政策提言

「産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 事業再構築小委員会報告書(案)
-早期での事業再生の円滑化に向けて-」に対する意見(パブリック・コメント)

# 中堅・中小企業 # 企業法制/ガバナンス # 規制・制度改革
中堅・中小企業活性化委員会
委員長 寺田 航平
(寺田倉庫 取締役社長)

本文

 今般、経済産業省から公表された「産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 事業再構築小委員会報告書(案)-早期での事業再生の円滑化に向けて-」に対して、本日、意見(パブリックコメント)を経済産業省に提出しました。
 なお、本意見は経済同友会が昨年4月に公表した提言「人手不足時代の中堅・中小企業政策 ~生産性向上に向けた合従連衡と労働移動の促進~」の趣旨を踏まえたものです。

意見の概要 ※詳細は、別添の意見本文をご確認ください。

1. 報告書(案)に対する基本的な考え方

 窮境に陥るおそれがある事業者の再構築を図り、合従連衡を促進するために、特別多数による決議と裁判所の認可により債権者の権利変更を可能とする第三の制度(以下「本制度」という。)の創設を志向する今般の報告書(案)の方向性に賛成する。
 一方で、本制度を実務的に利用可能なより良い制度とするためには、一部の論点について改善の余地がある。先行する各国の法制や現在の実務プラクティスなどを参考に再度検討を行うべきである。

2. 担保付債権の扱いについて

 実体法上の担保権の優先性を尊重し、「権利の減免」に該当する権利変更を対象外とすることに異論はないが、いわゆるリスケジュールに当たる「期限の猶予」についてまで対象外とすることが、妥当な判断なのか疑問が残る。
 本制度を利用する場合の計画には、担保権者が存在する限りにおいて、必ず「期限の猶予」が包含されるため 、その部分を権利変更の対象外とする制度が実務的に機能しないのではないかとの懸念が払拭できない。

3. 議決権の考え方および決議の可決要件について

 権利変更に上記二種類の区別があることを前提にすると、期限の猶予と権利の減免の可決要件に有意な差を設けることが公平である(例えば前者の可決要件を3分の2、後者を4分の3とするなど)。

以 上

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