代表幹事の発言

「日本成長戦略」および 「経済財政運営と改革の基本方針2026」の閣議決定について

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 山口 明夫
  1. 「強い経済」の実現に向けた『「強く豊かな日本」投資枠』の創設や複数年度予算の見直しは、企業の予見可能性を高め、民間投資を促すものとして意義がある。官民で共にリスクを取りつつも、果敢に新しい取組みを進めるとともに、軌道に乗った後は民を中心に市場原理に基づいて成長を加速させていくことが重要である。また、その推進に当たっては、各分野・政策間の優先順位を定め、2040年度までの工程表と細かな進捗・費用・成果管理、第三者が投資効果を厳格に検証する仕組みを導入すべきである。
  2. 消費税は、今後も拡大が見込まれる社会保障を支える貴重な財源である。また、わが国の金利環境が正常化しつつある中、その税率を引き下げる場合には、財政に対する市場の信認や長期金利、為替への影響も十分に見極める必要がある。政府・与野党は、税率引下げに代え、来秋から「所得に連動したきめ細かな給付」を本格導入する案をはじめ、各政策オプションについて、財源面も含めたメリット・デメリットを明らかにすべきである。党派を超えて責任ある議論を尽くし、可能な限り早期に結論を得ることを求める。
  3. 社会保障については、目標指標としての社会保障負担率の採用、第3号被保険者制度の見直し検討が明記された。現役世代の負担軽減や働き方に中立的な制度への転換に向けた前進と受け止める。一方、低所得者への適切な配慮を前提としても、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について踏み込みを欠いた点は残念である。社会保障国民会議の議論も踏まえつつ、社会保障全体の給付と負担、税と社会保険料のバランスの議論を深めるべきである。社会保障改革は、労働参加と消費を促す成長戦略でもあり、改革のさらなる加速を強く求める。
  4. わが国は、今、確かな成長に向けた好機を迎えており、官民の垣根を越え、経済・財政・金融・社会保障を俯瞰した取組みが重要である。今回の決定によって、経営者が行動すべき局面を迎えたと認識しており、我々は自らの経営を通じて「強い経済」の実現に貢献するとともに、わが国が直面する諸課題の解決に力を尽くす所存である。

以上

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