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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2010年12月14日(火)13:30~
出席者 桜井正光 代表幹事
前原金一 副代表幹事・専務理事
田谷禎三 経済情勢・政策委員会 副委員長

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冒頭、田谷禎三経済情勢・政策委員会副委員長より、2010年12月(第95回)景気定点観測アンケート調査結果について説明した後、記者の質問に答える形で、(1)法人実効税率5%引き下げ、(2)政権運営の不安定さと大連立構想、などについて発言があった。

Q: 先日、法人実効税率の5%引き下げが決まった。この決定に対する率直な評価と期待される効果を伺いたい。

桜井:  法人実効税率の引き下げについては経済同友会でも提言してきたが、まずは5%引き下げの実施が、菅首相の指示でほぼ固まったことを評価したい。引き下げの効果をいま予測することは難しいが、少なくとも、日本企業の競争力や日本経済の活性化の面でネックになっている日本の高い法人税率を引き下げるというメッセージを、国内投資や対日直接投資の促進のために、国内や海外に発した点は評価できる。これだけの財政難のなかで、強い意思の下に実施を指示されたことに対応して、われわれ企業は、雇用・需要・投資の増大という成果・効果につなげるよう、積極的に努力していかなければならない。

しかし、(法人実効税率引き下げの)本来の目的は水準(の問題)で、競争力強化や対内投資増大につなげるという意味では、日本の法人実効税率40%に対し、欧州では30%前後、新興国であるアジア諸国では20~25%とギャップがある。国際競争力を持つ法人税率が実現しない限り、大きな成長のエネルギーになるには、まだ問題が残されている。

Q: 法人実効税率引き下げが、企業の投資拡大につながり、それが雇用や賃金の増大につながるという期待が、政府にはあるようだ。企業経営者の立場から、5%引き下げが実現した場合、実際に投資の増大に結びつけようというお考えはあるか。

桜井:  先述の通り、「まずは5%(引き下げ)」は意思表示という意味では有効だと思う。企業経営者として投資を考える場合、世界経済の情勢や日本国内の内需拡大など成長戦略のための環境づくりがどれだけできるかにもよるので、法人税率だけで意思決定をするわけではない。ただ、今のまま(5%引き下げだけで)継続することは違う、とだけは言える。今回の5%(引き下げ)が、将来段階的に、実効税率30%や経済同友会の提言の目標値である25%にまで(引き下げられる)延長線上にあると予測できれば、投資拡大を積極的に進めていく力になり得る。

Q: (引き下げが)5%だけでは(投資・雇用・賃金の増大には)力不足ということか。

桜井:  そう思う。

前原:  (投資・雇用・賃金の増大には)法人税だけでなく、いま俎上に載っているTPP、FTA等の促進があれば、効果が非常に高まることが期待できると思う。

Q: 政府の一部には、企業に、(法人税)減税で受ける恩恵を投資や雇用に回すことを確約するよう求める政・労・使合意の構想が一時浮上していたが、こうした考え方についてはいかがお考えか。

桜井:  (先述の通り、)法人税(率)の引き下げは必要条件の一つである。5%引き下げ分の内容を見ると、企業関係の増税で相殺されるところもある。例えば、経済産業省の試算で6,300億円分の法人・企業関連の増税があることを視野に入れると、差し引きで実質半分、あるいはこれ(法人・企業関連の増税)が1兆円程度になると引き下げの効果は1/3にまで減じてしまう。これらを考慮すれば、(設備投資や雇用の拡大の)確約は難しい。

だからと言って、(今回の引き下げを)否定しているわけではない。実質がその半分になったとしても、(投資や雇用、賃金増大に向けた)企業努力は続けていくべきだし、そうありたいと考えている。

Q: 景気定点観測アンケート調査結果で、来年のリスクとして「政権の不安定」を挙げている経営者も多いようだが、最近の(政治の)動きを見ても、小沢氏の国会招致をどうするかで政権与党内がゴタゴタしている。リスク要因である不安定な政権運営を解消するためには、どのようなことに取り組めば良いとお考えか。 また、大連立という発想について、代表幹事の所感を伺いたい。

桜井:  政権は、もっとしっかりとした国のビジョンを持ち、重要な政策を勇敢に推進していただきたい。これしかない。菅首相は、所信表明演説で「強い経済」「強い財政」「強い社会保障制度」の一体的な関連性を持った改革を目指すと述べられた。その基本的な考え方と政策は、まさに「元気のある日本」を復活するための要だ。堂々と、より具体化して政策を展開することで、党内を束ね、そして野党に対しても徹底的に主張していくことだ。その信念と勇気を示すことが一番大事だと思う。「強い経済」には成長戦略の実現が必要だ。「強い財政」には、消費税や所得税、資産課税の改革、そして成長戦略による税収の増大だ。その政策を徹底的に展開することが求められる。少々反対も出てくるだろうが、それに動ずることなく実行していくことが必要だ。

大連立については、政治家のみなさんが判断され、明確にされることだ。

Q: それなりの自覚と覚悟を持ってやってほしいということか。

桜井:  まさにその通りだ。(前述と重複するが)課題多き日本、すなわち膨大な財政赤字を抱え、一方で、少子高齢化、人口減少、特に生産年齢人口の著しい減少による、社会保障制度の行き詰まりを解消するには、持続可能な制度改革と、日本を開く成長戦略を思い切ってやらなければならない。社会保障制度等(改革)においても、単に、国民への給付や待遇が良くなることはとても望めないだけに、国民にも相応の負担が求められるだろう。こうした改革をしっかりやり遂げなければならないのだから、必要な改革を断固として推進する政府であっていただきたい。

以上

(文責:経済同友会事務局)


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