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長谷川閑史経済同友会代表幹事の記者会見発言要旨

日時 2013年10月29日(火) 13:30~
出席者 長谷川 閑史 代表幹事
前原 金一 副代表幹事・専務理事

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記者の質問に答える形で、長谷川閑史代表幹事より、(1)農業改革、(2)阪急阪神ホテルズの食材偽装問題、(3)みずほ銀行の行内処分、(4)産業競争力強化法案における事業再編促進策、(5)東京電力福島第一原子力発電所の除染費用の一部国費負担、(6)三村明夫氏の東京商工会議所会頭への就任、(7)公共交通機関の運賃への消費税引き上げ分の転嫁、などについて発言があった。

Q: 新浪剛史副代表幹事が中心となり、農業関連の改革の議論が進んでいる。競争力強化を狙った大規模化を意図して、減反の見直しや補助金政策の見直しが打ち出され、農政の大転換が図られる方向であるが、代表幹事の所感を伺いたい。

長谷川: 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉に関連して、国益を守りつつ、ここ一ヶ月ほどの間にも、(自由民主党が農産品)5項目について個別のタリフ・アイテムを見直し、(貿易自由化に)前向きに取り組むということが背景の一つにある。これまでどの経済連携協定でも関税撤廃に応じてこなかった586品目についても、アイテムごとに見直すという取り組みである。同時に、長年の懸案であった農業の競争力強化という改革をしなければならないという機運と、産業競争力会議の民間議員の提案とがうまくマッチしたのではないか。最終的にどこに落ち着くかは分からないが、政府で前向きに検討されるとのことで、本会の副代表幹事の一人でもある新浪氏が主査を務める農業分科会で、このような前向きな取り組みの回答が得られたことは大いに評価している。

Q: 数年前にも問題となったが、阪急阪神ホテルズなど関西を中心としたホテルでメニューの虚偽表示があった。コンプライアンスに関わる問題が再発したが、所感を伺いたい。

長谷川: メニューにどのような表示をするかは、各企業やレストランの責任者がきちんと考えるべきであるが、例えば、車海老と書いておいて実際には違う海老を出すというのは良くない。また、報道によると、(社内では)今年の夏頃から判明していたにもかかわらず、発表のタイミングがつい最近になったとのことである。顧客や消費者に対し、公正で正直な態度で臨むというビジネスの鉄則は守らなければならない。偽装の意図はなかったとしても、社長本人が(記者会見で)認められていた通り、顧客や消費者の立場から見れば偽装と受け止められてもやむを得ないだろう。分かった時点ですぐに公表し、早急に是正すると同時に、このようなことが起こらないよう常にきちんとチェックをすることが必要である。

Q: コンプライアンスに関連して、昨日、みずほ銀行の行内処分が発表された。問題を起こした際の処分のあり方、責任の取り方について、阪急阪神ホテルズとみずほ銀行の二つの件を踏まえて所感を伺いたい。

長谷川: 最終的な責任者の身の振り方については、一つは社内のコンプライアンス委員会、二つ目は経営者個人の判断、三つ目は、明確な監督官庁があり、かつみずほ銀行では金融庁の検査も比較的最近あったという事実を考えれば、監督官庁の意向もある程度考えざるを得ず、それらを総合して判断することになろう。阪急阪神ホテルズの社長とみずほ銀行の会長、頭取の対応については、それぞれの責任者が十分に熟慮の上で判断されたことなので、比較してコメントをするつもりはない。

Q: 産業競争力強化法案が国会審議に入った。法案には、政府主導による事業再編が入っているようだが、これについて所感を伺いたい。

長谷川: 私の知る限りでは、(事業再編に対する)税法上のバックアップ、促進策と理解している。産業競争力会議の場で一例として挙がったのは、A社とB社にあまりうまくいってない事業があり、両社がそれぞれのビジネス・ユニットを切り出してジョイント・ベンチャーをつくり再編を図るにあたって、その再建期間中については、赤字をジョイント・ベンチャーに蓄積するのではなく、親会社に経費として計上することができるような類のインセンティブであると理解している。そのような促進策は、企業にとってもインセンティブになるだろう。ただし、税制改正に関することは、最終的には来年の通常国会でまとめて進められるものと理解している。

