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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2001年04月26日(火) 14:15~14:55
出席者 小林陽太郎 代表幹事
宮内義彦 副代表幹事
茂木友三郎 副代表幹事
水口弘一 副代表幹事・専務理事・広報委員長
千速晃 副代表幹事(退任)
瀬戸雄三 副代表幹事(退任)
鳥海巖 副代表幹事
南直哉 副代表幹事
藤澤義之 副代表幹事
生田正治 副代表幹事
福井俊彦 副代表幹事(新任)
渡邉正太郎 副代表幹事(新任)
福間年勝 副代表幹事(新任)

冒頭、小林代表幹事より新・旧副代表幹事の紹介があり、退任の千速副代表幹事、瀬戸副代表幹事、新任の福井副代表幹事、渡邉副代表幹事、福間副代表幹事から挨拶の後、記者の質問に応える形で、(1)小泉新内閣の閣僚人事、(2)小泉新総理の政策、(3)日中セーフガード問題、(4)21世紀宣言と同友会の行動、(5)日銀「経済・物価の将来展望とリスク評価」の感想等について出席者から発言があった。同時に、代表幹事見解「小泉新総理に望む」を発表した。

小林: 本日は新旧副代表幹事が出席しており、私を含めて新しい体制で2001年度のスタートをきるわけだが、今日はちょうど新総理、新内閣発足の日でもあり、経済同友会としても新しい一歩、新しいページを書くという意気込みでスタートしたい。昨年暮れに発表した『21世紀宣言』にも明確に考え方を示したが、これを2001年度の活動の中で具体的に如何に行動に表していくのかということで同友会の真価が問われる。この新体制で望みたいと考えているので、改めて宜しくお願いしたい。

千速: 五年間、副代表幹事を務めさせて戴き今回退任することになった。感謝申し上げる。同友会は個人の資格で参加する団体だが、本当に自由闊達な議論をする場で、非常によい勉強をさせて戴いたと感謝している。お手元の代表幹事所見は『改革実行の正念場を迎えて』というタイトルになっているが、今日本は第二次世界大戦後以来の非常に困難な時期を迎えており、しかも大改革の時期が再来している。経済同友会が今後、小林代表幹事を中心に自由な議論をして、政治・経済・社会全般に対して次々と意見を出して世の中に問うていくことを心から期待している。

瀬戸: 二年間、副代表幹事をさせて戴き、企業経営委員会の委員長も務めさせて戴いたが、日本経済が厳しい環境の中でどのように経営革新を行なっていくかについて、委員と一緒に議論し、意思疎通ができ、それを考察という形で纏めさせて戴いたことが非常に良い勉強になった。企業革新は正にこれから行動に移していかねばならないので、小林代表幹事所見にもあるように、「ビジョンから行動へ」ということが、これから企業にも、同友会にも問われるかと思う。二年間大変お世話になり心より御礼申し上げる。

福井: 副代表幹事を拝命することになり何分宜しくお願い申し上げる。これから小林代表幹事をサポートしていくが、政治と経済の平仄があって動きはじめるという期待が強まっている時期なので、『21世紀宣言』の主旨を充分生かし、同友会活動を通じて日本社会の隅々までその効果が浸透するように貢献していきたい。同友会活動自体はもう10年ほど経験しているので、その気風は身につけていると思うが、更に勉強しサポートしていきたい。

渡邉: この度、副代表幹事に任命されたので一言抱負を述べさせて戴く。今始まろうとしている構造改革こそ長期的な成長戦略と信じている。同友会はじめ経済界は、既得権を捨て構造改革を進めてきた。したがって、公的部門の構造改革こそ最大の課題であり、それが今回の政治の動きに繋がっている。一方、経営者自身も改革を進めてきたが、自社の改革はもっと進めねばならない。90年代の日本企業の資本生産性、人的生産性の停滞こそが株式市場に表現されている。経営者はもっと企業価値の向上を図るべきである。金融界をはじめ再編も進んでいるが、今後、日本の経済社会に必要なのは、追い込まれた再編ではなく、むしろグローバルで攻撃的な再編である。コーポレート・ガバナンスを確立する意味においても、取締役会の改革という点で商法改正を是非実現させていきたい。花王での改革の経験を生かして少しでも同友会、社会のため役に立ちたいと考えている。

