2024年6月号

経営者にとり、愛を持って、真実で話してくれるメンター、アドバイザーほどありがたいものはありません。30代前半にゼロから会社を立ち上げ、孤独感とプレッシャーの中、経営してきました。それを心で感じ理解し励まし、実践の助言をくれる力強い味方を二人も与えられました。
お一人は、デルソーレ創業者大河原愛子会長。ご自分の人脈を惜しみなく紹介してくださいました。フードビジネス女性経営者の会を立ち上げ、私もメンバーとして工場見学、勉強会、海外視察などでご一緒させていただいています。日々学ばれる会長を拝見し、営業の現場にも連れて行っていただいたことなど、当たり前でない恵みと感謝しています。最も心に残っておりますのは、息子との難しい関係を打ち明けたときのこと。「里恵さんにとって唯一の息子さん、息子さんにとって唯一のお母さん。どうか仲良くやってください」と真剣に話してくださった愛情には、今でも涙が出ます。

もう一人は、亡き父です。西新宿にヒルトンホテルを誘致、トルコ初の日本資本のホテルを開業、介護保険制度制定前から老人介護施設を経営するなど、持ち前のアイデア力で会社を多数経営してきました。経営者としてまだ浅かったころ「経営者は数字だ！」と怒られ、「父親が娘にいう言葉か...」と涙したことが何度もありました。西海岸で有名な「ギラデリ・チョコレート」の日本総輸入代理店に選ばれ、米国で初めて重役の方にご挨拶をしに伺った時、父から「お土産のデジカメは2台用意せよ」と助言がありました。偉い人は後から来るもの、最初に会った人に渡すと偉い人へのお土産が無くなるとのこと。半信半疑でしたが実際にはその通り、デジカメはギラデリ社に喜ばれ、その後の取引がスムーズになりました。父の経験からくる素晴らしいアドバイスでした。お二人の大きな愛に守られて事業を伸ばしてこられたこと、心から感謝してやみません。