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世界とともに生きる決意-1999年年頭見解

目次

はじめに
1.構造改革にむけた明確な意思表示を
2.企業改革への経営者の決断と行動
おわりに

はじめに

我々は「グローバリゼーションの進展の中で、世界とともに生きる決意」を固め、「人権を尊重する民主主義と競争に経済を委ねる自由経済を基本とする新しい国創り」に挑戦してきた。
一昨年発表した『市場主義宣言』では、民間部門の投資や消費が経済を牽引することを基本思想に、官から民、中央から地方への移行、簡素で効率的な小さな政府の実現、民間活力を引き出す所得減税、法人減税、規制撤廃の断行を繰り返し主張し、今日に至った。

1.構造改革にむけた明確な意思表示を

未曾有の財政出動にもかかわらず、景気回復の道筋が見えてこないのは、景気回復のための政策が前面に出て、その背後にある民間主導による構造改革実現のための政策意思が明確にされていないからである。将来に対する不安感は、21世紀への道筋を明示することによって、その多くは解消される。さらに、不安感を増幅させている株式市場、通貨市場、債券市場の乱高下を避けるためにも、海外に向けて日本の改革メッセージをより強く打ち出す必要がある。

その第一は、税制改革である。所得減税と法人減税の断行は、民間主導型経済の実現に向けた政府の強い期待であることを繰り返し述べて欲しい。同時に、財源問題や制度化問題にも速やかに着手し、世界に向かって日本の税制構想を明確に伝える。

第二は、政府投資である。膨大な政府投資の拡大に対処するため、戦略的に重点化する必要がある。政府は、情報・通信分野、新しい交通システムの整備、都市活性化のためのインフラ整備、高齢化社会、環境問題に対応するインフラ整備など、新しい政策意図を明確に打ち出し、前倒しして実現するために、早急に省庁を越えた新しい推進体制を具体化すべきである。

第三は、規制撤廃の推進である。規制撤廃は、民間活力の発揮、新たなビジネス・チャンスの創造など、経済活性化に最も必要な道筋である。前述の政府投資と連動して、情報・通信、環境、医療・福祉、教育などの分野で新しいサービスが生まれ、雇用の拡大に寄与する。規制撤廃推進計画は、経済規制の全面撤廃を原則とし、必要最小限の新たなルールを改めて策定するという方向で、早急に作業を開始しなければならない。
これらを推進するためには、柔軟かつスピーディーな意思決定と執行を可能にする国会運営と政府組織が不可欠である。政府委員の廃止、政府執行部の拡充を目指した副大臣制の導入、閣僚数の削減、議員定数の削減、組織の簡素・効率化などの国会改革・内閣改革、さらに総理他の閣僚が国会中でも国内外の外交活動を機動的に行なえる外政重視型への変革を急ぐ必要がある。

2.企業改革への経営者の決断と行動

日本経済が、ニクソンショック、オイルショック、円高ショックといった困難を乗り越えてきたのは、経営者の積極的かつ大胆な経営改革によるところが大きい。企業は、過剰設備の廃棄や不採算資源の戦略的再配分とともに、あらゆる叡智を結集して、顧客満足度の高い魅力ある商品・サービスを国内外の市場に提供することに挑戦しなければならない。そのためにも、経営者は状況の変化に即応できる柔軟な経営システムを構築し、スピーディーかつ大胆に意思決定をしなければならない。

その鍵の第一は、雇用問題である。今や、わが国全体の人材の有効活用や最適配置を実現するための政府と企業の役割分担、政策転換について、具体的検討を急ぐ必要がある。行き過ぎた雇用維持政策は、新しい産業構造への変化を阻害し、問題の解決にならない。企業は、従来の人事制度にとらわれず、従業員の能力を最大限に発揮できる環境づくりと適正配置、評価を真剣に考える時にきている。政府は、失業保険の給付拡充と期間延長、職業能力開発支援など、移動円滑化と不安解消のための政策に力点を移すべきである。

第二は、ディスクロジャーとアカウンタビリティーに基く企業経営である。2000年3月期からの連結会計・時価会計を中心とする国際会計基準の本格適応が目前に迫っており、企業はガラス張りのありのままの姿が市場で公開・評価されることとなる。それにより、含みに頼った問題の先送りや曖昧なグループ経営はできなくなる。経営者はこれを積極的に捉え、厳しいコーポレートガバナンスの下で経営の規律を高め、企業体質を強化しなければならない。

おわりに

金融収縮、景気循環、構造改革という3つの重圧によって停滞した経済も、本年はいよいよ経済構造改革がメインテーマとなった。この1月から3月の経済運営が極めて重要であるにもかかわらず、年初来の円高、株安、債券安は、底を打った景気の底離れを困難にしている。政府には、内外の市場動向に対して適切な対応を期待しつつ、経済同友会は、今年こそは民の出番であることを確信し、厳しい状況に果敢に立ち向かうことを年頭の決意としたい。

以上


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