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小林喜光経済同友会代表幹事の記者会見発言要旨

日時 2018年11月14日(木) 13:30~
出席者 小林 喜光 代表幹事
横尾 敬介 副代表幹事・専務理事

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記者の質問に答える形で、(1)、外国人労働者受け入れ、(2)RCEP交渉、(3)米国中間選挙、(4)2018年7~9月期GDP速報値、(5)消費増税対策、(6)国会審議、などについて発言があった。

Q : 先ほど政府が、外国人労働者受け入れの内訳について発表した。今後5年間で26万人~35万人程度、個別にみると介護や飲食でそれぞれ5万人~6万人ほどの想定のようだ。受け入れ予定者数と具体的な内訳が示されたことを受けて、見解をお聞きしたい。


小林: 詳細の数値はどうあれ、どこかで上限(は必要だ)。日本人の労働力が足りないから外国人に助けてもらうという(法案の)基本的な精神からすると、やはり労働市場がどのような状況になっているのか、どの業種にどの程度足りないからどうするかを、定量的にきちんと把握するのが理想だと思う。今回のガイドラインが、各業種の(労働)マーケット状況をある程度勘案して出てきたものだとすれば、もう少し詰めて(いく必要がある)。かつ、今回一回限りではなく、四半期毎か年度単位かは別として、海外の労働市場テストのような形式で把握しながら(外国人労働者を)入れていくということは大いに結構だと思う。ただ、それが業種だけ(の視点)でよいのか。11月12日に、全国経済同友会代表幹事円卓会議に参加したが、ある県の代表幹事から、トータルでみると日本は東京一極集中になっているが、外国人労働者も(同様に)東京に集中してきているのではないかという(趣旨の発言があった)。そうした状況を踏まえ、業種によってはもう少し地方に誘導するなどの作業も(必要になるだろう)。法律はどうあれ、絶対的な労働力が明らかに不足しており、米国や中国にあるような無人店舗が(日本にも)増えるだろうから、そういう状況に即して対応していく(ことが必要だ)。加えて、外国人に対する社会保障などの問題もしっかりと議論する(べきである)。従来受け入れてきた5年までという(外国人技能実習)制度については、3年以上の経験で(特定技能)1号、(技能試験に合格すれば、配偶者と子が)帯同可能な2号へと、段階的に条件を良くしていくこと自体はよいと思うが、受け入れた後、在留されている人のフォロー(をしなければならない)。(外国人技能実習生が年間)数千人失踪しているという状況の中で、労働時間や条件等を含めたフォロー体制が必要ではないか。

Q : RCEP交渉について伺いたい。シンガポールで(12日に)閣僚会合(が行われ)、本日首脳会合が開催される。(閣僚会合の結果、2018)年内の実質(交渉)妥結は諦め、(合意が)来年に持ち越されてしまうと見られるが、このことへの受け止めを伺いたい。今回(交渉が)まとまらなかった理由として、インドで総選挙が行われるため、関税品の引き下げが難しかったとの指摘がある。選挙を踏まえるとどの国もそれなりの事情があり、いつまでも(交渉が)決まらないのではないかという懸念もあるが、どう見ているか。


小林: 今回はインドだが、関税は(どの国にとっても)最低限残さねばならない部分もある。特にデータ関係など、質の高いレベル(での交渉)となると、更に多くの問題が生じる。日本にとってみれば、TPP11や(日EU)EPA(のような)質は要求しないにしても、今年中(に交渉を妥結する)ことを考えていたわけで、そういう意味では残念だ。だからといって、(経済連携協定交渉は)相手のあることであるから、どうにもならないことだと受け止めている。

Q : 1週間が経過したが、米国の中間選挙の結果をどう受け止めたか。あわせて日本への影響について伺いたい。

小林: 論評されているが、人によって考え方はいろいろあるというのが感想だ。トランプ氏は勝利であると(言い、一方)民主党は、「下院は大勝利である」と言っているわけで、勝者なき戦いだったというのが一般的な論調だ。トランプ氏にしてみれば上院は多数を得たわけで、通商や今まで力を入れてきた部分は、今後もそれほど大きな障害なく進むだろう。問題はやはり国内の景気を含めた(その他の対応であり)、下院でどのように議論されていくか(が大きなポイントになる)と思う。次の(米国)大統領選挙を睨んだ時に、トランプ氏から見ると、民主党にヒーローが出なかった(と捉えるだろうし、)上院では(共和党が)しっかり勝ったので外交政策はやりやすいだろうが、国内政策については民主党に足を引っ張られたという言い訳ができるとの見方もあるだろう。全体としてみれば、今までのトランプ(大統領の)政策、また民主党も含めて、(中国の)覇権主義あるいはテクノロジーの進歩に対しては、相当大きな危惧を持っている。必ずしも知的財産やサイバーの問題だけではなくトータルに、GDPも2020年、25年に向かって(米国が中国に)大きく凌駕される脅威もある中で、(対中国の)政策はあまり変わらないだろう。(副大統領の)ペンス氏も昨日来日し(たが)、そのニュアンスも変わっているわけではないだろうし、大きな変更はないということではないか。最近、(米国では)株価がだいぶ下がり、(同様に)日本もずいぶんと株価が下がっているが、これはまた別の話で、むしろ原油価格が急に下がっているので、景気の方が気になる。トランプ氏がある程度、安定的に上院(の議席)は確保した中で、もう少しマーケットは強気であっても不思議ではないのに、中国も6.5%のGDPで、この暮れから来年に向かって明らかに下がってきているため、政治状況のみならず経済も気になる。日本でもGDPは7~9(月期について)は、台風などの災害が3つも4つも続いたため消費も落ち、生鮮食料品の(価格が)高かったこともある上、輸入も減ってきている(状況があり、マイナスとなっている)。4~6(月期)がだいぶ高めのGDP(成長率)だったが、その前(の期)もまたマイナスであり、若干その陰りが見えるか見えないのか(という状況にある)。企業業績は大企業が非常に好調で、そろそろピークと見ている人が多い。まだ企業業績の結果の数値は良いものの、来年もこのままいくかという点については、皆さんあまり強気ではないということではないか。