福間: 副代表幹事という大役を戴き大変緊張している。95年から同友会の会員になって以来、一貫して財政・税制に関する委員会に所属し、勉強させて戴いた。小泉新総理自ら、「構造改革無くして真の景気回復はない。国民に痛みを与えるかもしれないので、我々も我慢していかねばならない」と言われているので、個人も企業もバックシートに座ってお客のような顔をしているのではなく、ドライビングシートに出て、日本のサステイナビリティを保つために頑張る必要がある。同友会活動を通じて勉強し貢献していきたい。

Q: 本日は小泉新内閣発足の日であり、小林代表幹事から『小泉新総理に望む』という見解が出ているが、改めて、新内閣に対する注文や期待を伺いたい。

小林: 見解に記したとおりだが2点述べる。第一は、総裁選挙の時から掲げていた公約の中の“解党的決意”と“構造改革を柱に思い切り進めていく”ということである。前者に関しては今度の組閣において、小泉氏の決意とそれを実行することがテストになるが、党三役人事などをみると思い切ってやられているし、閣僚人事や今後の政治の進め方についても国民に期待を持たせ続けると思う。現実には様々な困難があると思うが、勇気をもってこの方向を大切にして戴きたい。日本経済について、構造改革が「言うは易し、行なうは難し」であることは充分承知している。しかし、ここは日本政府のトップである総理の決意として、断固として持ち続けて戴きたい。もちろん、政府、政治だけで全てができるわけではなく、構造改革のかなりの部分は民間でやっていかねば進まない。我々が格好の良いことを言っているだけでは駄目で、この辺できちんとしなくてはいけない。新総理には国民の強い支持があることを常に心に留めて、現在掲げている公約の方向に進んで戴きたい。
第二は、政策を具体的にどのように進めていくかであるが、今日中に決まるであろう閣僚人事と合わせて、できるだけ早く政策を具体的に示して戴きたい。政策の優先順位、構造改革の痛みとその対応策、また最も重要なのはその先にどのような絵を描いているのかを解りやすく明らかにすることである。たとえ困難があっても怯まないで国民に提示して戴きたい。

Q: 小泉新総理の持論である「郵政三事業の民営化」については、同友会としても新年度に委員会を立ち上げて検討するようだが、この問題について代表幹事はどのように考えているか?

小林: 方向としては郵政三事業の民営化に賛成しており、当然その方向に動くべきだと考えている。小泉氏は、公社化が既にスケジュールにのっているので、まずそれを実現してから民営化するというステップで進めると発言している。同友会としては、この民営化という方向を是とするだけではなく、そのためのプロジェクトをつくり、民営化へのプロセスや具体策、日本経済全体への具体的効果を示していきたい。

Q: 現在組閣の最中だが、言うは易し行なうは難しで、現状までの人事をみても、党三役人事は小泉氏が当初希望された平沼氏が辞退したり、総裁選でかなり意見が違った麻生氏が入ったり、あるいは亀井氏との政策合意があったりで、小泉氏が言う構造改革が上手く進むのかを、国民は、はらはらしながら見ていると思うが、この点についてどのように思うか?

小林: 現実を無視できないことは解っているが、今のところ上々の仕上がりで進んでいるのではないか。閣僚の全貌、特に重要な部分についてはまだ解らないので何とも言いかねるところもあるが、全体としては小泉氏は頑張っておられるという印象を持っている。

Q: 日中関係で、セーフガードの暫定輸入制限の発動、李登輝氏訪日による李鵬氏の訪日延期など政治面では日中関係がぎくしゃくしているが、経済関係において何か日中関係でコメントがあれば伺いたい。

