岩田 彰一郎 副代表幹事
勝俣 宣夫 副代表幹事
北山 禎介 副代表幹事
稲野 和利 副代表幹事
高須 武男 副代表幹事

浦野光人、小島邦夫、林野宏各副代表幹事より退任のあいさつ、次いで、稲野和利、高須武男各副代表幹事から新任のあいさつがあり、桜井正光代表幹事より所見を述べた。
その後、記者からの質問に答える形で、(1)「ジャパン・パッシング」の具体例、(2)世界における日本の責任、(3)代表幹事一期目の成果・反省と二期目の抱負、(4)2009年度GDP成長率の見通し、(5)補正予算成立と解散総選挙のタイミング、について発言があった。

退任あいさつ

浦野: 2005年度に副代表幹事に就任してから、あっという間の4年が過ぎた。皆様には様々なご指導をいただき、ありがとうございました。
委員会活動としては、教育問題、中小企業、地球環境を順次に担当した。いずれも難問ではああったが、多くの仲間と議論した結果が、今日、経営者として幅を広げるのに大いに役立っている。教育問題では、提言「教育の視点から大学を変える-日本のイノベーションを担う人材育成に向けて」(2007年3月)を出した。この2月から第5期中央教育審議会の委員に就いたが、この提言が、大学分科会やキャリア教育、職業教育特別部会の議論に、大いに役立っている。産業界からの意見を、しっかりと教育のあり方に伝え、改革への行動に結び付けていきたい。
今年度も地球環境問題の委員長を務める予定で、幹事としても同友会活動に参加するので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。

小島: 経済同友会では、71歳を超えての役員再任はないため、副代表幹事は退任するが、専務理事の任期はあと1年残っているため、引き続き務める。副代表幹事を兼務していなくても仕事の中味はあまり変わらないので、引き続きお世話になるが、よろしくお願します。感想等は、来年(専務理事を)辞めるときに話させていただく。

林野: 経済同友会との関係は、昭和47~48年、堤(清二 元・セゾンコーポレーション会長)が委員長を務めていた頃に補佐として参加してからなので、かなり長く、40年くらいになる。当時から、経済同友会のあるべき姿として、経団連や日経連との違いを鮮明にする、通常の意見ではなく違った視点を持つ、女性の意見を強く反映させる、若い人の意見を取り入れる、などがあった。加えて心がけたのは、日本工業倶楽部の古いビルの片隅に位置していたこともあり、二次(産業)、モノを作るメーカーの意見が主役になりがちだったが、社会自体は二次産業離れを起こしているため、三次産業の視点から、逆に言えば、一般消費者の視点で物を見るという考え方で、いくつか委員長を務めてきた。なるべくオリジナリティのある人、若い人や女性を副委員長に任命し、活発な意見や角度の違った意見を反映させたいという視点でやってきた。ともすると、日本経団連に押され、経団連が横綱で(同友会は)その下、と思われることが嫌で、私自身は経団連活動には一切参加しなかった。これから21世紀もますます新しい時代になり、それにふさわしい経済同友会を作っていくことについて、色々な意味で今後もご協力いただきたい。私も力を注いでいきたいので、今後もよろしくお願いします。

小林: (欠席のためコメント配布)
短い期間だったが、教育問題、原子力、産業構造、消費問題など、様々な視点からわが国を見る、興味の尽きない2年間だった。この間の経験は、ワシントンでの新しい仕事を通じて、世界における日本の役割を考える上で大きな柱となっている。現在の経済危機は、日本企業が真の力を発揮し、将来の発展の基盤を築く大きなチャンスと感じる。これから暫くは、外からの視点で経済同友会の活動に貢献させていただく。

