ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
ローカルナビ(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

ここからグローバルナビです。

グローバルメニューここまでです。

ここから本文です。

櫻田謙悟経済同友会代表幹事の記者会見発言要旨

日時 2020年12月15日(火) 13:30~
出席者 櫻田 謙悟 代表幹事
橋本 圭一郎 専務理事

全編ノーカット版

動画を拡大する

本日のホットトピック

動画を拡大する

PDFはこちら

記者の質問に答える形で、GoToトラベル、全世代型社会保障改革、今年1年の振り返り、成長戦略、ワクチン接種、賃上げ、菅政権支持率低下、業績が厳しい産業への対策、医療の地域連携、今年の漢字などについて発言があった。

Q : 政府が今月28日から1月11日までGoToトラベルキャンペーンの適用を全国で一時停止することを決定した。これに対する評価、経済界への影響、1月11日以降のあり方について伺いたい。

櫻田: 基本的には、感染拡大防止と経済維持の両にらみを捨ててはいけないと考えている。直近の情報や状況をみながら、瞬時に、臨機応変にアクセルやブレーキ操作を判断すること(が必要)だ。12月28日~1月10日(GoToトラベルキャンペーン一時停止)というのは、昨今の感染者増大に危機感を抱いたものであり、妥当な判断だ。決して家に閉じこもっていなさいという趣旨ではないと理解している。GoToトラベルキャンペーンを一時停止することの趣旨を国民がよく踏まえた上で、しっかりと対処すること(が重要)だと思う。具体的には、手洗いやマスク着用をより一層徹底し、夜遅くまで繁華街に出かけたり、飲食時に大声で話したりしないこと。公園で弁当を食べることまで禁止していないはずだ。結果として、地域や業種によってプラスマイナスの影響が発生するだろう。マイナスの影響に対しては、国や各地方自治体で対処するということだと思う。また、政府にお願いしたいのは、発表されているデータでは、私たち一般の市民には(感染対策の自衛のために)必要な行動がわからない。注意すべき経路や場所、世代などがわかるように、データ等をもう少し細分化、具体化していただきたい。感染経路(の特定)は難しい。私も新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を利用しているが、(感染者と接触したという通知が)一度もない。本当に(周囲の)誰も感染していないのか、それとも導入率が低く機能していないのか。こうしたこと(の分析)にしっかりと取り組むべきだ。

Q : 昨日14日、全世代型社会保障改革が取りまとめられた。これに対する受け止めを伺いたい。

櫻田: コメントで発表した通りだが、重要な第一歩を踏み出した。ここに至るまで、うかがい知れないようなさまざまな調整に向けた努力があったと思う。結果のみに注目すると、本当に小さな一歩を踏み出したに過ぎない。全世代型社会保障という大変重要な理念を掲げて出発した会議のミッションは、やっとこれから始まるものと思っている。大きな点は、全世代を意識した改革、対策が打たれていること、受益と負担の考え方、特に現役世代と将来世代の負担を可能な限り抑えていこうという考え方、あるいは、子育てに関わる待機児童問題への対処等、全世代にわたる問題が議論され、まだ十分ではないが、結果を出したことに対して評価したい。残された問題、年金のマクロ経済スライドの名目下限措置の問題や、厚生年金の被用者拡大、医療に関して申し上げると、財政的効果が非常に大きい外来受診時定額負担(ワンコイン)制度の導入、介護事業における人材の需給ギャップ。このギャップは、2025年には40~50万人に膨らむと言われている。これらの問題についてどのように対処するか。(介護報酬)0.7%引き上げ改定(に向けて最終調整というのも含め)少しずつ前進はしているので、大いに期待しているが、まだまだ課題解決は緒に就いたばかりだ。引き続き、国民的議論が必要だ。

