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第1回オープン・フォーラム「未来選択につながる民主主義」
~若者の政治・社会への関心を高めるために~

第1回オープン・フォーラムのテーマは、「未来選択につながる民主主義~若者の政治・社会への関心を高めるために~」。
主権者教育のあり方や、地域社会における若者の政治参画の状況と問題点など、若者の政治参画に関する課題について、企業経営者、アカデミア、労働組合、マスメディア、行政、学生など、20人余の多彩な顔ぶれが会議に参加し、本会会員など約160人が視聴しました。 (所属・役職は開催時)

開催日 2021年1月19日(オンライン)
参加者 約20人
視聴者 約160人
プログラム

開会挨拶
間下 直晃 経済同友会 副代表幹事

導入説明
玉塚 元一 経済同友会 政治改革委員会 委員長

第1部
若者の政治参画の「入口」はどこにあるのか?~先進事例とその課題・論点の整理
概観
若者の政治参画、主権者意識の涵養にかかわる取り組みについて
トピック1
学校教育(授業など)主権者としての自覚、社会課題への関心を高めるような授業のあり方と今後の課題
トピック2
学校運営(生徒会活動など)児童・生徒などの学校運営への参画を巡る状況と問題点
トピック3
地域社会(自治体)地域社会における若者の政治参画の状況と問題点

第2部
対話・議論

閉会挨拶
櫻田 謙悟 経済同友会 代表幹事

導入説明

■ 玉塚 元一 経済同友会 政治改革委員会 委員長

  • 未来を決めるのは若者であるべきだが、政治の場面でその声が活かされているとは言い難い状況だ。こうした問題意識から、今回のテーマを決定した。
  • 政治参加には、政治に興味・関心を持つこと、投票先や支持する政策を決定すること、投票・参加すること、という三つの段階がある。
  • 今回は、主権者教育にかかわる先進的な事例を取り上げ、それをより一層広く社会に広げていくために何が必要か議論をする。

第1部 若者の政治参画の「入口」はどこにあるのか?
~先進事例とその課題・論点の整理

概観:若者の政治参画、主権者意識の涵養にかかわる取り組みについて

問題提起①

■ 日本若者協議会 代表理事 室橋 祐貴氏

  • よく「若者は政治に関心がない」と言われるが、データの裏付けはない。若者の政治参加を阻んでいるのは、若者の関心以外の要因。日本は、「政治知識と市民としてのスキル」、「政治的有効性感覚」、「政治への動員」の三つが特に弱い。
  • 海外では義務教育課程で政治に関わる方法を教える。幼稚園時から積極的に子どもに意見を求め、学校のルール作りに生徒が参加、政治的有効性感覚を涵養。
  • 動員という面では、学校内での政治活動、生徒会主催の公開討論会、学校外でもVote Matchのような機会、若い政治家の存在もある。日本の若者は大人への信頼がない。身近な社会、学校でさえ変えられないと思っている。
    ※ Vote Match:有権者が自身の考え方に近い政党や候補者を知ることができる投票補助サービス

トピック1:学校教育(授業など)
―主権者としての自覚、社会課題への関心を高めるような授業のあり方と今後の課題

問題提起②

■ 玉川学園 高等部・中学部教諭 硤合 宗隆氏

  • 2002年より模擬投票(20回以上)を中心に主権者教育を実践。
  • 学校でできることには制約も多く、文科省から明確なガイドラインも示さず試行錯誤。学校内でさまざまな取り組みをするにも、教員にとってはガイドラインが重要だ。ドイツの「ボイテルスバッハ合意」の日本版が必要ではないか。
    ※ ボイテルスバッハ合意:
    1976年にドイツの著名な政治教育研究者らが発表した政治教育の基本原則。
    ・教員は生徒を期待される見解をもって圧倒し,生徒が自らの判断を獲得するのを妨げてはならない。
    ・学問と政治の世界において議論があることは,授業においても議論があることとして扱わなければならない。
    ・生徒が自らの関心・利害に基づき効果的に政治に参加できるよう、必要な能力の獲得が促されなければならない。

問題提起③

■ 長野市立長野中学校長・長野高等学校長 菅沼 尚氏

  • 学校教育が学校内で完結してしまっていたことが問題。
  • 従来型の調べ学習を、課題解決型授業(PBL:Project-Based-Learning)に転換。学校外の多くの他者とかかわることで、生徒の社会課題への関心が高まり、考えも深まる。

トピック2:学校教育(生徒会活動など)
―児童・生徒などの学校運営への参画を巡る状況と問題点

問題提起④

■ 日本若者協議会「学校内民主主義を考える検討会議」座長代理
/Liquitous 代表取締役CEO 栗本 拓幸氏

  • 生徒会活動では、生徒の自治的活動が進んでいるケースも、お飾り参画にとどまるケースもあり、さまざま。
  • 日本若者協議会が実施したアンケート調査では、「児童・生徒の声で学校が変わるか」との質問に、児童・生徒の7割が「変わらない」と回答。自分の声で変化が起きないと思っているならば、卒業後も政治に参加しようとは思わないのではないか。
  • 児童・生徒が声を上げたとき、生徒会、教員、PTA、地域コミュニティなどの受け皿が開かれていることが重要。敷地内禁煙が不徹底の学校で、生徒の声で完全禁煙が実現した例もある。教員と生徒の利害が一致しない場合もある中、生徒に協力的な先生がいることが不可欠。

トピック3:地域社会(自治体)―地域社会における若者の政治参画の状況と問題点

問題提起⑤

■ 愛知県新城市長 穂積 亮次氏

  • 新城市では、毎年16~29歳の委員を公募し、約20人で若者議会(市長の諮問機関)を構成して1,000万円の予算提案権限を付与。その範囲内で政策を提案。市長がそれを議会に上程し、議決されれば執行。
  • 今年度で6期目を迎え、若者議会経験者から実際の議員も誕生。制度的に課題も多いが、若者が政策決定に直接かかわり、社会の仕組みを知り、自ら進路を決定することは大きなプラス。全国的にも注目が高まっており、若者議会を設置する自治体も。
  • 今後の課題は、若者と実際の政治との接点づくり。条例で市長立候補予定者の公開討論会の開催を義務付けた。市が討論会を設置し、その運営に市民がかかわる。

(参考)新城市「若者議会」の取り組み(新城市ホームページ)

第2部:対話・議論

政治への関心を高めるためには?

