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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2011年01月18日(火)13:30~
出席者 桜井正光 代表幹事
前原金一 副代表幹事・専務理事

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記者の質問に答える形で、(1)大学生の就職内定率、(2)春闘、(3)税と社会保障の一体改革、などについて発言があった。

Q: 大学生の就職内定率が、12月現在で68.8%と依然低調な状況が続いている。まず、この数字に対する率直な評価を伺いたい。また、(昨年)10月の調査からあまり改善が進んでいない。国、企業、学生各々にやるべきことがあると思うが、現状を打開するために求められる点があれば伺いたい。

桜井:  数字に対しては、例年より10%弱低く、大変厳しい情勢だと感じる。現状を改善するには、主に2つが中心になる。ひとつは、経済成長、企業の成長によって雇用をより高めていくことが大事である。もうひとつは、学生と需要側(企業)との間に、大企業偏重型によるミスマッチがある。これをいかに解決していくか(が課題)である。

前原:  昨年まで大学関係者だったので、一言述べる。昨年も大変苦労をし、大企業だけでなく中小企業の採用担当も大学に招いて説明会を開催し、かなり(内定が)決まったという経験をした。最終的には、前職の大学では9割以上が就職できた。今年はもう少し厳しいかもしれないが、互いに努力をすることももっと必要ではないかと思う。

Q: 就職内定率について、厳しい数字の背景として、企業が人材を育成する余裕がなく中途採用を増やす傾向にあるという分析もあるようだが、企業の側からみて、実際に人材育成に余裕がないという実感がおありか。

桜井:  私の知る範囲ではそのようなことはない。企業は人材育成を大変重要視している。今まで日本の成長を支えてきた企業経営の特色として、長期視点での投資、長期視点での人材育成、そして長期視点での市場開拓があり、それが(日本企業の)強みでもあった。中でも人材育成は常に長期視点で取り組まれてきた。ただし、長期視点での人材育成であったがために、一部では硬直化した人材(配置がなされてきた)という面もある。企業というのは、社会や市場の変化に合わせて開発、提供する商品、システム、サービスを入れ替える必要がある。そのためには、新たな人材を育て、さらに必要に応じて人材も入れ替えなければならない。その意味で人材育成の仕方が変わるということはある。しかし、今指摘されような「(企業に)人を育てている余裕がない」というのは、まずあり得ない。

前原:  バブル崩壊後の一時期、そのような傾向はあったかもしれないが、最近は元に戻ってきている会社が多いのではないか。

Q: まもなく春闘のシーズンが始まる。昨日、日本経団連が経労委報告を出し、(内容の)ニュアンスとして、定昇については、労使ともに、景気も上向きつつあるのでよしと(判断)している。次の段階で、連合が求めている定昇の1%上積みに分に関しては、日本経団連は大変厳しい見方をしているようだ。今回の春闘について、どのような展開を予想されているか、所見を伺いたい。

桜井:  経済同友会は、春闘の問題に対して、あまり責任を持ってコメントする立場にないが、日本経団連が発表された基本的な考え方には、個人的に同意できる。賃上げについては、足下的には、企業の業績は徐々に回復しつつあるが、今後の景気、経済、そして事業の見通しを積極的に組み込むことは、大変難しい状況にある。このことからも、日本経団連の考え方の通り、賃上げより雇用ということに共感できる。また、1%(定昇の上積み)については、定昇と賞与等を含むプラス・アルファの上積み分になると思う。これは、業績をしっかりとわきまえた上での個々の企業の判断になろう。じっくりと協議していただきたい。

Q: 社会保障と税の一体改革について、政府も内閣改造後、動き出した。来年度中に消費税引き上げのための法律を準備するという話がある一方で、消費税を上げるには選挙で信を問うべきという意見もある。この議論について代表幹事の所見を伺いたい。

桜井:  基本的な考え方として、税制は、国民の生活上大変に重要なことなので、(もし)マニフェストを変えるのであれば、それなりの手続きが必要で、その方法のひとつに選挙があると思う。しかし、どのように社会保障制度改革やそれに伴う税制抜本改革が動いていくのか、今のところ先行きがよく分からない。よって現時点では、選挙を基に国民の信を問うことが必要なのかはコメントしにくい段階だと思っている。