Q : 本日が今年最後の定例会見となる。1年間の振り返りをお願いしたい。

櫻田: 今年を振り返ると、コロナに始まりコロナに終わる1年であった。経済人として申し上げると、「危機をチャンスに」という状況は常にある。リストラクチャリングという経営用語があるが、これは事業体が課題を抱えて危機に陥った際、抜本的な改善を図る1つの手法である。今年は1月から危機が始まり、今に至るまで続いているが、日本経済や日本国民が、そして日本人のマインドセットが、さまざまな場面で試され、課題が一気に浮き彫りとなった。したがって、この1年間を忘れず、いかに次に変革につなげていくか、しっかりと頭に入れ、行動に移すべき年である。具体的に言えば、例えばデータである。データやデジタルが必要であると言われて久しいが、今回はマイナンバーが導入されなかった結果、(特別定額給付金に関し)他国と比べてはるかに遅い支給となった。あるいはデジタル政府と言われて久しいが、これが機能しなかった結果、(各種支援策の多くが)紙ベースでの申告となり、実際に必要な資金が必要な人に届くために大変な遅れをとり、またシステム自体がダウンする事態も招いてしまった。そして新しい働き方についても、以前より本会を含めて各所より意見が出されてきたが、インプット主義からアウトプットを重視し、何時間働いたかではなく、どのような価値を生み出したかを評価すべきである。そのためには、会社に行って、机に座っていることが仕事ではなく、新しい働き方のひとつとして、リモートワークを(拡充すべき)と申し上げてきたが、今回(新型コロナウイルス感染症を契機にリモートワークが)始まった。ピーク時には6割、企業によっては8割というリモートワークの導入率となったが、現在は元に戻りつつある。その理由は、「リモートワークにふさわしくない、なじまない仕事があったから」というものや、「リアルでのコミュニケーションの方がよいから」というものであった。しかし、これらは最初から分かっていたことであり、「ふさわしくない仕事」はどのようなもので、克服するにはどうすべきかとの議論が、必ずしも十分に行われているとは思えない。そして、リアルでなければコミュニケーションが取れないとすると、今までは十分にコミュニケーションが取れていたのか、ということになる。過去が良かったというノスタルジックな発想によって、日本がこれを機に、大きく変わらなくてはならない一番大切な時期に、大変不謹慎な言い方かもしれないが、形状記憶合金体質になっているとすると、大変な危機感を持つ。今回の第3次補正予算含め、新しい予算が15か月予算で組まれようとしているが、(今年度は)100兆円を超える赤字国債を発行した。足元の問題について言えば、確かに必要な資金かもしれないが、少なくとも100兆円という赤字国債については返さなくてよいのか。返さなくてよいとすると、どうすべきかとの議論のないまま、いわばMMT(現代貨幣理論)をはじめ、私自身あまり納得できない理論が横行しており、国民は一体何を信じればよいか分からない状況となっている。最後に、このような100兆円を超える赤字国債を組み、事業規模で74兆円規模の経済対策が示されたが、これはGDPギャップの34兆円に比べてはるかに大きな事業規模である。もちろん真水の部分はその内の32兆円程度と理解しているが、いずれにしても、これをどのようにして本当の経済成長につなげていくかの議論が行われていない。(脱炭素に向けた研究・開発支援のための)基金についても同様である。基金というものは財政投融資とは異なるため、いわば配り切りのもので、しかも長期間にわたるものである。長期間にわたって配り切ったものが、本当に所期の成果を生んでいるかに関しては相当な説明責任を求められるであろう。何よりも企業側が是非これをやりたいという声を、あるいは自信がある、または自信はないがチャレンジしたいという声が、どの程度出てきているか、これからであろうがしっかりと集めていただき、国民が、今度こそグリーンとデジタルを中心に成長に向かっていくと、そして着実に進捗しているということが分かるような、フォローアップできるような仕組みが必要である。過去にも同様な基金が創設されてきたが、多くが一般会計に戻されていると聞いており、同じ轍を踏んではならない。次の1年間は、日本が新しい資本主義の中におけるリーダーシップとロールモデルを示すための、ラストチャンスであると感じている。

