TICAD9中に経済同友会が投資と人材をテーマとしたパネルを開催
(アーカイブ配信あり)
経済同友会は8月21日、TICAD9が開催されたパシフィコ横浜の会場にて、「TICADの"I"をInvestmentに進化させるとき 〜"Cost of Inaction"に目を向け、共創を通じて成果を生み出す〜」と題したパネルディスカッションを開催しました。当日はアフリカへの投資および人材還流をテーマとする二部構成のパネルディスカッションを実施し、日本企業による対アフリカ投資の拡大に向けて白熱した議論が交わされました。
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※オリジナル音声につき、日本語と英語が入り混じった音声となります。
開会挨拶
冒頭、井出達也 経済同友会中東・アフリカ委員会委員長(株式会社フジタ取締役専務執行役員)より、開会挨拶を行い、2021年に経済同友会が発出したアフリカ投資機構設立に向けた提言が、アフリカ向けインパクトファンド運営会社&Capitalの経済同友会の有志による設立によって具現化していることやTICAD9を契機に民間企業はCost of Inactionに正面から向き合い、本年3月に経済同友会が発出した提言に記された、4つの領域における「共創」を通じてアフリカ進出に向けて一歩踏み出すべきことを強調しました。
- 井出委員長による開会挨拶
基調講演
佐藤哲 &Capital代表取締役CIOから、2023年の&Capital設立以降の歩みや経済的リターンと社会的インパクトの両立を特徴とする&Capitalの戦略を紹介しつつ、8月18日に日本企業のLP(出資企業)とプレクロージングに至ったことを発表しました。
- (左から)渋澤中東・アフリカ委員会委員長、Quaynor AfDB副総裁、大場JICA理事、佐藤哲&Capital CIO
第1部パネル:アフリカへの投資セッション
第1部のパネルでは、日本の国内外でアフリカへの投資や事業に関わるパネリストの間で、アフリカへの投資をテーマに議論が行われました。特にCost of Inactionの考え方を中心に議論され、日本企業がアフリカ進出をためらうことによる機械的損失、他国企業によるアフリカでの先行事例、第三国連携や長期的視点に立った投資の必要性等に議論が及びました。また、投資や事業にあたっては課題解決や若者の巻き込み、格差是正といった社会的な側面の貢献も忘れてはならない点も強調されました。
【登壇者】
モデレーター
- 渋澤 健 経済同友会中東・アフリカ委員会委員長(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役)
パネリスト
- 岩井 睦雄 日本たばこ産業株式会社取締役会長(経済同友会筆頭代表幹事)
- Danladi Verheijen, Board Chair of AVCA(The African Private Capital Association)
- Megha Okhai, Investment Manager of BII(British International Investment)
第2部パネル:人材還流セッション
第2部のセッションでは、日・アフリカの人材交流に官民の様々な立場から携わるパネリストの間で、「人材還流」をテーマにした議論が行われました。一方的な援助ではなく日・アフリカで対等な互恵関係を構築する必要性やYouth TICADを始めとする日・アフリカの若者世代による主導的な活動について言及がされました。特に、アフリカから日本への人材の流れだけでなく、日本の若者もアフリカに積極的に関与することの重要性や、制度面だけでなく企業文化や社会的受容の課題についても議論が深められました。
【登壇者】
モデレーター
- 白戸 圭一 立命館大学国際関係学部教授
パネリスト
- 小笠原 憲一 国土交通省海外プロジェクト審議官
- 堀江 徹 日本信号株式会社取締役常務執行役員、経済同友会中東・アフリカ委員会副委員長
- 休場 優希 一般社団法人AAYN(Africa Asia Youth Nest)代表理事、 JICA職員
- Dube Tanatsiwa Christabel 立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部生、Founder&CEO of Tahris!