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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年10月20日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事

記者の質問に答える形で、(1)郵政事業見直しに関する基本方針の閣議決定、(2)日本郵政・西川社長の辞任報道、(3)税収落ち込み分の国債追加発行と財政健全化、(4)JALの経営再建問題、などについて発言があった。

Q: 日本郵政の件で2点伺いたい。一部報道で、西川社長の辞任が伝わっている。これについての見方を伺いたい。また、午前中の閣議で、郵政民営化の見直し方針が話し合われた。「全国の郵便局を格差是正の拠点にする」という内容も盛り込まれているが、これについて見解を伺いたい。

桜井: まず、郵政民営化見直し方針の閣議決定についてお話する。大変重要な郵政民営化方向に対して基本的な見直しをする、その内容も民営化(に)「待った」(をかける)意味合いの強い閣議決定だと思う。以前からお話しているように、民営化がなぜ必要だったか(を再認識する必要があり)、前回(2004年)の衆院選では民営化を基に民意を得た。今回の衆院選で三党合意を含めて見直しをしようということになっているが、国民には、民営化がなぜ必要だったのか、(なぜ)見直しをしなくてはならない(のかという)理由・背景をきちんと説明されることが重要である。我々が感知できる民営化(見直し)の必要性は、簡保・郵貯を含め、郵便局を起点にした全国への一律のサービスを提供することが問題であるということだと思う。これを(是正するために)、基本方針まで見直す必要があるかについて、説明が不足しており、理解が難しい。マニフェストにあったからと言って(も)、これだけの大きな方針の転換は、基本的なあり方の変更になる。まだ閣議決定したという時点で、このまま法案に載るかどうかは分からないが、これほどの大きな変更であれば、早く臨時国会で(行う)首相の所信表明演説で、背景や今後の方向性を具体的にお話いただき、国会できちんと議論をするということで、透明性のある方針変更の理解を国民に求めることが大事である。一律サービスに対する問題が背景で、簡易郵便局の減少や集配センターの統合などの問題であれば、以前もお話した通り、民営化の方向性の中で対応できると思う。

西川社長の(進退の)件も、閣議決定されて民営化の基本的な見直しがあることが前提なので社長を退任すべき、というのは理解し難い。社長退任というのは、(日本)郵政の(現社長としてこれまでの)運営に問題があるということや今後(の課題)に対応できないということを、もっとしっかりと説明する必要がある。そうでないと、責任者になる方たちは、これからなかなか全力投球できなくなる。(経営トップの)進退の問題は、しっかりとした説明の下に、(本人が)納得して、退任にしても交代にしても行われるべきだと思う。

小島: ユニバーサル・サービスとは何かについて、全く議論されていない。単に貯金の受け付けや支払いをするだけなのか、民営化後に実施してきた(新たな)事業も含めるのかなど、(政府が)どの部分を示しているのかをはっきりさせる必要がある。例えば、簡易郵便局で投信を扱うことは現実的ではない。その辺りを(政府が)どう考えているのかが理解できない。

Q: 郵政民営化の方針見直しの閣議決定について、国民への説明を求める発言があったが、この方針転換には反対ということか、それともやむを得ないとお考えか。

桜井: 今のままでは、必要性が理解できないので反対である。(見直しの理由は)一律サービスが問題になってきたということだが、一律サービスとはどういうことを指すのか、また、問題になってきているならばその具体例とその大きさを、まず明らかにすべきである。それに対して、一律サービスを確保するためには、民営化の方向の中で何をなすべきなのか、何ができるのか。それでも問題ならば、どれだけのことをやらねばならないのか等についてきちんと説明されることなしに、一足飛びに「一律サービスを確保するために民営化見直し」と言われても理解し難い。

Q: 西川社長の件で、「新しい体制になるというだけで交代させるのは反対」との発言があった。企業でも、新たな経営計画を作ったときに社長を交代することがあると思うが、郵政の体制が大きく変わろうとする中で人事が変わる(ことに反対)というのはどのような意味合いか。

桜井: 大きく変わると言うが、そもそも今大きく変える必要があるのかが分からない(ということである)。どのような方向に進むのかが不明な状態で、今辞任、というのは、それはまだ予測の話で、大変大事なトップの進退(問題)に直結する話ではない。むしろ今後の方向性の話だけであれば、現時点で何が悪いのかを明確にした上で進退を決めるべきである。前回(の会見で)も申し上げたように、民営化の方向の下で、(西川氏を社長にすることについて)指名委員会で結論を得て提言されたことである。それを変えるというのは、民間企業への政府の介入とも言えるのではないか。

Q: 「民間企業」と言っても、現在は政府が100%株主だが。

桜井: 民営化の方向で進めてきた、という意味である。

Q: 今朝の閣議後の記者会見で、藤井財務大臣が(2009年度の)税収状況について説明された。税収が40兆円を割る可能性を指摘するとともに、09年度の新規国債発行額が50兆円を上回る公算が大きくなった。かねてから代表幹事は財政健全化の必要性を指摘されているが、この状況についてどのようにお考えか。

