私の思い出写真館

2026年8-9月号

外資系で働く私と日本文化のつどい

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堀江 章子
アクセンチュア
常務執行役員

一枚の写真があります。バルテュス夫人のマダム節子さんを囲んだ集合写真です。当時アクセンチュアのボードメンバーだった出井さんを囲み、女性リーダーたちが毎回テーマを決めて集まる会の一コマです。泉鏡花にちなんだこの回では、悩んだ末に着物で参加しました。ビーナスなど毎回ユニークなテーマが課されましたが、泉鏡花の幻想的な世界にちなむものとして着物以外思いつかず、この時ばかりは自分の教養のなさを恨みつつも、お茶をやっていて良かったと思ったものです。

もう一枚は、会社の茶道部での一コマです。茶道を始めたのは社会人になってから。慌ただしい日々の中で「一期一会」という言葉の重さを感じたくて、お稽古に通い始めました。会社でも茶道部を新設し、裏千家、表千家、藪ノ内流などさまざまな流派の社員が集まるユニークな部活となりました。流派や茶歴を超えてネットワーキングをメインに、お稽古は自主練という方針で、社中より緩やかな雰囲気です。釜の前に座れば会議室とは全く違う対話が生まれます。

グローバルな仕事では個々の出来栄えをことさら褒め合うルールはありませんが、お点前の後のように感じたことを分かりやすく伝えることを心掛けてきました。24 時間動く仕事の中で意識が仕事に支配されがちだからこそ、着物を着ることもお茶を点てることも(お稽古は十分ではないけれど)、意識を切り替え、心を整えるための大切な時間です。

仕事と文化活動は対極にあるものではありません。いずれも人と向き合い、会話を楽しみ、心を整える営みだと思っています。あの日の皆さんの笑顔と茶室に漂う静寂が、今もそのことを静かに教えてくれる大切な思い出の写真です。

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マダム節子氏、出井伸之氏を囲んで
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茶道部に社長も参加されました
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初釡の風景



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