代表幹事の発言
飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化について
公益社団法人 経済同友会
代表幹事 山口 明夫
代表幹事 山口 明夫
本日、高市首相は、令和11年度から所得に連動したきめ細かな給付を本格導入するとともに、それまでの経過措置(つなぎ)として、飲食料品に係る消費税率を1%に引き下げ、その1%分を活用して同給付を先行導入する方針を表明した。
本会が長年にわたり提言してきた、中低所得の現役勤労者を対象とする「給付付き税額控除」の創設が盛り込まれたことを歓迎したい。
一方、飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化は、市場に大きな懸念を招く可能性がある。財政に対する信認を維持するため、今後の法案審議および制度設計において、以下の3点を明確にすべきである。
- 安定的な財源確保への道筋
5兆円規模の財源を、例示された補助金や租税特別措置の見直しのみで確保することは容易でない。所得に連動したきめ細かな給付の本格導入まで見据え、特別会計の剰余金等の一時的な財源に依存せず、安定的な財源確保の道筋を具体的に示すべきである。 - 経過措置(つなぎ)の出口戦略
2年後に税率を8%に戻すための出口戦略が極めて重要である。政府・与党には、法制上の措置を含め、その確実な実行の担保を求める。その際、税率復帰前後の駆け込み需要や反動減への対策、事業者支援等に係るスケジュールも予め示し、国民と事業者の予見可能性を確保していただきたい。 - 歳出改革の徹底
今後も増大が見込まれる社会保障給付に正面から向き合い、制度の抜本改革を断行することが不可欠である。「骨太方針2026」に基づく改革項目の具体化と工程の明確化に当たっては、持続可能な制度を次の世代に引き継ぐ観点に立ち、痛みから目を背けず、給付と負担の両面にわたる聖域なき見直しを強く求める。
本会としては、今後「給付付き税額控除」のあるべき姿を提言するとともに、社会保障国民会議において積極的に意見表明を行うことにより、将来世代に責任ある「社会保障と税の一体改革」の実現に力を尽くす所存である。
以上