小林: まず、市場経済をきちんと機能させていかねばならず、こういうものに対しては慎重に慎重を重ねていくべきものだと思う。今進んでいる方向はやや歯止めのきかない方向にいく懸念をもってはいるが、こうしたことが原因で経済面で日中関係に大きな問題が起きるとは思っていない。

Q: 冒頭、『21世紀宣言』で示した考え方を、今後、具体的に如何に行動に移していくかで真価が問われると言われたが、具体的にスケジュールにのっている行動があれば伺いたい。

小林: 今の日本の状況は、同友会が創設された終戦直後とは異なる。当時は経済が最大の課題であり、設立趣意書にもそのことをはっきり謳っている。『21世紀宣言』は経済も非常に重要だが、日本が全般的な国づくりの問題に直面していることを強く意識している。そして、我々企業人は経済分野だけでなく、政治や教育などの点についても新しい国づくりに積極的に参画していくべきと考えている。しかし、まず何をやるかという点では、まさに経済の構造改革が最も重要な課題である。小泉新総理も大筋では同じ考えだと思っているので、極めてタイムリーだと思う。我々としても構造改革については具体的な段取り、プロセスを示していきたい。同友会は個々の分野についてのプログラムはかなり出しているが、政府に全体像を要求するのであれば、我々なりにトータルのビジョン、プログラムを作らねばならないと思っている。教育については過去にいろいろ提言してきたが、特に2000年度は北城委員長の下で、具体的に教育現場に出向き、先生や生徒、父兄と接触し、我々経営者も教育の現場を知り、先生方にも企業を知って戴くという行動中心の委員会だった。政治についても、昨年の夏季セミナーで議論をしたが、一票の格差など具体的な行動につながるようにしていきたい。具体的な行動が全てではないが、「ビジョンから行動へ」が謳い文句で終らないようにしたい。

Q: 新任の副代表幹事にはどのような活動を期待しているか?

小林: 新任といっても、これまで同友会の様々な委員会で一緒に活動をしてきた方々であり、それぞれの分野で見事な実績を残しているので、その経験等に基づいて同友会が考える新しい国づくりのいろいろな面で思いきった考え方を出して戴きたい。異なる多くの意見の中から新しいものを生み出すことのできる素晴らしい知見と人柄の持ち主だと日頃から感服していたので、副代表幹事になって戴くことによって、理事会が同友会の方向性を決め、会員の意見をまとめることにつながっていくと思っている。

Q: 日銀が、「経済・物価の将来展望とリスク評価」を出しており、その中で景気回復を悲観する見解を出しているが、これに対する感想は?

小林: 日本経済の現状は、日銀短観や政府見通しを見る限り、回を追うごとに厳しさを増してきている。その一方、小泉新総理は、最初からマイナス成長を前提にして政策を進めるわけではないが、もう一歩構造改革を進めると言っておられる。構造改革を進めることが、短期的にはデフレ的要素を強めることがあると思うし、その厳しさについて国民として覚悟しなければいけない、ということははっきりしている。当面、見かけの景気回復は最初から諦めた方がいいという点と、日本経済が実体面として問題があるかという点については、同友会にも色々な意見がある。実質ゼロ金利という今回の金融緩和政策は、消費者物価指数(CPI)がコンスタントにゼロあるいはプラスになるまで続けると発表されたが、その状況が実現するというのは、すぐに視野には入りにくいということではないか。非常に厳しい経済状況が続いている、どんどん悪化しているとは必ずしも思っていない。

