◆11 政治改革・民主主義の機能強化
2026年5月 公益社団法人 経済同友会
| 位置づけ | ③ 豊かさと幸福の実感 | 時間軸 | 長期 ~2035年「高付加価値国家の完成」 | 力 | 〈支える力×分かち合う力〉 |
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提言のポイント
- 投票価値の平等を実現し、国民の声が公正に反映される選挙制度を構築する
- 政党の組織力・政策立案力を底上げし、政権公約を起点としたPDCAサイクルを確立する
- 政治資金の透明化を徹底し、国民の政治への信頼を回復する
- 内閣の戦略立案・総合調整機能を強化し、省庁横断的な政策推進体制を構築する
経済同友会の主張 サマリー
課題認識
投票価値の不平等が恒常化し、一票の格差問題が解決されていない。政党の政策立案機能が脆弱であり、政治資金の不透明性が国民の政治不信を招いている。
目指すべき方向
投票価値の平等を実現する選挙制度改革、政党法の制定による政党力の底上げ、政治資金の透明化を一体的に推進する。
具体的な施策
- 投票価値の平等を実現する抜本的な選挙制度改革と第9次選挙制度審議会の設置
- 衆議院の優越の強化と参議院の監視機能強化(日本版GAO、独立財政機関の設置等)による衆参の役割の明確化
- 政党法の制定と政策立案機能の強化
- 「日本版FEC」の設置と政治資金の使途を含む透明化の徹底
- 組織横断的な国家戦略企画・立案・調整機能の強化
現状 2026年4月時点
令和国民会議(令和臨調)が「令和の政治改革大綱」案を提示し、政治資金の公開基準見直しなど一部手当はあったが、選挙制度の抜本改革を含め、具体的な制度改革には至っていない。
| 施策1 | 選挙制度の抜本改革に関する具体的な動きはなく、選挙制度審議会の設置も実現していない。 |
| 施策2 | 憲法改正論議において、参議院議員選挙における合区解消が優先的検討テーマと位置付けられているが、参議院のあり方や日本版GAO、独立財政機関の設置に関する検討は進んでいない。 |
| 施策3 | 政党法の制定に向けた具体的な立法作業は進んでいない。 |
| 施策4 | 政治資金収支報告制度の改善は検討段階に留まり、「日本版FEC」の設置は具体化していない。 |
| 施策5 |
内閣の戦略立案機能の強化については、既存の体制の延長線上での運用改善に留まる。
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提言内容 詳細
1. 選挙制度改革
- 投票価値の平等を実現する抜本的な制度改革
- 衆議院は「単純小選挙区制」とする
- 参議院は全国区比例代表制の導入、性別・年齢等の地域に限らない幅広い視点で選出する
- 第9次選挙制度審議会を速やかに設置し、選挙制度のあり方を包括的に議論する
2. 国会改革(参議院)
- 参議院は監視機能に力点を置き、日本版GAO、独立財政機関の設置などにより参議院の独自性と監視機能を強化する
- 参議院議員は入閣しない等、参議院の役割・権限を明確化する
- 衆議院での再可決の要件緩和などにより、衆議院の優越性をより一層明確にする
3.政党改革・政策立案機能の強化
- 「政権公約(マニフェスト)」を起点としたPDCAサイクルを確立する
- 「政策市場」を構築し、政策の質を高める競争環境を整備する
- 「政党法」を制定し、政党力の底上げと統治機能の強化を図る
- 政党は多様で優秀な人材を登用・育成し、日本版ショートマネーを導入する
4. 政治資金の透明化
- 「日本版FEC」を設置し、政治資金の情報公開を促進する
- 政治資金の「入り」だけでなく「出」(使途)の透明化を徹底する
- 独立性の高い監査体制を構築し、政治に対する国民の信頼を回復する
- 企業・団体は自主的に政治資金の透明性向上に取り組む
5. 統治機構改革
- 組織横断的に国家戦略を企画・立案・調整する機能を強化する
- 内閣による人事権と予算権を確保し、戦略的な政策推進を実現する
参照提言
- 「令和の政治改革」の起動に向けた問題提起~参議院の機能強化によるガバナンスの向上に向けて~(2021年8月)
- 政治不信の解消に向けた政治改革 〜改革のモメンタムを高めるための5つの提言〜(2024年5月10日)
- 政治資金の徹底した透明化を ~国民が信頼できる政治の実現に向けて~(2025年3月11日)
- 健全な民主主義の確立を目指して -機能する政治・行政システムへの変革-(2023年2月9日)