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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2010年02月16日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事

記者の質問に答える形で、(1)景気見通し、(2)消費者物価の上昇率目標、(3)消費税率引き上げ議論、(4)政治とカネ、(5)トヨタの大量リコール、などについて発言があった。

Q: 昨日、国内総生産(2009年10-12月期)が発表され、(実質で)年率換算4.6%増となった。「二番底の懸念は薄らいだ」という見方も出ているが、これについて所見を伺いたい。

桜井: 「二番底の懸念が薄らいだ」かどうかは定かではないが、(2009年)10-12月期のGDPの実質が(年率換算で)4.6%増となり、内容を見ると、外需がひとつと、このところ連続して国内消費が良い方向に向かい、設備投資も7四半期振りに増加の方向で、確かに良い方に向かっていることから、二番底の懸念が少し薄らいだとは言えるだろう。ただし、依然として成長を下支えする国内の需要が目立って大きくなっているわけではなく、政府の財政出動や景気刺激策いかんでどうなるかという不安もあり、また海外を見ると、アメリカ経済は順調に回復しつつあるが不良債権処理や高失業率の問題があり、ヨーロッパ(南欧)の(景気の)不透明感はむしろ大きくなってきている。そのような状況を考えると、指標が良くなってきているとはいえ、企業の業績が復活し、雇用・賃金に良い影響が出て、消費や設備投資が継続的に上向いてくることを期待するには、もう少し様子を見なくてはならないのではないか。

Q: 今日、菅財務相が国会で、「政府としてデフレ脱却のために消費者物価の上昇率を1%程度にしていきたい。日銀にも協力を求める」と発言されたが、これについて所見を伺いたい。

桜井: デフレを脱却しない限り、経済成長あるいは国民としての実感がないので、脱デフレ、物価上昇の方向に行くことは大事だと思う。ただし、目標値を定めることが政策上重要なのか(についてはやや疑問で)、インフレ率(数値目標)の設定よりも、(物価上昇のために)とらなくてはならない政策を充実させること、具体的には、財政再建のなかで成長戦略をどうとっていくか、社会保障(制度改革)等で国民の将来不安をどう解消するか、行政の無駄をどう排除していくか、税制改革をどう考えるか、これらを目標としてしっかりと定め、重要政策・戦略展開を進められるようにシナリオを設定することが大事だと思う。

Q: 菅財務相は、日銀がかねてからあまり前向きでないインフレ・ターゲットに踏み込んだ形となった。1%という数値はともかく、デフレ脱却のためにインフレの目標を掲げて政策を動かすことの是非について、所見を伺いたい。

桜井: 専門家ではないので、インフレ・ターゲットが必要なのかどうかはよく分からないが、インフレ政策をとるということは、需要を喚起し、需要と供給のバランスを取っていくことで、需要があれば物価は適切に上がる。この政策をとることが脱デフレ(につながり)、適切なインフレ率になってくる。この手順をしっかりと踏んでいくことが大事だと思う。インフレ率何パーセントという目標が出ると、それに必要な需要喚起や成長戦略の施策が出てくるような気配があるようだが、目標さえ掲げれば道筋が描けるわけではない。着実に脱デフレと成長戦略(の政策をとること)が大事だろう。

小島: (今回の)1%という目標をインフレ・ターゲットとは考えない方が良いのではないか。手段として、マクロ経済政策をどう運営するかを描かずして数字だけを出しても意味がないし、インフレ率は経済の状況で変わるため、目標通りにコントロールできるものでもない。

Q: 菅財務相が、3月に消費税を含めた税制改革の議論を始めると発言された。閣内では、議論をしても良いという意見や、議論はしても消費税は上げるべきではないという意見など、反応が分かれているが、代表幹事はどのようにお考えか。

桜井: 消費税は上げない、議論もしない、ということをベースに税制を考えることは非常に不自然である。この国にいま必要なのは、財政、長期債務が大変な状況にあり、財政健全化の枠組みの中で、歳出・歳入一体改革を進めていかなくてはならない。歳出改革は行政(の無駄の削除)で、歳入改革の拠って立つところは成長戦略、税制改革、そして(それに先立つ)社会保障制度改革である。このシナリオを作ることが大事で、政府も、中期財政フレームで歳出・歳入の予測をし、財政運営戦略で財政再建の道筋を示そうとしている。これを議論する際には、税制はどうあるべきかが必須で、消費税は当然出てくる課題で、これを見据えた全体の歳出・歳入の構図を作ることが重要である。