Q: 今日発表されたCPIの見通しはマイナスで、日銀の政策が解除されるには時間がかかる気がするが、その点について福井氏に伺いたい。

福井: 発表を一読した限りでは、日本経済を取り巻く客観的な環境と、直面する様々な課題を前提に標準シナリオ的なものをおいている。米国の景気についても後半緩やかに回復する蓋然性、日本は構造改革進展に伴うダウンワード・プレッシャーを織り込みながら、先行きについて企業がある程度前向きな努力をするという前提を織り込んだ標準的なシナリオで、多くの方はあまり違和感がないだろう。さらに米国(の景気回復)がシナリオ通りにいかないリスク・ファクターとか、国内的にもデフレ色の強い経済ゆえに企業収益を上げにくい状況が続くかもしれないというダウンサイド・リスクを十分考慮する必要があるという記述も見られたので、あまり違和感は無いと思う。
従って、今の金融の超緩和という状態はある程度長く続けざるを得ない環境であり、今後の企業努力をサポートするだろうと思う。ただし物価下落については、高コスト構造の是正という点で、将来に向かって良い方向に繋がるファクターと、需給が緩和し過ぎていて一般物価水準が下がっているという本当のデフレ要因が混在している。そこをうまく見極めながら、金融政策に限らず今後の政策をデザインしていくべきだと思う。個人的な判断としては、一般物価水準の低下が企業収益の極端な悪化と下方スパイラルを強く呼び起こすリスクを感じさせるほど強いものではないと思っている。

Q: 代表幹事の小泉新政権に対する期待はとても大きいようだが、その大きさは歴代首相に対して持ったことがないほどの期待なのか?あえて、小泉新総理あるいは小泉政権の弱点を上げるとすると、それは何か?

小林: 最初の点については、非常に新しい人が出てきたという感覚から言えば、全く同じではないが、93年の細川氏の登場に似たような感じがある。色々なしがらみの中で、今までのところは党人事も組閣も思い切って進めている印象を得ている。少なくとも元々掲げている公約について、経済をどのように進めるかについて看板を降ろしていないことには力強さを感じている。
二番目の質問については、小泉氏がやろうとしている改革路線を、具体的にどういう政策で裏打ちしようとするのか、各政策の実現性の問題も含めて、どの政策から優先的に実施していくのかまだ見えないところが、一部の人達にとっては不安になっているような気がする。小泉氏に対する「何かやってくれるのではないか」という期待が大きいだけに、出てきた政策や最終人事が「こんなものか」というのであれば、失望感も大きいのではないか。そのようなことは無いと思って期待し続けているが、一日も早く小泉新総理のビジョンと実現のための政策を明示していただきたい。弱点というより未知数と言ったほうがいい。

Q: 小泉氏は勇気を持って蛮勇を振るうだろうし、実際にやっているが、政調会長の人事で起こったように自民党の旧態依然とした体質についてどう感じているか。自民党は、今後、どうなるべきだと思うか?

小林: 前段については、麻生氏が、少なくとも成長率が最低ゼロで無ければ困るとか、景気回復がまず第一であると言われていたという点で、構造改革を中心におく小泉氏とは違うのではないかと懸念されているが、麻生氏は直近の経済担当大臣であり、元経済企画庁長官でもある。当初、小泉氏が平沼氏を求め、報じられている通りの結果だったとしても、そのことが非常に大きなロスだったとは必ずしも思っていない。自民党的体質としてどうかということについてだが、小泉氏のやり方について、もう少し礼を尽くすべきで配慮が足りなかったという考えは日本人にとって不思議ではない。適時適材適所に派閥順送りを超えて人材が登用されるように、毎回百点とは行かないまでも、今度が七十点なら、次は八十点、九十点という方向に進歩していくことが、自民党が変わるべき方向であると思うし、今回はその方向に進み出したという印象を持っている。

Q: 経済関係閣僚に、竹中氏や柳沢氏の名前が挙がっていることについて、どう思われるか?

小林:柳沢氏は、海外からも高い評価があり、留任に関しては非常に好感をしている。竹中氏は、小渕政権のときから、特に森政権では経済面でのアドバイザーとして非常に積極的な活躍をしてこられた。入閣してどれだけの力を発揮されるかはこれからだが、マクロの経済運営、特に構造改革を柱にしようという議論を一貫して主張してこられた方だから、具体的な政策その他について小泉さんの非常に強いサポート役を果たして頂けるのでは、と期待している。

Q: 小泉氏とは個人的な付き合いがあるのか?

小林: あまりない。顔を合わせればご挨拶する程度だ。

Q: 奥田さんにあったと言われる入閣の打診は小林さんには無かったのか?

小林: 全くない。

以上

(文責:事務局)


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