Q : 先日、櫻田代表幹事がメンバーとなっている成長戦略会議にて「成長戦略実行計画」がまとめられた。こちらに対する所感を伺いたい。

櫻田: これまで成長戦略について議論されてきたといっても、始まったばかりであり、議論すべき事項がまとめられた点については、明確にまとめられていたと感じている。そこには成長に向けた基金の必要性のほか、全てではなくとも中小企業を一定程度の規模にしていく必要があるという点、あるいはグリーンとデジタルという点についても、少し具体的になってきた。ただ、成果というものはまだ出ていない。つまり何をやっていくべきかというテーマと分野について、中には税金を含めた資金的な内容もあったが、成果はこれからである。これは私の意見であるが、マクロ政策で行っていることや、行おうとしていることが、実際に企業の活動や設備投資、最終的には個人の消費につながる連鎖があって、はじめて成長と言える。その成長につながる間に、エネルギーが分散してしまう、つまりマクロ政策というエンジンの駆動力が、空回りしてタイヤに十分伝わらない事態を避けなければならない。具体的には、どのような技術がどの程度の効果を生み出すのか、どの技術であれば日本のどの企業に自信があるのかを見極めながらマクロ政策を打たなければ、グリーン(投資)とひとことで言っても(導入設備の)大半が輸入であれば意味がなく、成長につながっていかない。日本が強いところ、乗数効果の高いところに資金がしっかりと行き渡るようにすべきである。もうひとつは、全てのイノベーションの根底は、何といってもやはり人にある。人といっても単なる人ではなく、ダイバーシティがイノベーションを生むというのは、因果関係は別としても、相関関係ははっきりしている。この点において、ダイバーシティが圧倒的に遅れているのが日本であり、役員構成、あるいは管理職と呼ばれる方々、担当者の方々を含め、全体的なジェンダーのダイバーシティすら、日本はほとんど進んでいない。一方で世界を見渡すと、これに国籍や年齢というダイバーシティが加わり、ジェンダーというのは単なる男女ではなく、LGBT、セクシュアリティを考慮したダイバーシティまで進めている企業もある中で、日本はこれらが全く進んでいない。自戒の念を含めて申し上げるが、このようなことも本気で取り組まなくてはならない。成長戦略は単に税制や基金をつくるものではなく、これらの集合体であると考えている。

Q : 2点伺いたい。1点目は、来年の世界経済を展望する際に、ワクチン接種の動向が重要になる。米国のトランプ大統領はホワイトハウスの職員らに対して接種しなくてもよい、といった趣旨の発言をしている。またブラジルの世論調査では(接種すると回答した人が)少ないという結果がでており、仮にワクチンが供給されても懐疑論が世界に広がることがリスクになるのではないか。2点目は国内の賃上げについて伺いたい。コロナ禍で業種によって業績が様々で、一律(の賃上げ)というよりは相当バラつきがある一方、これまでの賃上げの流れもあり、ここで止まってしまうのかという懸念もあるかと思う。企業経営者の団体である経済同友会としてはどのようなスタンスか。

櫻田: 1点目については(今後の動向は)予測できないが、ワクチンが製造されつつあり、すでに英国や米国で接種が始まったことは大いに歓迎すべきことだ。ワクチンの効果が判明するには、接種する人の数が増える必要があるが、(接種を)法律で強制することはできない。何よりも重要なことは、国民がワクチン接種に関して心配に感じていることをFAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)や目安箱を通じて具体的に聞いてもらい、(日本政府が)分かりやすく答えていくことであり、デジタル技術を活用してやればよい。どの国のワクチンが良いということは申し上げられないが、最後は国民が判断するしかないし、そのための情報開示を進めることが必要。(ワクチン接種に対する信頼感の形成に)しくじると、経済全体に元気が出なくなる。経済の活動量が低いということは経済の伸びが止まるだけでなく、オリンピックにも影響が出てくるだろう。2点目の賃上げについては、団体としてあるべき水準や支払い方法を決めるべきではない。コロナ禍で同じ産業内でも濃淡が分かれており、個社の支払い能力や人事政策に基づいて支払うべき。賃上げの平均値としてこれまでの実績に若干ブレーキがかかるかもしれないが、史上最高益を出した企業もあり、それが構造的なものなら働きに報いてくれた社員に対してしかるべき賃上げをするべきだろうし、逆もまたありうる。世界で見ると、国全体での賃上げ(の議論)をあまり見かけたことがない。労働・雇用慣行、採用・人事制度に関してコロナ禍を機にもう一度抜本的に見直し、あるべき姿について国民レベルで議論すべき。

