代表幹事の発言

長谷川閑史 元代表幹事のご逝去にあたって

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 山口 明夫

 長谷川元代表幹事は、東日本大震災という未曽有の国難の直後、2011年4月に代表幹事に就任されました。その際に掲げられたのは、「成長へのコミットメント―東日本大震災からの復興を日本改革の契機に―」でした。被災地の痛みに深く思いを寄せながら、まずは総力を挙げて復旧・復興に取り組む。そしてその先に日本を活力と希望のある国として再生するため、経済成長を実現する。その強い決意を活動の中心に据えられました。

 とりわけ心に残るのは、言葉だけでなく、行動で被災地に寄り添われたことです。自ら現地を訪れ、全国各地の経済同友会とともに「IPPO IPPO NIPPONプロジェクト」をいち早く立ち上げられました。震災からわずか4か月後には、毎年軽井沢で開催していた夏季セミナーを仙台で開催し、その後も東北各地に多くの経営者が足を運ぶ流れをつくられました。復旧から復興へ、文字通り一歩一歩、現場とともに歩まれた姿勢に、長谷川元代表幹事の人柄と信念が表れていたように思います。

 同時に、日本経済を再び成長軌道に乗せることにも、一貫して強い思いを持っておられました。アベノミクスの始動後は、政府の産業競争力会議の民間議員として成長戦略の議論に加わり、TPP交渉の加速、岩盤規制の打破、国家戦略特区の推進など、民間の力を引き出す改革を力強く訴えられました。そして、経済同友会においては、当時「改革推進プラットフォーム」や「政策分析センター」を立ち上げ、提言・行動・発信を一体で進める体制を整えられました。提言して終わるのではなく、社会を実際に動かすところまで責任を持つ。その姿勢は、今日の経済同友会にも確実に受け継がれています。

 今、日本は再び、大きな変革の時代にあります。危機を変革の機会に変えられるかどうかは、私たち自身の行動にかかっています。長谷川元代表幹事が示されたように、経営者自らが変革し、成長をつくり、その力をより良い社会につなげていく。その志を、私たちも受け継いでまいりたいと思います。

 東北の復興、日本経済の再生、そして経済同友会の発展に尽力された長谷川元代表幹事の在りし日を偲び、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

以上

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