◆12 行政改革・EBPM・デジタル化

2026年5月 公益社団法人 経済同友会

位置づけ ③ 豊かさと幸福の実感 時間軸 長期 ~2035年「高付加価値国家の完成」 〈支える力×分かち合う力〉

提言のポイント

  • 行政手続きの完全デジタル化とマイナンバー制度の利活用拡大・法改正
  • EBPM推進基本法の制定と骨太の方針への本格導入
  • EBPM推進基盤の構築(独立財政機関・人材・データ基盤)
  • 行政人材マネジメント改革と政策立案・実行力の強化
  • デジタル・ガバメントの実現とデジタル庁の司令塔機能の確立

経済同友会の主張 サマリー

課題認識

行政手続きのデジタル化が不十分であり、マイナンバー制度の利活用範囲が限定的。エビデンスに基づく政策立案(EBPM)が定着しておらず、政策の効果検証が不十分である。

目指すべき方向

行政手続きの完全デジタル化とマイナンバー制度の利活用拡大を推進する。EBPM推進基本法の制定により、エビデンスに基づく政策修正サイクルを確立する。

具体的な施策

  1. 行政手続きのデジタル完結化とマイナンバー制度の利活用拡大
  2. EBPM推進基本法の制定と骨太の方針への本格導入
  3. 独立財政機関(IFI)を含むEBPM推進基盤の構築
  4. デジタル庁の司令塔機能の確立と行政システムの統一・標

現状 2026年4月時点

マイナンバーカードのスマートフォン搭載(iPhone:2026年春、Android:2026年秋)が実現。運転免許証との一体化も2025年3月から運用開始。EBPM推進委員会が2026年2月に初会合を開催し「EBPM実行方針(2026年度)」を決定。デジタル・ガバメントの実現に向けた重点計画も閣議決定済み。

施策1 マイナポータルのシステム更改(2026年1月)、スマホ搭載、運転免許証一体化が実現。行政手続きのデジタル完結化は着実に進展。
施策2 EBPM推進委員会が活動開始。各省庁での実行方針策定が進行中。ただし基本法の制定には至っていない。
施策3 IFIの設置は具体化していないが、EBPM人材の省庁横断的育成は進行中。
施策4

デジタル庁が国・地方のデジタル化の司令塔として機能。行政システムの統一・標準化が推進されている。

提言内容 詳細

1. 行政手続きのデジタル完結化

  • 起業に関するあらゆる行政手続きのデジタル完結化を実現する
  • 電子定款認証と設立登記のオンライン同時申請、公証手続きのオンライン化を推進する
  • 手数料支払方法の多様化、ユーザビリティの高いシステム構築により利便性を向上させる

2. マイナンバー制度の利活用拡大と法改正

  • マイナンバー制度の利用者価値を提示し、民間利活用に向けた正しい理解を促進
  • 健康保険証・運転免許証等との一体化を完了し、カード機能のスマートフォンへの段階的移行を推進
  • マイナンバー法を改正し、税・社会保障・災害対策の3分野を超えた利用を可能にする
  • 就業状況、収入、金融情報、医療情報等との連携により、きめ細かい行政サービスを実現する

3.EBPM推進基本法の制定と骨太の方針への本格導入

  • 骨太の方針及び予算編成プロセスにEBPMの考え方を本格的に織り込み、内閣官房/内閣府内に首相直轄の司令塔組織を設置
  • 重点政策の事前評価を実施し、改革工程表に複数年度にわたるエビデンス取得と検証計画を組み込む
  • 予算編成過程でアウトカム・ロジック・KPIを明確にし、エビデンスに基づく政策修正サイクルを確立

4. EBPM推進基盤の構築 ― 独立財政機関・人材・データ基盤

  • 参議院内にIFI(独立財政機関)を設置し、行政府とは異なる立場から政策のPDCAサイクルをチェック
  • 政策評価制度、行政事業レビュー、EBPMといった既存制度を一体的に運用
  • EBPM人材の質量両面での拡充と省庁横断的な採用・育成・人材交流の促進
  • 行政サービスIDの法制度化とEBPMデータの省庁間共有・利活用のための法的基盤整備

5. 行政人材マネジメント改革

  • 採用・任用・配置・評価・処遇のあり方を見直し、優秀人材を結集する
  • 民間での執務経験者の幹部級ポスト任用を拡大し、官民の知見を活用する
  • PDCA機能が個人評価に繋がる仕組みを構築し、政策立案・実行力を強化する

6. デジタル・ガバメント実現と行政データ基盤の構築

  • デジタル・ガバメント加速化プログラム法を制定し、3年以内の実現のための予算・人員を法定
  • 行政組織・サービスのデジタル化と国・地方共通のデータ基盤の構築
  • 公共データのオープン化・統計調査改革とデジタルエクスペリエンスの創造・提供

7. デジタル庁の司令塔機能の確立と民間人材の登用

  • デジタル庁を国・地方のデジタル化の司令塔として位置づけ、行政システムの統一・標準化を推進
  • デジタル庁の役割を段階的に拡大し、民間のデジタル人材を積極的に登用

参照提言

  • EBPMの徹底に向けた基本法の制定を ~国民に信頼されるワイズ・スペンディング~(2024年3月27日)
  • 実効性ある成長戦略の策定と 着実な実行に向けた問題提起(中間提言)(2022年4月19日)
  • 「公証人手数料令の一部を改正する政令案」に対する意見 (パブリックコメント)(2021年11月1日)
  • デジタル変革とデータの公共財化による 価値創造に向けて(2020年10月2日)
  • デジタル庁の設置に向けた意見(2020年11月4日)
  • 成長戦略の着実な実行に向けた提言 -官民がオーナーシップを発揮し、長期的にコミットを-(2022年8月3日)
  • 新政権に望む -新たな経済社会への転換にむけた合意形成-(2025年10月21日)
  • データの利活用による経済成長と豊かな社会の実現に向けて ~マイナンバーを基盤としたデータ連携を急げ~(2022年4月8日)

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