◆8 防災・復興・持続可能なまちづくり

2026年5月 公益社団法人 経済同友会

位置づけ ② 安心・安全の基盤確立 時間軸 中期 ~2030年「供給力の抜本的強化」 〈支える力×分かち合う力〉

提言のポイント

  • 災害対策の基本理念を創造的復興へ転換し、教訓の継承と民間共助体制を構築
  • まちづくり計画の持続可能性点検とコンパクトシティ化の推進
  • 再生可能エネルギー導入と企業誘致による地域活性化
  • 東北の産業振興と広域観光の推進
  • 海外人材の確保と若者の力を活用した新たなまちづくり

経済同友会の主張 サマリー

課題認識

激甚化・広域化する自然災害に対し、人口減少下でのインフラ維持が困難になりつつある。災害対策の基本理念が原形復旧に留まり、創造的復興への転換が進んでいない。

目指すべき方向

災害対策の基本理念を創造的復興へ転換し、コンパクトシティ化による持続可能なまちづくりを推進する。

具体的な施策

  1. まちづくり計画の持続可能性点検とコンパクトシティ化の推進
  2. 災害対策基本理念の創造的復興への転換
  3. 民間企業間の「共助」による広域的な災害対策の推進

現状 2026年4月時点

コンパクトシティ化は富山市等で継続的に取り組み中で、全国30以上の自治体で検討・試行中。洋上風力発電等の再エネ導入が進行中。一方、災害対策基本法の理念転換や民間共助の体系的スキーム構築は法制化に至っていない。

施策1 コンパクトシティ化が全国で展開中。LRT導入等の例も散見される。
施策2 五島洋上ウィンドファーム(8基)が2026年1月運転開始。再エネ導入計画が全国で加速。
施策3 復興庁が「平時からの復興政策」を提言(2026年3月)したが、災害対策基本法の理念変更は法制化されていない。
施策4 災害時の官民協定が複数自治体で運用中だが、体系的な広域スキームの構築は途上。

提言内容 詳細

1. まちづくり計画の持続可能性点検とコンパクトシティ化の推進

  • 人口動向を踏まえたインフラ規模・内容の適正性検証と計画見直し
  • 近接市町村との広域連携、行政・商業・教育・医療施設の共有
  • 若者の力を活用し、企業・NPOの参画も踏まえた将来に希望を持てるまちづくり

2. 再生可能エネルギー導入と企業誘致による地域活性化(東日本大震災被災地の事例)

  • スマート防災エコタウンの実現と首都圏への送電網整備(宮城県東松島市の事例)
  • 一大エネルギー供給拠点化による雇用と産業振興への波及(福島・浜通り:福島イノベーション・コースト構想)

3. 東北の産業振興と広域観光の推進

  • 東北6県連携による『みちのくブランド』の確立と農林水産品の共同販促
  • 東北観光推進機構による魅力的な周遊ルート形成と国内外へのアピール

4. 海外から人材を確保する制度の新設

  • 技能実習制度優秀修了者への在留資格付与と家族での長期就労の実現(「復興・創生期間に向けた提言」(2016年3月9日)本文に記載)

5. 災害対策の基本理念を創造的復興へ改め、産業復興に向けた政策手段を拡充

  • 災害対策基本法の基本理念を原形復旧にとどまらない創造的復興へ転換

6. 復旧・復興の教訓や知見のアーカイブ化と後世への継承

  • 東日本大震災をはじめとする災害の教訓・知見を体系的にアーカイブ化し今後に活用

7. 民間企業間の「共助」による広域的な災害対策の推進

  • 激甚化・広域化する災害に対し、近隣企業や自治体との連携による共助体制を構築

参照提言

  • 復興・創生期間に向けた提言 〜東日本大震災発災5年を迎えて〜(2016年3月9日)
  • 防災・震災復興委員会報告書 ~東日本大震災の発災から 10年を迎えて~(2021年5月14日)

PAGETOPへ