Q : GoToトラベルの全国一時停止は適切な判断という発言があった。勝負の3週間と言われた中で、このタイミングで決めたことについてお考えを伺いたい。

櫻田: 新型コロナウイルスのような難しい問題でなくても、経営にもあるが、トップはギリギリまで判断を遅らせるのではなく、判断を待つということはあってもいいと思う。現在のような状況で判断を遅らせると、もっとひどくなるということがある。そのタイミングを判断するのは集団ではなく、最後は責任者が決めるということに任せていかなければならないと思う。この時期での判断は、今でなければさらに厳しくなると判断されたのであろう。じゃあ早くやればよかった、遅らせればよかったのかというのは、それは結果論だ。結果論なので、結果うまくいかなかったのだからだめだったね、結果うまくいったのだから偉かったねというのは、少なくとも今回のような案件については、やや無理難題だと思う。もう一つ言わなければならないのは、説明責任だと思う。あの時こう判断して、うまくいったけど実は、ということもある。あの時こう判断してうまくいかなかったのは、このような理由があったからだということを説明し、それを聞いた国民が感情論ではなく評価することが必要だと思う。いずれにせよもう少し冷静に、ではどういう手があるのか、国民がそれぞれ考えることも必要だ。考えるためにはデータ、ファクトが足りない。ファクトをもらって、私ならどうするか(という意見)が出て、集まってくればよい。今公表されているデータだけでは、専門家がこう言っているということしかわからない。本当にそうなのか。国民が判断しやすいデータが開示されるといいと思う。

Q : 菅政権の支持率が低下傾向にある。新型コロナウイルスへの対応が指摘されているが、経済政策や外交面に与える影響を含め、支持率低下をどうみるか。

櫻田: おそらくご心配な向きはあるのだろう。下がっているということは、言われている通り、やはり新型コロナウイルス(の影響)があるのだろう。先ほどの話になるが、結果として(感染者が増大し)うまくいかなかったということが大きいと思う。結果としてうまくいけば、よかったのかということもあるが、個人的にはそうではないと思う。結果オーライということではない。逆に、結果がだめなら全てだめということでもない。大事なことはどのような手を打ち、ここがうまくいかなくて失敗した、うまくいったのはここがうまくいったからだということを、分かりやすく説明できるようにすることが、信頼回復に必要だ。支持率が下がったことが、経済対策あるいは外交にどのような影響を及ぼすかだが、(追加経済対策の)約74兆円という規模は需要の積み上げではなく、ある程度はマクロ(視点)からでてきた数字だと思う。規模の大きさを決めるとき、ある種の政治的判断が働いたと思うので、影響はゼロだと考えていないが、中身をみると、約74兆円の内、少なくとも約40兆円は将来の成長にむけた、たとえばグリーン、デジタル、国土強靭化など、新しい日本を作るために使おうと区分されている。(新型コロナウイルス感染拡大という)足元の火を消すの(に充てられるの)は半分以下となっている。(このことから見れば、)必ずしも支持率が落ちたから、即足元の対策をやろうということにはなっていないと思う。支持率(低下)が新型コロナウイルスの原因だとすると、外交に割く時間やエネルギーが減るのではないかという心配は多分ないだろうと思う。外交はトップの行動が重要だ。すでに外交日程は決まっているだろうし、やるべきことは決まっていると思う。支持率低下が経済政策の中身や外交に大きな影響を与えることはないと思う。

Q : 企業の業績について、全体を見るとV字回復ではなく最近はK字回復と、良いところと悪いところの差が出てきてしまっている。下がっている分野は、特にサービス業である。今日にも追加経済対策が閣議決定され、対応が出てくると思うが、経済界として、代表幹事個人として、どのようにしたら、来年以降傷ついたところが戻っていくか伺いたい。

