私の一文字
2026年6月号
会員の方が思いを込めて選んだ一字に、書家の岡西佑奈さんが命を吹き込む「私の一文字」。
今月は、北野嘉久副代表幹事にご登場いただきました。
今月は、北野嘉久副代表幹事にご登場いただきました。
さまざまな活力が思い浮かぶ「活」
副代表幹事 エネルギー政策委員会 委員長 北野 嘉久
JFEホールディングス 取締役社長
JFEホールディングス 取締役社長
岡西
「活」は、火をもって人の生活を豊かにする様子を表した漢字です。「活力」という言葉もありますが、内から湧き出す勢いをイメージしながら書にしました。あらためてこの文字を選んだ思いをお聞かせください。
北野
実はこの文字を、何回か「一文字」として書いたことがあります。製鉄現場には高炉やコークス炉という設備があるのですが、数十年に一度、中のレンガを全部張り替える時期があります。レンガの一枚に役員が文字を入れる慣例があり、その都度私は「活」としたためてきました。鉄を作る「活力」であり、炉の「復活」でもあるという思いから選んできた文字です。加えて、経済同友会では2023年に「活・原子力」という意見も発信しています。そうしたさまざまな活力を思い浮かべながら、この文字を選びました。
岡西
前に進んでいく強いエネルギーをお話から感じますが、ご自身の活力はどのように保ち続けていますか。
北野
何よりも健康であることが、活力のもととなります。そこで年間100 回ジムに行き、年12 回は卓球をし、ゴルフスコアを更新するという目標を掲げ、今朝もジムに行ってから出社しました。
岡西
学生時代から卓球に打ち込んでいらっしゃったとのことですが、今に活かされていることはございますか。
北野
熱中することの大事さでしょうか。大変な時期でも好きなことに熱中している間は心をリラックスでき、また前向きに進んでいくことができるようになります。

岡西
業界を取り巻く状況は変化していると思いますが、10 年ほど先にはどうなっているとお考えでしょうか。
北野
内需は縮小し、海外需要の比重がさらに高まることでしょう。ただし日本は、自動車用鋼板などの高品質製品を扱う拠点としての発展が見込まれます。また、GHG排出を抑えたグリーンスチールへの取り組みも重要で、当社でも関連する人材育成や設備投資を進めていく予定です。国内の製鉄所は技術開発と人材育成のマザーミルとして活躍していることでしょう。同時に海外への投融資はこれまでも力を入れており、先日はインドで合弁会社を立ち上げて先端技術を移転しました。海外で働く面白さもぜひ体験してほしいと思っています。
岡西
最後に、経済同友会の副代表幹事として、今後の展望をお聞かせください。
北野
経営者同士で開かれた議論をし、経済界に資する活動を行うという会の特徴を活かしていきたいと思っています。私自身はエネルギー政策委員会に入っており、エネルギー自立という重要な問題に腰を据えて取り組んでいきたいと考えます。CO₂排出量は地球規模で取り組むべき問題ですが、国のあらゆる活動を支えるエネルギーの安定供給策も考える必要があります。また、エネルギー政策への理解・信頼構築も重要な課題であると考えます。長期的に取り組むべき問題であることを踏まえて、議論や発信をしていけたらと思っています。
書家 岡西 佑奈
1985年3月生まれ。23歳で書家として活動を始め、国内外受賞歴多数。