Q : 今朝発表された2018年7~9月期GDP速報値について伺いたい。このままいくと来年1月には戦後最長の景気拡張を迎えるという局面で、この状態をどう見ているか。例えば、7~9月期GDP速報値についても(マイナスは)一時的なものと言い切っていいのか。指標によっては必ずしもそうはみえないが、見解をお聞きしたい。

小林: 上がる時があれば下がる時もある。どこかでは下がるものだ。ここまで(好調が)続いたのだから、(この後)3年、4年と長期的に下降線をたどるかは別として、常にGDPがプラス(成長)、それも政府予測のような名目3%超、実質2%超、(あるいは)2025年にプライマリーバランスを黒字化するという議論の中で相当コンサバティブに見ても名目2%超、実質1%超と仮定しているが、(いずれも)かなり難しいのではないか。実際、2018年第3四半期はマイナス、第1四半期もマイナスだった。GDP デフレーターもマイナスで、かつての強さはだいぶ弱まってきている。インバウンドの観光に期待できる部分はまだあるかもしれないが、内需についてはこれだけモノが溢れ、人口も減っていく。輸出入ともに、企業が来年も海外のパフォーマンス(による恩恵を)エンジョイできるかどうかは難しい。今年暮れに向かってフラット化し、来年どうなっていくかに注目している。決して楽観視できない状況になりつつある。

Q : 身構え、警戒するような雰囲気になってきたのか。


小林: 先週、海外の投資銀行のトップなどと話す機会があったが、皆、この暮れから来年にかけては楽観的に見ていない。特に米国はそうした様子だった。だからこそ日本は、(企業に)投資する余裕はそれなりにあるので、もう少し投資マインド(が必要だ)。景気はどうあれ、やらなければならないことはたくさんある。今後の時代状況を見て、絶対にやらなければならないAIやIoTなどのIT投資は積極的に行うべき時だと思う。

Q : 消費増税に対して、ある程度の反動減を予想して対策を打つことは必要だと思うが、キャッシュレス(決済でのポイント還元)やプレミアム商品券、軽減税率など、バラマキの匂いがするようなものも含めて過度に思われるものもある。議論中だからこそ、今どのように見ているかを伺いたい。


小林: 消費増税で税収が5.6兆円増えるということは、その分、マーケットに対してプレッシャーがかかるということだ。その中で、2兆円超を教育に回す。これはそれなりにマーケットに対する浮揚策になる。今の(対策案)を足して(考慮して)いくと、多くて2兆円程度のプレッシャーとなるようだが、軽減税率や(需要平準化)対策などは、シンプルで皆に分かりやすくフェアに見えないと、問題が大きくなる。例えば、所得税を払っていない人をどう仕分けるのか。あるいは最近は、マイナンバーカードの取得者には一定のディスカウントをするなど、色々なアイデアが出てきてはいる。まず基本的に、国民の12%程度しかマイナンバーカードを持っていないので、やはりマイナンバーを(しっかり)プロモートし(ていく必要がある)。マイナンバー制度が導入されてから3年も経っているのにまだ12%(しか行き渡っていない)というのは、企業も含め、日本のデジタルマインドが非常に低い(からではないか)と思ってしまう。それを喚起するために(ポイント給付を)やるというのは一つの方策かもしれないが、やはりフェアではない。いろんなアイデアが出るのはいいが、実際にそれを施行する段階には、もう少しきちんとした理由づけをしてから実施してほしい。インボイス方式(の導入)も2023年に控えており、(需要変動対策を)IT、デジタルトランスフォーメーションを促進するツールに使う、あるいはマイナンバー制度(活用)や格差是正(のために活用すべき)との思いは分かるが、どれをみてもなかなかフェアにはできないのではないか。軽減税率のやり方も然りで、平準化するのはよいが、それがために消費税率を上げた意味がなくなるようなところまでいく必要はない(と思う)。