Q: 政府主導による事業再編には差し障りがないということか。

長谷川: 最終的にそのような制度をどう活用して再編を図るかは各企業・産業の判断であり、政府は一つの促進手段としてスキームを提供するということで、ポジティブに受け止めている。

前原: 日本の問題である交易条件の悪化を改善するためにも、前向きにとらえて良いと思う。

Q: 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の除染費用の一部を国が負担する案が、自民党内で議論されている。これについて、代表幹事の受け止めを伺いたい。

長谷川: 麻生太郎副総理・財務相が(国の負担に理解を示す)発言をされたことは、先ほど速報で知ったが、一番の問題は、除染費用にいくらかかるのかが分からない状況で、東京電力がすべてを負担するとなれば、一企業としての再建も極めて難しいということである。除染のレベルについては、国際原子力機関(IAEA)の見解も出ているが、それをどう扱うかについて国が判断しなければいけない問題もある。電力の安定供給や(電気料金の)際限ない値上げも考慮すると、この段階である程度国が関与し、費用負担について検討することは、本会としても「東北アピール2013『成長と復興への革新的挑戦』」(2013年7月12日公表)や全国経済同友会震災復興部会意見書「東日本大震災からの復興の加速に向けて」(2013年10月7日公表)で述べており、タイミングとしてもちょうど良い時期だと思う。

Q: 国費となれば税金を利用することになり、反対意見も当然出るだろうが、国民の理解は得られるか。

長谷川: 全国民がすんなりと支持をすることにはならないかもしれないが、(電力は)産業の一つのバックボーンであり、(電気料金には)家計も大きく影響を受ける。除染費用を(電気料金)値上げという形で国民に負担していただくのか、あるいは税金を投入し、制限を設けながらもある程度国費でみるのか。その選択については、政府が熟慮の上で判断し、国民に理解を求めるべく、もちろん東京電力も一緒に、説明しなければならない。いずれにせよ万人が納得することにはならないにしても、選択せざるを得ないとなると、今の状況(東京電力の全額負担)では企業としての再建も極めて難しく、(一部国費負担は)やむを得ない判断だと思うので、きちんと説明してできるだけ多くの国民の理解を得るよう努めていただくしかない。

Q: 来月より東京商工会議所のトップが交代する。次期会頭の三村明夫氏は、経団連や経済同友会と一丸となってやっていきたいと述べているが、期待される点を伺いたい。

長谷川: 三村氏個人についてはよく存じ上げており、スポーツマンで明るくリーダーシップのある方である。岡村正会頭の後を継いで東京商工会議所の会頭に就かれることは、大変喜ばしく、ふさわしい人物だと思う。まずは心からお喜び申し上げたい。各団体で設立趣旨や活動目的は異なり、いくつかのテーマで是々非々はあるが、協力できる問題もあり、三村氏がそのように述べられていることをご本人からも直接伺っている。我々としても、協力できるものはぜひ協力させていただきたい。

前原: 現在でも、震災復興やIPPO IPPO NIPPONプロジェクトなど、商工会議所に教えていただきながら取り組んでいることがたくさんある。

Q: 太田昭宏国土交通相は、2014年4月の消費税率引き上げに伴う鉄道とバスの運賃設定について、ICカード利用に対し1円単位の運賃を認める方針を明らかにした。交通機関や支払方法によって、二通りの料金が発生することになるが、これに対する所感を伺いたい。

長谷川: 内容の詳細は把握していないが、監督官庁としてそのような選択肢を認めたのであれば、その範囲内で自社で(運賃を)設定できることになるので、(事業者が)どのような経営判断をするかに尽きる。乗車券を現金で購入する場合もあるが、現在は電子的に(運賃を)支払うICカードの利用が普及してきており、つり銭の面倒さもかなり解消されているので、運賃設定の自由を認められることは、経営にとっては悪くないと思う。裁量の範囲が広がることは、自社の経営と顧客へのサービスとの両方を考えながら色々な戦略が取れることになり、よろしいのではないか。

以上

(文責:経済同友会事務局)


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