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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年09月15日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事
田谷 禎三 経済情勢・政策委員会 副委員長

冒頭、田谷経済情勢・政策委員会副委員長より、「2009年度9月(第90回)景気定点観測アンケート調査結果」について説明があり、その後、桜井代表幹事より、記者の質問に答える形で、(1)明日の新政権発足、(2)民主党・直嶋政策調査会長との面談、(3)リーマン・ショックから一年、(4)民主・社民・国民新の三党連立合意、(5)自民党総裁選、(6)自民党政権の総括、(7)温暖化対策の中期目標、(8)景気回復のシナリオ、(9)政権交代への期待、などについて発言があった。

Q: 鳩山政権が、明日いよいよ発足するが、経済同友会の新政権に対する立ち位置についてお考えを伺いたい。

桜井: 以前から申し上げている通り、政党ではなく、政策ごとに各党を支持・応援したり、意見を申し述べるということで、立ち位置は変わらない。

Q: 昨日、民主党の直嶋政調会長に新政権への要望を伝えたとのことだが、具体的にどのような議論があったのか。

桜井: (お会いした)目的は、先般(8/31)発表した意見書「新政権に望む」についてご説明に上がった。お話した内容を簡潔に述べると、新政権が誕生し、国民は、新しい国づくりに対して民主党が変革を遂行することを期待している。民主党の政策は、「国民の生活第一」という立ち位置で、行政の改革によって無駄遣いを是正するという組み合わせである。これから政権政党として、この国を預かり、新しい国を創っていくことになれば、日本のいろいろな課題に対してしっかりとしたビジョンと政策を作る必要がある。この辺りを意見書に沿って説明した。直嶋政調会長は、概ね説明を聞かれて理解されたと思う。まだ説明の段階で、一つひとつの政策について議論するという状況ではないので、特にご報告するコメントはない。

Q: 今後、個別の政策について議論をする予定はあるか。

桜井: 民主党から積極的に意見を求められることが望ましく、ご要望があれば議論したい。

Q: 明日の政権発足に向けて、今日中に組閣について発表があるようだ。まだ報道ベースではあるが、いま固まってきている閣僚の顔ぶれについて感想を伺いたい。

桜井: これから新しく内閣を組織する段階で、(顔ぶれについて)正式発表もされていないので、コメントは難しい。

一般論で申し上げると、マニフェストや選挙活動を通じて民主党が主張したことのひとつは「脱官僚主導の政治」であり、もうひとつは「生活第一」である。これらはかなりパワーが要る政策課題であると思う。その意味でも、5原則5策にもあるように、民主党の政権運営体制と同時に、相当強力な内閣を作っていく必要がある。大所高所から物事を考察し、判断を下していける能力を持つ方々、そしてこだわりと熱意を持つ方々、さらに国民の信望を集める人格者、という構成を期待している。

Q: リーマン・ショックから今日で丸1年になる。枕ことばで「100年に一度」(の危機)と言われてきたが、本当にそう言える程のものだったのか。振り返ってみて、リーマン・ショックとは何だったとお考えか。

桜井: 「100年に一度」(という言葉)にそれほどこだわる必要はないと思う。我々も当初は言葉としては使ったが、リーマン・ショックの問題は、グローバル経済のなかで(我々が)初めて遭遇した、今までと異なる原因で発生した金融危機および経済危機であった、ということだと思う。

Q: (新政権の)組閣に際して、民主党と社民党、国民新党との三党連立協議が成立している。連立協議の結果については、(政策面で)あいまいな部分が残っているという評価があり、(一方では)そういう中でよくまとまったという評価もある。代表幹事は、今後の(政権運営への)見通しについて、期待や不安も含めてどのようにお考えか。

桜井: 三党合意について、三党の政策をひとつの連立政権としてまとめる必要が大いにあり、また意義が高い。よくまとめたと感じる。民主党としても、(同党の)マニフェストを超えるような合意は形成しにくいし、また、他の二党の政策も尊重しなければいけない。(そのような状況で)一つひとつの政策合意を見れば異論はあるものの、三党合意をまとめたことは、よろしいのではないか。

それ以上に、民主党がここだけは譲れないとしていながら他の二党から要求されていた、政党間の調整を閣外で行うという問題について、政策については閣内でしっかりと意思決定していくという基本方針を(民主党が)貫いた点は、非常に評価してよいと思っている。今後の政権運営において色々な問題が生じた場合、基本政策(に関する)閣僚委員会を軸に閣内で調整して結論を出すという、すっきりと(しており、)国民にも説明のつく透明性の高い方法が保証されたことは、今までと比較しても大きな違いだろう。