Q : キャッシュレス決済促進のための消費税還元案に関して、経済産業省が、クレジットカード会社に手数料の上限設定を要請するという報道もある。制度設計の中で、民業を締め付けるような要請が出ている状況をどのように考えるか。世耕大臣は、ある程度手数料を下げていかないと、外資が入ってきた時に競争に勝てないということを訴えているが、その点も含めて見解を伺いたい。

小林: 民業圧迫とは、相対的にどこと比較するかという問題もあるのでなんとも言い難い。(消費税還元など)そうした細かなことでコストがかさむような施策は止めてほしいという印象だ。

Q : 消費増税対策について、例えば食品購入時にイートインと持ち帰りで(税率が異なる)というのは、消費者から見て大変細かく、分かりにくい。コンビニで食べた場合はどうなるのかといった細かい議論にまでに入っていることをどう感じているか。

小林: 分かりやすく、シンプルで、平等であることが基本だ。正直に言えば(そうした軽減税率の線引きの議論には)あまり関心が無く、自由にやればよいのではないかと思ってしまう。(税収への影響は)数百億円(のオーダー)にもならないのではないか。店の中で食べるか、外で食べるかで2%(の消費税率)がどうなるかは、まずは(税収の差が)いくらになるのかを計算してもらいたい。費用対効果と似て、こういうことを導入するとどのくらいの歳入になるかという重みづけをして、実際の政策にフィードバックするやり方も必要ではないか。あまりに些細なことにエネルギーを使っても、その恩恵を享受する(消費者)も分かりづらい。私の感覚からすれば、それよりも大上段のところでしっかりと見て、効果が大きいことから順番に重み付けしたほうがよいのではないかと思う。イートインにするかテイクアウトにするかで、どの程度(税収に)違いが出るのだろうか。数十億円程度のレベルであれば、あまりエネルギーを使わない方がよいと思う。

Q : 国会審議では、政治資金の記載のあり方や答弁の仕方などの追及ばかりで、本来すべき議論が滞っている状況だが、これに対する見解を伺いたい。

小林: 民主主義国家なので、色々な攻防を考えることは仕方ないと思うが、先ほどの外国人労働者受け入れの問題にせよ、絶対的な労働力が足りないのは明らかな事実なので、その議論を封じ込めたり、今回の国会では採決しない(といった対応は)せず、一緒に議論を深めて、精度の高い法案に持って行くことが大切ではないか。少なくとも、案件によって区別していただきたい。このような緊急の状況で、足を引っ張るのもいいが、お互いに議論が必要ではないか。ただ、大臣に対する質問は止めようがないので、大臣にしっかりしていただくしかない面もある。

Q : 外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法の改正案について、劣悪な環境で処遇されている技能実習生が後を絶たないことが、改めてクローズアップされている。一方で、経済界の要請が発端で一刻も早く受け入れるべきとの議論になったと言われており、経済界が悪者にされているようにも見えるが、どのようにお考えか。

小林: (技能実習生が)一部で非常に劣悪な環境で労働を強いられていることは事実であると思うので、今回の新しい(出入国管理の)制度設計と合わせて、両方をしっかり議論しなければならない。こちらがあるからこちらは止めておくというレベルの話ではないのではないか。経済界と言っても、例えば、中小・中堅企業、地方を担っている団体、比較的海外を中心に広く活動している団体もあり、それぞれ環境が違うが、やるべきことは、今までの制度をエビデンスに基づいてどのように改善していくか(を検証することだ)。これまでに120万人、家族も含むと250万人程度の人々が日本で生活をしている。現在日本に住んでいる外国人に関する話と、今回特定技能1号、2号の対象を拡大する話の両方を改善しながら、整合性を取っていくという手法しかないのではないか。逆に、今までの制度(全体)を変更するためにも、今回がよい機会という捉え方をするべきである。今の(外国人の)劣悪な(労働)条件をどうすれば改善できるのか、2号になれば本当に良くなるのかどうか。あるいは、もっとハイレベルなプロフェッショナルタイプの大学を卒業して日本で就職している人たち(の処遇)や、日本人との平等性も含め、全体の労働政策として(考えるべき時ではないか)。単に、法務省ベースの在留外国人に関する法改正に留まらず、厚生労働省、あるいは経済産業省も含めた形での、横串の議論が必要である。

Q : 軽減税率は考え直すべきという意見か。


小林: あまり細かいことは申し上げたくないが、一定程度の軽減税率は必要だろう。今更、軽減税率が必要ないと言ったところで、やると決まったらやることになる。それ以上に、本当に消費増税を実行するのかということが気になっている。今回が日本にとって(消費増税の)最後のチャンスだと思う。成長率もネガティブになり、消費税率も上げられない中、金だけ使う。このような状況で(日本の財政が)もつはずがない。

以 上
(文責: 経済同友会 事務局)


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