私の思い出写真館
2023年10月号
四半世紀


ソニーグループ
社友
下の写真は私が留学した米国コネチカット州にあるイェール大学のスクール・オブ・マネジメント(SOM)の卒業時に、教室の一角で友人と撮影した一枚です。
私は1978年に大学を卒業後、国内の証券会社に入社し債券市場の調査にあたっていました。1970年代後半からオプション理論が実用化されるなど、証券理論では大きな展開が見られた時期でもあり、米国の状況を見たいと思い、社内で公募していた留学制度を活用することを思いつきました。
幸いにも希望したSOMに合格しました。同校は1976年開校とビジネス・スクールとしては後発であったことから、公的・私的を含めた組織のマネジメントに重点を置いたカリキュラムを打ち出し、比較的小規模で運営、金融理論でも特色ある教授が在籍しているといった特徴を持っていました。また、当時からダイバーシティも意識していました。学生を見ると男女比はほぼ半々でしたし、民族の広がりや入学までの経験もバラエティに富んでいました。教授との距離も近く、運営自体も手探りでこぢんまりとした印象でした。誰もが新しい環境に適応しようとしており、拙い英語で不安の大きかった私自身も「案ずるより産むがやすし」の心境で臨むことができました。実際、授業が始まると、それまでの知識や経験も通用するのだと実感しました。
その後、多くの友人に恵まれるとともに、新しいことを恐れないことや多様な価値観の中でのバランスを取ることなどを学びました。この2年間は、その後の私自身の生き方に大きな影響を及ぼしました。
写真の3人は卒業後、それぞれの道に進みましたが、「卒業後も連絡し合おう」とした約束は果たすことができています。右の写真はそれから25年後、同窓会で再会した際に、同じメンバーでイェールの中庭で撮ったものです。

