◆30 外国人材活用・育成就労
2026年5月 公益社団法人 経済同友会
| 位置づけ | ⑤ 産業構造の進化と産業創出 | 時間軸 | 中期 ~2030年「供給力の抜本的強化」 | 力 | 〈稼ぐ力〉 |
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提言のポイント
- 特定技能制度の安定的な運用と複線的な2号要件の設定
- エッセンシャル領域における外国人材の従事可能業務の拡大
- 外国人材の入国前手数料の適正化と透明性の確保
- 外国人材との共生社会の実現に向けた制度設計
経済同友会の主張 サマリー
課題認識
技能実習制度が人権問題を含む多くの課題を抱えており、制度の抜本的見直しが必要。外国人材の入国前手数料の不透明さや転籍制約が問題となっている。
目指すべき方向
育成就労制度への円滑な移行を実現し、特定技能制度の安定的運用と外国人材との共生社会を構築する。
具体的な施策
- 特定技能制度の安定的運用と育成就労制度への円滑な移行
- 複線的な特定技能2号要件の設定と永住権取得への道の拡大
- エッセンシャル領域における外国人材の従事可能業務の拡大
- 外国人材との共生社会の実現に向けた制度設計
現状 2026年4月時点
育成就労制度が2027年4月1日施行と決定。在留外国人数は2026年3月末で412万5,395人(過去最高、前年比9.5%増)。特定技能1号の受入れ上限は2028年度末までに80万5,700人。2026年1月には「物流倉庫」等の新分野追加も決定。
長期 ~2035年「高付加価値国家の完成」〈稼ぐ力〉
| 施策1 |
2026年1月に分野別運用方針が閣議決定。2028年度末までの受入れ上限:特定技能1号が80万5,700人、育成就労が42万6,200人。 |
| 施策2 |
育成就労制度のもとで特定技能2号への移行パスが整備される予定。 |
| 施策3 | 2026年1月に「物流倉庫」「リネンサプライ」「資源循環」が新分野として追加。飲食料品製造業・外食業の試験回数・規模も拡大。 |
| 施策4 |
多文化共生施策が地方自治体レベルで推進中。言語・生活支援体制の整備が進行。 |
提言内容 詳細
1.特定技能制度の安定的な運用
- 特定技能制度の運用の安定化と受入れ分野の拡大
- 技能実習制度から育成就労制度(2027年4月1日施行予定)への円滑な移行
- 受入れ企業の支援体制の強化と監理団体の質の向上
2.特定技能2号要件の複線化による中長期キャリアパスの整備
- 特定技能2号に、管理職人材タイプに加え、現場エキスパートタイプの2種類を設定し、移行ハードルを引き下げ
- 特定技能2号の取得を契機に家族帯同・永住権取得への道が拓かれる構造を活用し、定住を促進
- 育成就労から特定技能に至る複線的キャリアステップの予見性を向上、企業は人事・育成体制を構築
3.エッセンシャル領域における外国人材の従事可能業務の拡大
- エッセンシャル領域における外国人材の業務範囲の拡大
- 安全管理・教育体制の整備
4.入管法制と労働法制における転籍制約の整合性確保
- 外国人材の転籍の自由を確保しつつ、受入れ企業の育成投資を保護するバランスの実現
- 転籍に関する入管法制と労働法制の整合性の確保
5.外国人材の入国前手数料の適正化と透明性の確保
- 送出国における過大な手数料の是正と二国間協定の活用
- 手数料の透明性確保に向けた情報公開と監視体制の整備
6.短期就労を希望する外国人材の受入れ制度の整備
- 短期就労ニーズに対応する柔軟な在留資格の創設
- 企業に対する育成の中間評価の実施と育成の質の確保
7.外国人材との共生社会の実現に向けた制度設計
- 国による「共生支援プログラム」の構築と受講促進、プログラム修了を条件とする優遇措置の設定
- 複数省庁にまたがる一貫した政策形成と、機動的かつ実効性ある政策実施を可能とする組織を政府内に設置。
- 大企業による共生促進の方針と具体的な取組みの統合報告書への記載を推奨、生活およびキャリア形成の強化。
- 在留資格における従事可能な業務範囲を、現場実態に即して柔軟に見直し。
- 本人同意のもと、自治体との連絡先情報の共有を行い、災害時や行政情報の迅速な伝達を可能にする情報連携体制の構築。
参照提言
- 多様な人材の活躍に向けた現状認識と課題 ~兼業・副業の促進と特定技能制度の定着などを中心に~(2020年7月10日)
- 新たに創設される育成就労制度の施行に向けた意見(2025年1月15日)
- 目指すべき外国人材との共生社会とステークホルダーの果たすべき役割~外国人材の人口1割時代に向けて~(2025年5月8日)
- 変容するグローバル社会における新たな「連携」のあり方 ~日本が目指すべきところ~(2020年5月27日)
- 包摂的な社会実現への処方箋 ~日本及び日本企業のあり方~(2019年3月25日)
- 新たな政治体制下で求める 労働市場改革に関する意見(2024年12月17日)
- 「個」の自律と経営者の覚悟 ― グローバル競争に勝ち抜く人材戦略 ―(2021年7月15日)