小島: 経済同友会では、昨年秋にそのシナリオを描いて発表している(意見書「財政健全化に一歩を踏み出し、持続的な成長につなげよ-歳出・歳入一体改革の早期断行を求める-」2009年11月5日)。

桜井: 菅大臣も発言されている通り、(消費税議論は、税制のあり方として)避けて通れない。来る参院選では、歳出・歳入や財政健全化のバランスをとるために消費税をどう考えるかを大きな論点に掲げて、各党は堂々と国民に説明していただきたい。

Q: 消費税を論点に参院選を戦ってほしいとの発言があったが、民主党は消費税を4年間上げないと言っている。発言の趣旨は、自民党に消費税を掲げて勝負を求めているものか。

桜井: 各党に掲げてほしいという趣旨だ。(民主党が)掲げないということであれば、自民党が掲げればよいのではないか。選挙に勝つ・負けるの問題以前に、国民にとって非常に大事な消費税の扱いについて、(引上げの)実施時期の問題はあるかもしれないが、今後の財政再建、日本の成長、活力ある日本の社会づくりのためには、国民にもそれなりの負担をしていただかなくてはならない、ということを掲げてほしい。各党とも、その問題を抜きにしてはならない。何%上げるという数値は明示しないまでも、正々堂々と負担を求めるということには言及して、それを論点に参院選を戦っていただきたい。

小島: もしも民主党が消費税の議論をしないというのであれば、マニフェストに掲げた政策を(実現するために)財源をどう捻出するのかをきちんと説明しなければ、参院選は戦えないと思う。民主党は(政権政党として)、再来年度以降の予算をどう組み立てるのかを6月までには作られるはずなので、その絵を描いて、なおかつ消費税は上げないと言うのであれば、それについて納得的か否かが選挙の争点になるだろう。

Q: 一部報道機関の世論調査で、内閣支持率が30%台になった。今朝、鳩山首相は、「(支持率の低下には)『政治とカネ』の問題が影響している」と発言された。経済同友会では昨日、「企業・団体献金は原則禁止」という趣旨の意見書を発表したが、改めて鳩山政権の「政治とカネ」の問題について、所見を伺いたい。

桜井: おそらく中心的な話題は、首相と幹事長の政治とカネに対する国民の不信感の話だと思う。(当時の)秘書や経理担当が、現職国会議員を含めて逮捕、起訴され、不信あるいは疑惑と思われる点についてはこれから司直の手で明らかにされていくであろうが、(いずれにしても)疑いを持たれて国民の政治不信につながっている。それが世論調査にも表れている。このような状態の時に、「司直に任せればよい」、「現在疑いが持たれて起訴された人たち(がやったこと)について、私は一切知らない」ということで済むのかと言えば、私は済まないと思っている。疑惑について、国民に対してしっかりと説明すべきである。説明の方法については種々あるが、国会においてどのような方法をとるべきかを決めればよい。国民が疑惑を抱き、それが政治不信につながっていることを真摯に受け止め、政治家として説明する必要がある。また、党として、国会として、「政治とカネ」の問題に関して自浄能力がなさ過ぎると感じている。自浄能力をしっかりとさせるためにも、国会での(政治家自身による)説明が大事だと思う。

Q: 日本を代表するトヨタ自動車のリコール問題がかなり大きくなっているが、この現状について所見を伺いたい。

桜井: 個別企業の問題なので一般論として話す。これまで日本企業、特にものづくり企業に対する世界からの評価は品質であり、品質保証のレベルの高さが日本ブランドになっていた。今後の日本の経済成長の牽引役としても、ものづくり企業は重要であり、グローバルなマーケットでの活躍も期待される。今回の件をひとつの大きな糧として、ものづくり企業のみならず、すべての企業が顧客起点でしっかりと品質管理・品質保証体制、顧客サービスなどのあり方を改めて見直し、品質というブランドにキズが付かないようにしていくことが必要だろう。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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