新任あいさつ

稲野: 直近の経済同友会における活動履歴は、2005年度は経営改革の副委員長、2006年度は財政税制改革の副委員長、2007年度は同・委員長、2008年度は企業・経済法制の委員長を務めた。同友会活動に関しての感想は、非常に談論風発で活気があり、刺激に満ちている。今までの委員会活動等を通じて、少しは同友会に貢献できたと思っているが、それ以上に私自身が得たものが大きいと感じている。
今回の副代表幹事就任にあたり、昭和21年4月の趣意書を読み返してみた。
『われわれは経済人として新生日本の構築に全力を捧げたい。而して、日本再建に経済の占める役割は極めて重要である。蓋し経済は日本再建の礎石であるからである。われわれは日本経済の再建を展望しつつ惨たる荒廃の現状を顧みて責務の重大なるを痛感する。』
いま、当時とは違う意味で、日本や日本社会は困難な状況にあり、私自身、副代表幹事として責務の重大さを痛感している。自虐的になることなく、知的怠慢に陥ることなく、肯定的価値観をもって活動に務めたい。よろしくお願いします。

高須: バンダイナムコは、ソフト、サービス業で、先ほど林野副代表幹事からお話があった通り、サービス業、ソフト産業の目で見た「国のあるべき姿」を皆さんと議論しつつ、自身のレベルも上げていきたい。今までは、企業のあるべき姿、自社のあるべき姿に留まっていたが、幅広く「国のあるべき姿」について議論していきたい。よろしくお願いします。

代表幹事所見

桜井代表幹事より、2009年度通常総会・代表幹事所見「危機後の世界秩序と日本の再興」について、大枠を述べた。

質疑応答

Q: 所見で「ジャパン・パッシング」の懸念を表明されているが、具体的にどういった部分で感じられるか。

桜井: 顕著な例としては、今後経済危機から脱出していかに金融不安を解消するか、経済危機対策として何を展開するか、などを議論するG7やG20の国際会議において、日本の経験や戦略、対応策など(を活かし)、日本が強く存在感を示すような発言が聞こえない。いま(世界)の構図は、先進国と(中国・)インドなどアジアを中心とする新興国との対立と、また先進国のなかでも欧州と米国との対立となっている。この(対立の構図のなかで)議論が展開されていく。日本が、新興国と先進国との間にどう立ち、問題解決のためにどう発言し、どう主導していくかが殆ど見えない。先進国間の対立においても同様である。これは、金融・経済だけの話ではなく、自由貿易関連のWTOや地球温暖化においても同じである。大きくは、国際社会における日本の立ち位置、日本の発言や存在感が見えなくなりつつある。これは、主体性の問題である。

先般の定例記者会見でも述べたが、(先日)ワシントン(D.C.)を訪れ、新しい政権と日本とのあり方について議論した際も、米国の興味は、アジアで言えば米国対中国の話になってしまう。ポスト危機の時代に、日本がアジアとどのような関係を持ち、それをベースに米国とどのように新しい関係を築いていくか、政界も経済界も具体的な話をしなくなってきている。オバマ政権のなかでも、知日派と呼ばれている人たちがだんだん減ってきている。(米国の)視点が、日本より他の国へ向かいつつある。これを顕著に感じた。

このまま日本からの積極的な発言がない限り、必然的に(日本の存在感は)薄れていくであろう。(日本は)もっと基本的な立ち軸をしっかり持って発言し、行動をとっていくことが大事である。

Q: 「立ち軸をしっかり持って発言していく」ということだが、まさにいま、未曾有の経済危機のなかで、日本は世界にどのような責任を持っていくべきか。金融危機を脱出するために、日本の経済界は何を発信すべきとお考えか。

桜井: 基本的には、日本が早く経済の後退を食い止め、成長路線へ転換することが、政治にとっても、経済界にとっても非常に大事なことである。所見の中心的なテーマでもあるが、底抜けを防止するための財政出動も大事だ。問題は賢いお金の使い方である。それは、この国がどのようなかたちになっていくかにかかっている。ひとつは、今まで進めてきた活力をつけるという意味での構造改革である。「国から地方へ」にしても、社会保障制度(改革)にしても、行政改革にしても、効率化の話である。もうひとつは、今後の日本の方向として、内需拡大へどう持っていくか、どのような成長戦略を打っていくか、産業構造をどう変えていくか、などを明確にする必要がある。そこに資源を集中していくべきであろう。そこに企業の役割が出てくる。