Q: 自民党の総裁選に谷垣元財務大臣が出馬を表明した。今後、これに続く動きが出てくるだろうが、現段階で自民党総裁選についての所見を伺いたい。

桜井: 自民党(総裁選)は、まだ非常に流動的である。人事について非常に興味をお持ちのようだが、人事以前に、(まず)自民党がしっかりと、この新しい時代にますます大事になってくる二大政党を(形成するために)、民主党に対抗する自民党に建て直していただくことが非常に重要である。この選挙で負けた敗因は何かをしっかりと総括し、党のあり方、党運営のあり方、政権奪還後はどのような政党になるのか、そして、自民党が目指すこの国の形を含め、自民党の今後のあり方(を考え直すべきである)。「国のあり方」(について)は今後(の検討)でも結構だが、総裁選の前に、衆院選の敗因をベースに総括し、各候補者が「新しい自民党のあり方を掲げて総裁選に挑み、国民に(対し)、分かり易く説明できる総裁選を展開していただくことが非常に大事である。

Q: 今日で、経済財政諮問会議が終わり(委員の)皆さんが辞任された。小泉内閣時代には奥田前経団連会長のイメージが強かったが、民間の委員が中に入って経済界として強力に時の政権をサポートしてきた。そのスタイルが今日で終わったという感慨を覚える。これからの新政権に対する経済界のスタンスの取り方について、先ほど代表幹事は、政策ごとに(その)政党を支持するという考えを示されたが、(民主党からは)政府税調に(民間人を)起用するという話も出ている。今後、経済界として、新政権との付き合い方はどのような形が望ましいとお考えか。

桜井: 政党と経済界は、やはり新たな形で、適切な関係でのコミュニケーションを充実させていくことが必要であり、非常に重要である。政策協議等について新たな方法を考える必要があるだろう。そのスタイルとして、いま政権運営構想にある(国家)戦略局、行政刷新会議、税調など節々のところはあると思う。そこに定常的に入っていくのか、課題ごとに入っていくのか、あるいは常日頃のコミュニケーションをベースに持っていくのかについては、民主党の考え方もあるだろうし、(いずれにせよ)あるやり方を開発していく必要が出てくるだろう。私どもから、ぜひここで定常的にやらせてほしいなどといったアイデアは持ち合わせていない。

小島: 経済同友会としては、これまでもそれぞれのテーマについて意見を申し上げてきたというのが実情である。特にここで新しいことを考えていることはない。

Q: 日本経団連と、新政権に対するスタンスの違いはどこにあるとお考えか。

桜井: わからない。

Q: 新政権発足で自民党政権がひと区切りつく。自民党の政権や政策をどう総括しているか。特に最近の経済政策がどのような意味を持っていたとお考えか。また、今後自民党に望むことは何か。

桜井: 自民党が政策的に行き詰まり始めた経緯を考えると、高度成長時期は目標も明確で、そこにいかに日本の資源や資金を集中して投入するかが重要だった。いわば開発国型における政治行政であった。その後、日本が成長を遂げ、先進国の仲間入りをして、日本が独自に経済成長に向けた新しい取り組みを考えることが求められるような時代となり、さらにグローバル化、少子高齢化が進むと、(従来のような)中央集権的な政治行政による資源配分方式の限界が出てきた。国民サイド、あるいは企業サイド(の創意工夫による)、自由な競争の下で競い合いを大切にするという国のかたちが求められるようになってきた。中央集権型から分散型、あるいは市場の活力を生かす市場主義経済社会に向けた政策展開がなされるべきだったが、(自民党は)それに遅れたのだと思う。これからの政権政党は、あくまでも市場主義経済社会をベースに民の活力を生かすこと、加えて、国民の生活を視野に入れることの2つをベースに、日本の成長を確かなものとしていくことが必要である。民の活力という意味では、やはり規制改革等をはじめとした活力を引き出す構造改革の展開が求められる。国民視点については、若者が希望を持てる社会づくりという視点が非常に大事だろう。このような政党のあり方が求められる。

