私の思い出写真館

2025年2月号

DE&Iの扉

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鈴木 純
帝人
シニア・アドバイザー

 「海外で研究したい」と、研究員として入社して以来、言い続けていたことが1994年にかない、私は、ロンドン郊外にあった帝人MRC研究所に、脳神経系の再生研究を行うために赴任しました。赴任当時のラボメンバーは、日本人2人、Scot-tishとHungarianのポスドク女性2人に私という5人でしたが、翌年には日本人2人は帰国し、Hinduのポスドク1年目の女性が加わった4人となりました。毎週、隣のNIMR(英国国立医学研究所)にラボを構えるJewishのProfessorを交えての2~3時間のミーティングを行っていましたが、皆、自分の考えはしっかりと主張する中で、ある方向を決めてゆくというスタイルに私が慣れるのには、少し時間がかかりました。Professorは、頭の中に、世界最先端の関連論文が、全部整理されて入っている方でしたが、私たち研究員の言うこともちゃんと聞いた上で、自分の考えを述べて新しいストーリーを作ってゆくというスタイルを貫く方でした。

 英国では、とにかくサッカーが盛んです。私は、500人を超える所員がいる隣のNIMRのチームに所属させてもらい、毎日1時間近く、昼休みに所内のグラウンドでサッカーをしていました。うまい人から初心者クラスまで、また、研究者からサポートメンバーまで、さらには国籍もごちゃまぜでのサッカー、でも、終わってシャワーを浴びるときには、"今日も楽しんだかい?"という言葉とともに、"また夕方"(Pubで飲もうということ)となり、いろんな人と一緒に楽しむということを学ばせてもらいました。ダイバーシティなぞという言葉もまだ使われていない時代に、仕事の進め方・宗教・文化、そして、英国には存在していた階級社会の、るつぼのようなところでの3年間を過ごし、ここでDE & Iという感覚がしっかりと身に付いたと、今でも思っています。

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帝人MRC研究所のメンバーと
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研究所のサッカーチーム(前列右端が筆者)
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ラボメンバーから頂いた寄せ書き

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