連合（日本労働組合総連合会）との幹部懇談会を開催

2020年12月22日

経済同友会は、2020年12月22日、連合と本会幹部との懇談会を都内で開催しました。神津里季生会長、櫻田謙悟代表幹事ら31名（オンライン含む）が出席し、「『with／afterコロナ』時代の働き方・人材を中心とする諸課題の解決」について意見交換を行いました。

神津会長は、「いまの日本には感染不安と雇用不安が漂い続けており、社会全体の安心感を担保していくことは、待ったなしの重要事項である。感染症対策と経済の復旧は本来、二律背反にはなく、社会の不安を解消することそのものが最重要な経済政策だ」としつつ、「with／afterコロナの社会像を描くうえで、この二十年余りの間の格差拡大とそれをもたらした社会構造に対して抜本的なかたちでメスを入れる必要がある。産業構造が変化し、デジタルトランスフォーメーションも進む中、雇用のあり方においては、安心感のもてる労働移動がカギになる」と述べました。

櫻田代表幹事は、「私自身を含め、この一年で働き方や暮らし方は激変した。中長期の課題を考える上では、コロナ前には戻らないという覚悟が必要であり、これを日本の飛躍のチャンスとしたい」「両組織の活動のエリアは異なるが、課題認識は極めて似ていると改めて感じた。特に、持続可能性という観点で財政を見ると、政府の『成長なくして財政再建なし』は事実だが、過去30年そう言い続けて実現していないという現実も直視する必要がある。将来のためのグリーン投資を増やすことは大賛成だが、その資金を将来世代から借りて行うのはどうなのか。『今度こそ、成長に繋げる。今度こそ、新しい日本を創るのだ』という勇気と覚悟が必要で、それを行動に移す年が2021年である。また、持続可能な財政構造を実現するためには、成長だけでは不十分で、今後も拡大が続く社会保障系の歳出については、応能負担の考え方をもう一歩進めなくてはならない」と述べました。

その後、連合は「with／afterコロナ時代のデザイン～仕事・暮らし・社会の新しいカタチをつくる～」、経済同友会は「テレワーク導入拡大を契機に、自律的な働き方の推進を」を報告し、意見交換を行いました。

意見交換後の総括において、神津会長は、「with／afterコロナ時代とはそれ以前に戻すことではないという認識を合わせることができたことは大変重要」、櫻田代表幹事は、「コロナ禍を奇貨として、日本社会の再設計に向け、立場を超えて中長期を見据えた本質的な議論をする機会ととらえたい」と述べました。

経済同友会櫻田謙悟代表幹事

連合神津里季生会長

出席者名簿

連合出席者

神津里季生　会長
逢見直人　会長代行
川本淳　会長代行　自治労委員長
松浦昭彦　副会長　UAゼンセン会長
髙倉明　副会長　自動車総連会長
神保政史　副会長　電機連合委員長
安河内賢弘　副会長　JAM 会長
神田健一　副会長　基幹労連委員長
増田光儀　副会長　JP労組委員長
清水秀行　副会長　日教組委員長
坂田幸治　副会長　電力総連会長
野田三七生　副会長　情報労連委員長
難波淳介　副会長　運輸労連委員長
酒向清　副会長　JEC連合会長
伊藤敏行　副会長　フード連合会長
芳野友子　副会長　JAM 副会長
相原康伸　事務局長

経済同友会出席者

代表幹事
櫻田謙悟（SOMPOホールディングスグループCEO取締役代表執行役社長）
副代表幹事
間下直晃（ブイキューブ取締役社長 CEO）
副代表幹事・専務理事
橋本圭一郎（経済同友会副代表幹事・専務理事）
グローバル競争下の人材戦略と労働市場改革委員会委員長
田代桂子（大和証券グループ本社取締役兼執行役副社長）
※新任副代表幹事候補者
グローバル競争下の人材戦略と労働市場改革委員会副委員長
安部和志（ソニー執行役専務）
グローバル競争下の人材戦略と労働市場改革委員会副委員長
川上登福（経営共創基盤共同経営者マネージングディレクター）
グローバル競争下の人材戦略と労働市場改革委員会副委員長
大山晃弘（アイリスオーヤマ取締役社長）
負担増世代が考える社会保障改革委員会委員長
髙島宏平（オイシックス・ラ・大地取締役社長）
※新任副代表幹事候補者
企業経営委員会副委員長
赤池敦史（シーヴィーシー・アジア・パシフィック・ジャパン代表取締役社長日本共同代表パートナー）
企業経営委員会副委員長
菅原敬（アイスタイル取締役CFO 兼グローバルSVP）
企業経営委員会副委員長
高藤悦弘（味の素取締役）
企業経営委員会副委員長
田川丈二（日産自動車専務執行役員チーフサステナビリティオフィサー）
常務理事
岡野貞彦（経済同友会常務理事）
常務理事
菅原晶子（経済同友会常務理事）