Q: 地球温暖化対策について、鳩山代表は、(温室効果ガス)1990年比25%削減を表明された。欧州ではこれを評価している一方、中国ではまだまだ足りない、40%(削減)が必要という声がある。国内では、そこまでやるのは他国に比べてもきついのではないかという声が依然としてある。新政権は、こういう状況をどう捉えて、どう対応すべきとお考えか。

桜井: 最近、鳩山代表も、この目標値は“真水”とは違う、森林開発やCDMを活用することによって、“真水”部分はもう少し低くても良い、と発言されている。それを含めても5~10%程度なので、“真水”部分は差し引き15~20%と考えられる。先般発表した意見書「新政権に望む」でも述べたが、いま見えている範囲では、民主党の数値はビジョンに近い高い目標という位置付けではないか。目標値を達成するための道筋がまだ明確ではない。(民主党は)まず、この道筋の大きな骨組みだけでも明らかにすることが必要だ。中期目標では、画期的な技術革新を行って目標を達成するほどの時間はない。今ある技術、商品、システム、なかでも新エネ、省エネを最大限活用し、広く普及させることが大事な課題となるであろう。生活・ライフスタイルの変革も必要だ。さらに原子力政策や第一次産業の革新等も含めた道筋を示し、国民に説明していただきたい。国民に説明する際には、現在のようなコスト論、負担論だけでなく受益論も提示していただきたい。「これだけの政策を採るとこれだけ負担増となる」という負担論だけではなく、新産業を興し、需要を増大させ、国の成長を促進してGDPを底上げしていくことで、国民にとって享受できる受益面についてもしっかりと提示すべきだ。COP15の国際交渉が始まるまでにはあらすじを作って国民に説明することが必要だ。25%(削減)という目標値を下ろしたほうが良いなどという声も漏れ聞こえてくるが、あらすじを描く前の段階で下ろす必要はないと思う。

Q: 景気の見通しについて、景気定点観測アンケート調査結果からは、日本の国内(経済)の回復は難しく、中国の需要に頼らないと成長できないというように受け止めた。今後の景気回復のシナリオはどのように考えられるか。

桜井: 短期的に言えば、日本経済が底抜けせずに持ちこたえているのは、一つには政府の施策がある程度行き届き、その効果が消費に出てきている点があるだろう。もう一つは輸出で、先進国の(経済の)下降で輸出が下がる一方、中国やアジア諸国の成長が回復しつつあることだろう。その意味で(指摘された通り)今のところは中国をはじめとする新興国やアジア地域に頼っている面がある。必ずしもリーマン・ショック以前の水準まで回復するかは未知数だが、長期レンジで考えれば、やはり先進国を含めた国々の経済成長にかかっている部分が少なくない。

Q: 景気アンケートの結果に、リーマン・ショック以降の経営努力として一番大きいのは、「新商品、新サービスの開発・投入」、「利益が見込めない事業分野からの撤退」と出ている。リーマン・ショック後の新しい経営戦略を各社模索していると思うが、代表幹事はどういう戦略が必要とお考えか。

桜井: リーマン・ショックの有無にかかわらず、企業として高付加価値製品やシステムの開発・提供、M&Aの促進、事業の選択と集中、固定費や変動費の削減など、高効率経営を推進することに変わりはない。これらはリーマン・ショック以降の景気後退局面においてのみ行うものではなく、日本企業の成長や日本経済の上昇を目指す上で、絶えず取り組んでいかなければならないことばかりだ。

Q: アンケートで、「今回の政権交代は日本経済に好影響を与えるか」という質問の答えとして、(1)期待できる、(2)期待できない、(3)むしろ懸念している、(4)どちらとも言えない(分からない)の4択があるが、代表幹事のお答えはどれか。

桜井: 私の回答は、(アンケートには答えていないが)「分からない」になる。図表11(P14)の通り、(全体の回答で)「期待している」と「そうではない(期待できない+むしろ懸念している)」はほぼ半々である。民主党のマニフェストには、今後日本が新しい国づくりを興し、活力ある日本にしていくためには、まだまだ(記載が)不足している政策がある。財政再建はどうするのか、成長戦略はどうするのか、あるいは外交はどうするのか。これらについて、民主党に(政策が)ないと言い切ることは尚早である。まだ記載がない、(むしろ)これから書かれるということだろう。今のところ半数ほどが「どちらとも言えない(分からない)」と回答している。この「分からない」を否定的な意味だけで捉えるべきではない。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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