Q: 1月11日に経済同友会が発表した「2020年の日本創生 – 若者が輝き、世界が期待する国へ – 」では、今すぐにでも準備をしなければ、日本の財政は社会保障制度も含めて大変なことになる、という危機感があると思う。

桜井:  与謝野大臣が入閣され、基礎年金部分を税で(賄う)という(民主党の案)は、制度上どのようになるのかが不透明になったと思う。しかし、現行制度のまま基礎年金部分の1/2を税で支えるとしても、やはり安定した財源が必要であり、消費税が重要な役割を持つということでは一致していると思う。日程的には、税の抜本改革、社会保障制度改革について、政府も6月を目処に議論を尽くし、方向性を定めるということである。税制は、所得税法の付則で2011年度までには法制の措置を講ずるとのことで、この方向で進むと思う。また、(社会保障の)制度設計および、消費税を含む税の抜本改革を今年度中に固め、2012年に法制化し、2013年から新しい社会保障制度がスタートするというのが、ぎりぎりの、先延ばしできない線だと思っている。

前原:  (経済同友会の提言に対して)いろいろな方から(ご意見をいただいているが、)消費税17%アップだけが一人歩きしている印象である。提言は、消費税は上げるが、基礎年金部分の保険料がなくなるので、国民全体の負担率は10年後も今と同程度のレベルに留めるという趣旨である。

Q: マニフェストを変えるにはそれなりの手続きが必要で、そのひとつの方法に選挙があるとの発言があったが、仮に選挙で信を問うた結果、また話が停滞する可能性もあり得る。これ以上先延ばしできないとの主張だったが、(改革実現の)期限も怪しくなってくると思われる。このスケジュール感と選挙で信を問うことの関係について、お考えを伺いたい。

桜井:  まず、しっかりとスケジュール内で進めていくことが非常に大事である。次に、国民生活に大きく影響するマニフェストの主要項目を変更するのであれば、選挙で民意を問う必要があるだろう。これをどう組み合わせていくか、どう判断するかは政治が考えなければいけないことである。

Q: 新しい内閣の顔ぶれを見ても、与謝野氏がさまざまな制度改革のキーマンになることは間違いないだろうが、特に選挙区の有権者たちには、これまでの主張と今の行動が、平仄が合わないと感じている人が多い。いま政府が行おうとしていることは、目的が正しいのだから手段については難しいことは言わず、(改革の)結果が国民のためなるなら良いのではないかという姿勢にも受け取れる。そうすると、マニフェストを掲げて総選挙をすることの意味はどうなるとお考えか。

桜井:  菅首相は、与謝野大臣の社会保障制度と税制の一体改革に関する主張を十分に承知しておられる。その上で経済財政担当相に任命し、さらに社会保障と税の改革も担当するよう指示をされている。菅首相ご自身が主張された民主党の社会保障制度改革および税制改革を前提にしながらの(与謝野大臣への)指示なのだから、十分に承知した上での任命という他ない。菅首相がしっかりとした意思の下に、与謝野氏を(閣僚に)加え、民主党(政権)の根幹を成す税と社会保障の一体改革を前に進めていただきたい、としか言いようがない。

Q: 全額税方式の最低基礎年金というのが民主党の主張で、与謝野氏は保険料方式を前提にした(改革の)提言でこれまできており、経済同友会の提言とも異なる。与謝野氏の提言の方向で(改革が)進むことになれば、経済同友会とは違った方向になるが、それで良いか。

桜井:  (経済同友会の提言と違って良いかと問われれば)良くない。民主党案は、(全額税方式の基礎年金制度ではあるが、)所得に応じて(給付に)差があり、その部分で経済同友会の提言とは異なる。与謝野氏の方向性は、(経済同友会の提言とは)制度上大きく異なっている。ぜひ、財源的にも、世代間の受益と負担の格差がない制度という意味でも、長持ちする社会保障制度、基礎年金は税方式、その上に民間による新拠出建年金を加え、さらに従来の報酬比例に値するところは民間の年金保険に加入するという制度を作るべきである。長い目で見た制度設計を今から行わなければ、ますます財政的にも悪化し、世代間の格差も拡大していく。これを防ぐためにも、経済同友会の提言している社会保障制度を早期に導入するという決断を下していただきたい。

以上

(文責:経済同友会事務局)


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