■ 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授/NIRA総合研究開発機構 理事長 谷口 将紀氏

今の高校3年生は、大学入試制度の変更によって、制度が変わることの影響、それに伴う自分たちの行動の変化を体験した。今後は、若い人たちが「運転」をしていく道の先にどういうリスクがあり、先々どんな選択を迫られるのかを、現実的に示す必要がある。若い人たちが進路を考えること、政治を自分事として捉えることにもつながる。

■ 八千代松陰高校3年 渡辺 飛鳥氏

公民の授業で政治的な発言をする先生がいて、具体的な政策を巡って相当議論をしたが、理解が追い付かない生徒が多かった。社会問題に興味を持つことが重要。

学校における主権者教育推進の課題とは?

■ 文部科学省 初等中等教育局 教育課程課長 滝波 泰氏

投票年齢の引き下げに対応し、政府は2015年に主権者教育や政治的中立性に関する方針を大きく転換、それに連動して公民科で使える副教材も作成・提供。こうしたものを参考に現場での取り組みを進めていただきたい。

■ 日本教職員組合 中央執行委員長/連合 副会長 清水 秀行氏

教師の意見も世の中のいろいろな意見の一つ。先生が一市民として何を考えているかを生徒に聞かれた際、答えられないようでは授業にならない。現場が萎縮せずに主権者教育を進めるため、テーマをよく選ぶべき。

■ 文部科学省 主権者教育推進会議 座長 篠原 文也氏

学校現場における政治的中立性の担保には、ドイツと英国の例が参考になる。ドイツでは、「論争あるものは論争あるものとして扱う」ことが原則で、英国にも同様の原則がある。

若者の関心、政治参画につながる対立軸や言論空間を巡る課題

■ 山猫総合研究所 代表 三浦 瑠麗氏

政治を知らないから投票できないわけではない。日本に足りないのは、国民全員がしっかり巻き込まれるような適切な分断だ。若者が興味を持てるテーマによる政治的差異を示し、議論する試みが必要。カジュアルな形で分断を議論に取り入れるのがよい。

N高政治部では政治的な発言をしても損をしないという感覚を持ってもらうようにしている。自民党の麻生太郎氏を招いたときは、バッシングが政治部に加え学生にまで向かった。メディアがどう切り取るのか、政治にかかわるとこういうことも起きるのか、という実感を持つ機会にはなった。政治にかかわることでバッシングを受けない空間を作っていく必要。

(参考)N高政治部の取り組み(N高政治部ホームページ)

■ 日本放送協会 解説委員室 解説委員長 今村 啓一氏

これからのメディアの役割を考え直す必要がある。テレビはもっとリソースを若者に振り向けていくことが大事。また、SNSには問題もあるが、可能性があるメディア。いかにうまく利用し、対立ではなく共感につなげるかが課題。

■ 朝日新聞DIALOG 学生メンバー 古野 香織氏

話を聞いてくれる大人がいることが大事。朝日新聞DIALOGは、朝日新聞社が若者と一緒に進めるプロジェクト。定例会で若者に関心を聞き、若者自身が情報発信する。新しいメディアのあり方だと思う。

これからの時代の民主主義について考える

■ 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授/NIRA総合研究開発機構 理事長 谷口 将紀氏

学校教育で政治的有効性感覚を養うこと、民主主義は決して所与のものではないと教えることが必要。

■ 日本労働組合総連合会 事務局長 相原 康伸氏

18歳に対する調査では、コロナ後に一番変わるべきは政治という声が挙がっている。公衆衛生や、施策のスピード感が問題視されている。ここから困難を乗り越えていく過程そのものを、主権者教育の機会にできるのではないか。

■ 慶應義塾大学1年 古田 亮太郎氏

政治的有効性感覚を高めるには、リーダーシップを取る経験も重要。小学校の卒業生を送る会など、様々な行事の運営側に立てば、賛否などいろいろな意見に対応する経験になる。

■ 新芝 宏之 経済同友会 政治改革委員会 委員長

数で決めることが民主主義というイメージだが、本来は、少数意見や違う意見を聞き、それによって正しい選択をすることが重要。そのような論争、議論の場を作り深めていくことが有意義。

閉会挨拶

■ 櫻田 謙悟 経済同友会 代表幹事

  • 民主主義は所与のものではなく、大切に扱い、守っていくべきものという点をあらためて確認する必要がある。新型コロナウイルス感染症への対応を巡り、国家体制の違いも顕在化している。
  • 日本は、民主主義国家の中で世界第2位の経済規模の国である。米国の状況が懸念される中、世界は日本の民主主義のありように注目してくるのではないか。
  • 大人にも政治的有効性感覚があるわけではないが、それでも投票には行っている。若者の本音はどこにあるのか。若者の横に座り、会話を投げ掛けて話を聞くスタンスが大人には必要である。

(所属・役職は開催時)

※詳細は広報誌『経済同友』よりご覧いただけます

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