◆25 物流改革・物流DX

2026年5月 公益社団法人 経済同友会

位置づけ ⑤ 産業構造の進化と産業創出 時間軸 中期 ~2030年「供給力の抜本的強化」 〈稼ぐ力〉

提言のポイント

  • 物流デジタル化・標準化団体の設立による業界全体の効率化
  • 自家用トラック有償運送の規制緩和と適正化
  • 外国人トラックドライバーの受入れと教育整備
  • 女性トラックドライバー活用による人手不足への対応
  • デジタル物流人材育成の国家戦略化

課題認識

トラックドライバー不足、業界全体としてのデジタル化・標準化の遅れ等により、平常時から輸送力不足が顕在化。特にBtoB物流が滞れば、幅広い産業、地域経済、生活物資供給に広範な影響が及ぶ。

目指すべき方向

既存輸送資源の稼働率向上、物流データの標準化により、荷主・物流事業者・行政が共通基盤上で連携する持続可能な物流への転換を図る。あわせて、外国人・女性ドライバーの活用、デジタル物流人材の育成、官民連携による標準化団体の設立を通じて、国家戦略上の産業基盤として物流を再構築する。

具体的な施策

  1. 業界全体のデジタル化・標準化。標準化団体の設立と連携基盤プラットフォームの構築
  2. 自家用トラック有償運送に係る規制緩和、ルール整備。輸送資源としての活用
  3. 外国人トラックドライバーの受入れと教育整備
  4. 女性トラックドライバー活用
  5. 物流とデジタルの双方に通じた人材育成

現状 2026年4月時点

改正物流効率化法の本格施行により、物流DX・標準化、外国人材活用、高度物流人材育成については法的基盤が整う。女性活躍は政策上の位置づけはあるが、制度的強制力や予算措置は弱い。自家用トラック有償運送については、規制強化・取引適正化に重点が置かれる。

施策1

単一の官民標準化団体設立には至らないが、官民物流標準化懇談会、物流情報ガイドライン、物流効率化法等により、物流上表・伝票・パレットの標準化検討が進行中。

施策2 2026年4月より、違法な自家用トラックによる有償貨物事業(白トラ)に対する規制を強化、荷主等を処罰対象に加える。
施策3 2024年12月より特定技能制度に自動車運送業が追加。2029年までの受入れ見込み最大24,500人(業界需要288,000人の約8.5%)
施策4

国土交通省はトラガール促進プロジェクト継続。総合物流施策大綱において、女性、若者、高齢者、障碍者など多様な人材が活躍できる職場環境整備を掲げる。

施策5

CLO制度、リカレント教育プログラム等の展開。物流効率化法により、一定規模の荷主にCLO選任を義務付け。2025年4月より全面施行。

提言内容 詳細

1. 物流デジタル化・標準化団体の設立による効率化

  • 物流データの標準化とデジタルプラットフォームの構築
  • 荷主・物流事業者間のデータ連携基盤の整備と共同配送の推進
  • 物流業界全体のDX推進に向けた官民連携の標準化団体の設立

2. 自家用トラック有償運送の規制緩和と適正化

  • 自家用トラックの有償運送を可能とする規制緩和の推進
  • 安全基準・運行管理の確保と既存事業者との公正な競争環境の整備
  • 繁忙期・災害時の輸送力確保に向けた柔軟な制度設計

3. 外国人トラックドライバーの受入れと教育整備

  • 日本語教育・安全運転教育プログラムの体系的整備
  • 在留資格の要件緩和と定着支援策の充実

4. 女性トラックドライバー活用による人手不足対応

  • 女性が働きやすい職場環境の整備(施設・勤務体制・安全対策)
  • 女性ドライバー採用促進に向けた業界イメージ改善と支援策

5. デジタル物流人材育成の国家戦略化

  • 物流DXを担う高度デジタル人材の育成プログラムの策定
  • 産学官連携による物流テクノロジー教育の体系化
  • 物流人材育成を国家戦略に位置づける

参照提言

  • 物流クライシスからの脱却 ~持続可能な物流の実現~(2020年6月10日)
  • 経済成長と競争力強化に資する物流改革(2019年2月5日)

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