櫻田: 非常に難しい問題である。マクロの話は一旦額が決まったわけであるため、来年に向けた構造改革であれば、サービス産業のうちどの規模のどの業種がというところに論点を持っていかなければいけない。1つの大きな企業がリストラクチャリングする際、ここは切り出して売却する、ここは再生させる、ここはもっと伸ばすといったように資源配分をする。そこに雇用という問題が絡んでくることも似ている。例えば、(飲食業で見れば)町の飲食店であってもテイクアウトできる飲食店とそこで食べなければならない飲食店とで変わってくる。それから、同じ飲食店でも極端に大きな成長は必要なく、先祖代々から続いてきたお蕎麦屋さんのような、町にとって大変大きな存在価値のある、1週間に1度はあのお蕎麦を食べなくてはという飲食店もある。全てを一緒にして考えてはいけない。成長は前提としないが、その町や地域にとっては大きな価値があるところには、むしろ一定期間粗利の補償があってもいいのではないか。ただ、その価値があるお店がどこであるかは、市区町村までいかないと分からず、基準を作るのも大変だと思う。もう一つ、ファミリーレストラン等、ここ(先祖代々から続いてきた町の飲食店)より規模が大きくチェーン店で、テイクアウトも実施しており、ある程度体力もあるが、さすがに傷んでいる飲食店もある。ここについては、今回の構造改革の資金をしっかりと使っていただきたい。お客さんが満員になり、肩を寄せ合って食べる状況は、今後起きないかもしれないという前提にたって、店舗やビジネスモデルを変えていくことを、今からやっていかなくてはいけない。今後は、企業がいろいろな部署や各事業に手を入れていくように、個別具体的に処方箋を作っていく段階に入り、そこには以前から申し上げているように、マクロの経済政策とミクロの実態を繋ぐ仕組みがなくてはならず、我々経済界も積極的にコミットしていきたい。

Q : 医療関連の方々の状況が非常にひっ迫している中で、多い地域から足りない地域に持っていくといった地域連携ができていない。都道府県の医師会の連携、日本医師会の連携が上手くいっていないと思うが、そこについて伺いたい。

櫻田: 地域連携は大きな問題である。今はないと思うが、(新型)コロナ(ウイルス)の(影響が)ない時には、病院においてもベッドや要員が余っているところと、足りないところがあった。同じように介護業界でも、余っているところはないが比較的余裕のあるところと、全く余裕がないところがある。医療の場合は、地域連携を阻んでいるいろいろな原因があると思うが、今こそ国難であるため、医師会にも積極的に現実を見ていただいて、どのようにしたらスムーズに人材の移動ができるか、医療連携ができるのか検討を進めていただきたい。もう一つ、スタッフや専門家の移動だけではなく患者の方々の移動も含めてであると思うが、これは何といってもデジタルである。デジタルデータをご本人もしくは近親者の了解をもって、別の医療機関に移すことが制度的に担保できれば、大分異なってくる。冒頭にも申し上げたように、この1年を振り返ると、今まで日本が先送りにしてきた問題が、いろいろなところで噴き出してきた。形状記憶合金になってはいけない。今度が最後(のチャンス)という覚悟で、この医療連携の問題も(取り組むべき)一つの大きな例である。

Q : 今年を象徴する漢字を伺いたい。

櫻田: 今年の最後に、ぜひ自分を鼓舞したいという意味で、「勇気」の「勇」である。変わる勇気、過去を捨てる勇気、現実を直視する勇気。不易流行ではないが、日本の日本らしさをもう一度見つめる勇気も必要である。新しい資本主義を何としてもつくっていかなくてはいけないが、その最先端のポジションにいるのは日本である。そのためには、財政、社会保障、デジタル化を含めて、遅れている部分について、痛みを伴うが本気でやっていこうという勇気を持ちたい。

以 上
(文責: 経済同友会 事務局)


ローカルナビここまでです。

ここからサイトのご利用案内です。

スマートフォン版サイトに戻る

サイトのご利用案内ここまでです。