Q: 桜井代表幹事は二期目に入る。一期目を振り返っての成果およびやり残した反省点と、二期目の課題を伺いたい。

桜井: 一期目を振り返ると、(2007年4月の)就任当時は、小泉政権から安倍政権に変わったところで、格差の問題から始まる構造改革へのゆり戻しが起きていた。就任あいさつで4年間をかけて取り組みたいと述べたことのひとつが、健全な市場主義経済社会の重要性である。これなしに、活力ある国づくりは不可能であるという理由で、市場主義経済をより健全化させようと考えた。もうひとつは、「新・日本流経営」である。私たち(経済同友会)は、「民」の主体を担っているので、民が、健全な市場のなかで、高い倫理観を持ち、日本経営の強いところをさらに磨き、日本(の国民)や世界から信頼を得られる企業経営を展開していこうと(述べた)。ここからは反省になるが、(同友会の活動にも)ねじれ国会の影響があった。経済よりも、常に政治の問題が起こり、もたついているうちに金融・経済危機という大きな波を被ってしまい、その対応に追われ振り回された。同友会は、政治、世界の情勢などに対応していくだけでは駄目である。それに対応すると同時に、今後の日本の経済をどう持っていくか、企業はどうあるべきかについて、しっかりと動いていくことが本当に必要だという思いである。

そこで(二期目に入る)今年度の所見では、初心に帰って、中・長期の国のあり方を描き、我々経済界は(その実現に)邁進していきたいという思いを述べた。具体的には、「この国のかたち」について、構造改革の行く先にどのような日本の姿を描くか、国際社会のなかで日本が今後のどのような成長戦略を取り、特に、産業構造の改革をどの方向に向けていくかが重要である。

Q: 政府のGDP成長率の見通しが、マイナス3.3%となった。先日の定例記者会見の発言とほぼ同じ数字になったが、改めて見解を伺いたい。

桜井: (先日の定例記者会見では)マイナス3%プラスアルファと申し上げた。IMF等の予測ではマイナス5%強だったことを考えると、緊急経済対策は、本日の(新聞)記事でも1.9%の(経済)押し上げ効果とあり、かなりの成果が期待されている。(景気の)底抜けは非常に恐ろしい話であり、それを食い止めるという点では、(緊急経済対策は)良いと思うし、(景気)回復のきっかけを作ることに期待したい。しかし、これは時限的な措置である。その後どうするのか(が重要であり)、この国をどの方向に持っていくかがしっかりしていなくてはいけない。この(対策の)なかから、継続的に大きな投資をしていくものは何であるかをはっきりと見極め、(投資を)継続していかないと、日本は海外の景気に大きく影響される訳だから、マイナス3.3%よりも後退する可能性もある。速くこの国のかたちをはっきりとさせたうえで、財政(規律)の問題を検討しつつ、税制改革の中期プログラムを作ることが大事である。

Q: 経済対策を裏打ちする補正予算案が、国会に提出され、今後国会で審議される。一方で、9月までに解散総選挙があるが、早ければ5月の可能性も無いわけではない。(補正)予算の成立と選挙のタイミングについて、代表幹事のお考えを伺いたい。

桜井: この件はいつも述べている通りで、考えは変わらない。総選挙の時期は、総理がしっかりと見極め、最終的に決断すべきである。大事なのは、政策であり政局ではない。いま、あらゆる案件が政局の課題に転換してしまっており、非常に問題である。(政策を)政局に転換してしまうと、ますますジャパン・パッシングが進むであろうし、現在の財政出動や減税が経済・景気の回復に効いてこなくなるであろう。日本のほとんどの国民が、長期的、中期的な不安を持っている。(総理には)この点を考え、総選挙のタイミングをしっかりと決められることを期待している。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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