◆13 地方行財政改革・広域連携
2026年5月 公益社団法人 経済同友会
| 位置づけ | ③ 豊かさと幸福の実感 | 時間軸 | 長期 ~2035年「高付加価値国家の完成」 | 力 | 〈支える力×分かち合う力〉 |
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提言のポイント
- 人口減少・過疎化に直面する地方圏において、行政区画を越えた広域連携を推進し、行政サービスの持続可能性を確保する
- フルセット型総合行政から脱却し、圏域単位での機能分担と連携に転換する
- 地方選挙制度を改革し、圏域視点での政策立案を促進する
- 地方自治体と企業が対等なパートナーとして協働する基盤を構築する
- PFI等の官民連携手法を拡充し、地方のインフラ・公共サービスの質を向上させる
経済同友会の主張 サマリー
課題認識
人口減少・過疎化が進み、地方公務員も不足する中、フルセット型総合行政の限界が顕在化。PFI等の官民連携手法の活用が不十分であり、地方選挙制度や地方税財政制度が圏域視点での政策立案を阻害している。
目指すべき方向
フルセット型総合行政から脱却し、圏域単位での機能分担と連携に転換する。PFI等の官民連携を拡充し、地方自治体の担い手不足の緩和と地方のインフラ・公共サービスの質向上を図る。
具体的な施策
- 都道府県の調整機能強化
- フルセット型総合行政からの脱却と圏域内機能分担
- PFI利活用拡大と地域企業の参入促進、公務・公共サービス法人(仮称)の導入
- 住民参画と財政の透明化(地域の未来予測の策定)
現状 2026年4月時点
PPP/PFI手法の活用は段階的に進展し、ウォーターPPP等の新たな分野での導入が始まっている。地方創生総合戦略に基づく実行も継続中。ただし、フルセット型行政からの脱却は全国的にはまだ道半ば。
| 施策1 | 都道府県が圏域の調整役を担う事例が増加。連携中枢都市圏など広域連携制度を活用する事例は増加も、一部地域・事業に留まり、広がりは不十分。 |
| 施策2 | コンパクトシティ化の取り組みは進行中だが、既成市街地の地権者との調整が課題。 |
| 施策3 | 2026年度にウォーターPPP導入事業者募集が開始。PPP/PFI地域プラットフォーム協定制度による支援が拡充。公務・公共サービス法人(仮称)は本会の提案に留まる。 |
| 施策4 |
一部先進自治体で「地域の未来予測」の策定が進むが、全国的な義務化には至っていない。 |
提言内容 詳細
1. 住民参画と財政の透明化
- 将来の人口減少・高齢化等を織り込んだ「地域の未来予測」を策定・公表。連携中枢都市圏においては交付金等の要件とする
- すべての地方自治体を対象に「内部統制体制の整備」を義務化
- 住民協議会の設置や総合計画への外部監査導入により住民の当事者意識を高める
2. 広域連携制度の充実と都道府県の調整機能強化
- 都道府県が圏域視点での連携の調整役を担い、市町村間の信頼関係構築を支援
- 都道府県が「圏域の未来予測」の作成を主導し、圏域間比較を促進
- 公共料金の原価開示基準の標準化・透明化により、広域連携の効果を見える化
- 行政サービスの担い手となる半官半民の「公務・公共サービス法人」(仮称)を制度化
3. フルセット型総合行政からの脱却
- 個々の自治体がすべての行政機能を抱える体制を改め、圏域内での機能分担と連携を推進
- 地方交付税制度を見直し、受益と負担の関係を明確化
- コンパクトシティ化と広域連携を組み合わせた新たな地方行財政モデルを構築
4. 首長のリーダーシップによる自治体経営改革
- 首長が「地域経営者」として長期財政見通しに基づく財務マネジメントを確立
- 民間ノウハウを活用した共創を通じて地方と東京がWin-Winの関係を構築
5. 圏域視点を促す地方選挙・議会改革
- 地方議会選挙を政党本位の選挙へ移行し、行政区画を越えた圏域視点での政策を促進
- 地域政党が自治体間連携の担い手として機能するための制度整備
- 選挙制度の改革、議員定数や報酬の見直し
- 若者や企業人など多様な主体が参加できる開かれた議会の実現
6. 自治体と企業の協働推進
- リモートワークの推進による地方への人や仕事の分散を促進
- 地方自治体や地域企業への技術・人材支援を強化
- 地域企業の経営人材の育成を支援
- 地域のスタートアップ企業と都市部企業のネットワーク構築
- 企業版ふるさと納税等を活用した自治体・企業のパートナーシップ構築
7. PFIの利活用拡大と地域企業の参入促進
- 地方自治体のPFI担当人材育成、国からの人材派遣制度の拡充
- PFI事業情報の透明性確保と中小企業向け参入情報の提供
- グループ発注による参入ハードル低減と地域企業の競争力強化
8. ふるさと納税制度の改善
- 返礼品を希望しない寄付については控除額の上限撤廃(制度本来の趣旨に沿った純粋な寄付)
- 返礼品の有無について一元的に把握する仕組みを政府が構築
- 返礼品のみにフォーカスした拙速な制度変更ではなく、実態に則した慎重な検討
9. デジタル田園都市国家構想の推進
- 推進交付金の申請要件を柔軟化し、関係人口をKPIに取り込む
参照提言
- 広域連携を活かした地域経営の拡大に向けて(2021年7月30日)
- 地方創生に向けた PFI のさらなる利活用にあたっての課題(2020年10月16日)
- 地方創生の加速に向けて~近隣地連携・遠隔地連携のさらなる推進を~(2024年11月13日)
- 「ふるさと納税」の控除額の上限設定に関する緊急意見 ~共助資本主義の実現に向けた寄付の維持・拡大のために~(2025年12月8日)
- 地域共創のさらなる推進に向けて ~ワーケーションを呼び水に関係人口の創出を~(2022年2月28日)