◆18 事業承継・中堅中小企業の成長基盤
2026年5月 公益社団法人 経済同友会
| 位置づけ | ④ 企業の代謝・活性化 | 時間軸 | 短期 ~2027年「経済の熱量を取り戻す」 | 力 | 〈稼ぐ力〉 |
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提言のポイント
- 合従連衡の促進
- 円滑な労働移動の促進
経済同友会の主張 サマリー
課題認識
企業保護による過当競争が、中堅・中小企業の生産性向上のネック。
目指すべき方向
新陳代謝を促進する政策へと転換し、競争力のある企業に資本や労働力を効率的に移していく。
資本の面では、企業の成長動機を高め「規模の経済」や「範囲の経済」を引き出すインセンティブを付与する一方、カーブアウトや売却に対する経済的支援や退出を妨げる施策の見直しにより、合従連衡の促進に力点を置く。
労働力の面では、会社よりも個人を守る視点から、円滑な労働移動に力点を置いたセーフティネットづくりを進める。
具体的な施策
- 合従連衡の促進(株式譲渡における税務上の損金算入、仲介会社等の登録制等を規定する事業承継支援業法の制定による売り手保護、事業承継機構設立による従業員承継の支援、事業承継税制(特例措置)の見直し、成果連動型補助金の導入など)
- 円滑な労働移動の促進(リスキリング支援の強化、プロフェッショナル人材の採用支援、労働紛争解決システムの強化、エッセンシャルワーク領域への労働移動)
現状 2026年4月時点
事業承継税制の恒久化枠組みが設定され(期限2028年12月31日)、M&A補助金(最大2,000万円)が拡充された。しかし事業承継支援業法の法制化は未実現であり、全国的な承継支援ネットワークの構築も途上。
| 施策1 | 「中小 M&A ガイドライン」や「特定事業者リスト」等により、中小 M&A 市場の健全な環境整備と仲介会社等の支援の質の向上が図られているものの法的強制力なし。事業承継税制の見直しは令和9年度税制改正大綱の論点。成果連動型の要素は、大規模成長投資補助金に一部取り入れられている。これら以外は特に動きなし。 |
| 施策2 |
「22 人材確保・育成・採用改革」参照 |
提言内容 詳細
合従連衡の促進
1.株式譲渡における税務上の損金算入
- 中堅・中小企業同士の株式譲渡に限定
- 譲受額と純資産額の差額を5年償却で損金算入を可能化
2. 事業承継支援業法(仮称)の制定
- 仲介会社等の登録制や有資格者配置要件を設定
- 自主規制機関の設置で信頼性を確保
- 売り手側オーナーを保護
3. 専門家への依頼費用に対する補助
- 対象:純資産3億円以下の売り手側オーナー
- 上限額:300万円
- 売り手側オーナーを保護
4. 株式会社中堅・中小企業事業承継機構(仮称)の設立
- 官民が共同出資し、純資産10億円以上かつ従業員数100人以上の中堅・中小企業の従業員承継を支援
- 金融機関と協調し、民間がリスクを取りにくい従業員承継を加速
5. 事業承継税制の見直し
- 特例措置(2027年12月末まで)の延長
- 適用対象企業を中堅企業にも拡大
- 先代経営者の年齢の上限を要件に追加
- 一定期間を経て株式を譲渡した際には、譲渡益から贈与税・相続税及び利子税を取得費として差し引いて課税額を算出することを認める
6. 成長にコミットする企業への経済的支援への転換
- 成果連動型補助金の導入
- カーブアウトや売却に対する経済的支援の検討
- 競争力に劣る企業の延命につながる施策の廃止も視野に検討
円滑な労働移動の促進
- ※「22 人材確保・育成・採用改革」参照
参照提言
- 人手不足時代の中堅・中小企業政策 ~生産性向上に向けた合従連衡と労働移動の促進~(2024年4月5日)
- 企業と人材の流動化により 中堅・中小企業の付加価値の創造と日本経済の復活を(2025年4月9日)
- ファミリービジネスの成長を日本経済の推進力に~事業承継に関する経営者向けガイドラインおよび政策提言~(2026年3月30日)