私の一文字

2024年8-9月号

会員の方が思いを込めて選んだ一字に、書家の岡西佑奈さんが命を吹き込む「私の一文字」。
今月は、井上ゆかり副代表幹事にご登場いただきました。

人と出「会」い、エネルギーを得る

副代表幹事 共助資本主義の実現委員会 委員長 井上 ゆかり
日本ケロッグ 代表職務執行者社長

岡西

 「会」の旧字体「會」は、米などを入れる甑(こしき)という土器のふたがぴたりと合うことを由来としています。今回は漢字の持つ強さと柔軟性の両面を意識してしたためました。この文字についての思いをお聞かせください。

井上

私は一人で思索するよりも、人と交わることでエネルギーを得るタイプだと思っています。一期一会という言葉が好きですが、人と会うことはチャンスを頂いたということでもあり、大事にしています。

岡西

井上さん自身のエネルギーも、お会いして強く感じます。昔から外交性は強かったのでしょうか。

井上

中学・高校は女子校でリーダータイプだったと思います。目標を皆で成し遂げて喜び合うことは今も昔も好きですね。例えば、応援合戦では勝つという目標に向かってどうしたら皆が一つになるだろうかと取り組んだものです。

岡西

最初の就職先はどういった経緯で選ばれたのですか。

井上

まだ女性の社会参画が少ない時代背景もあり、ゼミでお世話になった蠟山昌一先生が外資系企業を勧めてくださいました。ちょうどP&Gが日本での学卒採用を始めたころで、英語の素養はありませんでしたが、ご縁をいただき採用が決まりました。蠟山先生は当時の金融自由化にかかわった専門家のお一人で、アカデミアにとどまらず社会変革にかかわる姿をとても尊敬していました。

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岡西

海外赴任もあったかと思いますが、異文化コミュニケーションの中で培われたことはございますか。

井上

何事もウィンウィンでないといけないという考えでしょうか。相手にとって何が良いかを理解して、それをお互い確認しながら進めていくことが非常に大事です。「自分にとって何が良いのか」と皆問うてきます。特にプロジェクトをまとめる立場になってそれを考える、伝えることの重要性を学びました。

岡西

困難もあったかと思いますが、どのように乗り越えたのでしょうか。

井上

努力するのは好きですし、その中で得られるものは必ずあると思っています。ただし、大事なのは会社やチーム、社会に対して役立っていると思える状態かどうか。役立てているという実感がエネルギーを持続させてくれます。

岡西

ご自身の中で大切にされていることはございますか。

井上

相乗効果や社会還元という発想でしょうか。競合には勝ちたいですが、その商品領域全体が刺激し合わないと、市場は広がりません。また、利の一部は社会に還元してこそ、次の広がりが生まれると思っています。

岡西

最後に副代表幹事として、今後の活動や展望についてのコメントをお願いいたします。

井上

活動を通じて、視野もネットワークも大きく広がります。本業にも必ずプラスになりますので、より多くの経営者の方々にご入会いただき、多様な出会いを通じて、新たなエネルギーを得ていただけたらと思っています。

書家 岡西 佑奈

1985年3月生まれ。23歳で書家として活動を始め、国内外受賞歴多数。
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