桜井: 日本の非常に大きな問題点は、長期債務のかなりのボリュームである。いろいろな理由があるとは思うが、これをどんどん増やしていくという方向性は、一時的には(経済)状況で理解できたとしても、このようなことは(今後も)必ず続くことになってしまう。(今後の予算編成の問題として)基本的な軸としては、財政の健全化を視野に入れ、可能な限り国債の発行高を一定額内に収めるという規律を守ることが非常に大事である。第一に考えなくてはならないことは、2010年度予算編成において、(2009年度)第一次補正予算の洗い直しと概算要求の無駄の削除を徹底することが重要である。一方で、削減の、景気後退を食い止めることへ、また今後の成長の原動力にどのような影響を及ぼすか、という2点をしっかりと捉えた上で、削減するということである。そのような工夫をした上で、新しい民主党の「生活者第一」という政策の投入に無理があるのであれば、削減と投入のバランスを総合的に考えていくことが必要になってくるであろう。

(適正な)国債発行(額)について、政権政党として、財政再建(、財政健全化)が重要であるという観点の下に、適切な枠をつけることが大事だと思う。

Q: 「適切な枠」というのは、以前から発言されているように財政健全化法のようなものを作って、削減目標を今度の予算編成時に打ち出すということを意味しているのか。

桜井: (財政)健全化法など法的な枠組みをつくることは大事だと思うが、時間的には不透明である。まずは、法制化しなくても、政権政党として責任を持った枠を出すべきであろう。

Q: 44兆円というのは、今年度の当初予算と補正(予算)を合わせた数字だ。(この)かなり大きな額を歯止め(にする)と政権内で言われているが、このこと自体はどのようにお考えか。

桜井: 当初予算では38兆円であった。基本的なことは、高ければそこが基準になるということで、(以降に)大きな問題になるだろう。原点になる天井をしっかりと決めたほうが良い。それが09年度の当初予算である38兆円なのか、それとも補正予算を入れての44兆円なのか、ここは政権として責任を持って考えなければいけないところである。

小島: 基本的には、歳出をきちんと切らない限り、単に国債の発行額を抑えてもうまくいかない。歳出に対するディシプリン(原則)を、政府がどう考えていくかをこれからきちんと積み上げていく必要がある。そこがしっかりしていないと、数字だけを一人歩きさせても、結局は抑えきれないことになりかねないと思う。

Q: 昨日会談をされた菅副総理は、当面財政健全化の新しい目標は作らないと発言されている。現政権の中枢のポストにある方がそのような発言をされることについていかがお考えか。

桜井: 昨日の会合では、菅副総理からこの点について明言がなく、具体的な議論をしなかったので発言は控える。

小島: 経済同友会としても、直ちに(財政健全化目標を)作れと言っているわけではない。政権交代があったこともあり、ある程度時間がかかることは承知している。少なくとも、基本的な(財政健全化に対する)考え方なしに、来年度の予算を考えるとめちゃくちゃになる可能性があることを心配している。

Q: 昨日そのような議論がなかったのはなぜか。

桜井: 時間がなかったからだ。今後、このような議論について、政権政党と経済界との間でコミュニケーションをしていくべきだろう。

Q: 昨日、菅副総理は記者からの質問に対し、「国債発行が増えるのは、前自民党政権からの負の遺産なのだから仕方がない」と、責任逃れともとれる発言をしていた。これについてはおかしいと思われないか。

桜井: そのような(負の遺産がある)ことを前提に政権政党になったのだから、言い訳にしてはいけないのではないか。

小島: 菅副総理のご発言は、今年度予算に関する話だと思う。今年度は大きく税収が落ちてしまうが、その部分まで(歳出削減などで)埋めることは難しいという気持ちがあると思う。ただし、来年度についてそのような甘い考え方だと大変なことだ。

Q: 日本航空の経営再建問題で、今日、JALの再建チームが藤井財務大臣と話をしたところ、公的資金注入が前提の話になっていて、大臣もこれを前向きに聴いたと伝わっている。日本航空の経営再建に公的資金を注入することについては、経営者の中でもいろいろな見方があると思うが、代表幹事はいかがお考えか。

桜井: 考察しなければいけないことが多く、簡単な問題ではない。政府も国交省の中にチームを作り再建提案を出しており、金融機関等からのヒヤリングも行うなど、日本航空の再建についてはかなりの取り組みがなされている。専門家や責任者、関連者等が加わり、しっかりと議論していくということなので、全体のチームワークで良い結論を導き出していただきたい。前回(の会見で)も申し上げた通り、(検討の)結果として相当な規模の財政出動ということにもなりかねないので、これが国民への今後の負担にならないよう、適切な判断をされることを願っている。

Q: 「国民負担にならないように」というのは、公的資金注入に賛成しかねるという意味か。

桜井: 必ずしも公的資金注入が良くないとは言ってない。しかし、条件等の設定の仕方によっては、万が一のときには国民負担に跳ね返ってくる。この辺りについては、政府や金融機関、会社側がきちんと考えておられると思う。国民視点での着地をしていただくことを望む。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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