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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年08月31日(火)17:00~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事

冒頭、桜井代表幹事より、「新政権に望む~新しい国づくりに向けた責任ある政権運営を求める」について説明し、その後、記者の質問に答える形で、(1)衆院選の結果・民主党大勝への受け止め、(2)民主党政権への期待と懸念、(3)地球温暖化対策、(4)民主党へのスタンスや政策対話、(5)雇用・賃金問題、(6)2010年度予算編成、(7)企業・団体献金、(8)マニフェストの柔軟性、などについて発言があった。

Q: 今度の衆院選の結果をどのように受け止めたか。民主党の308という獲得議席について、率直に非常に多いと思われたか、それとも予想通りだったか。

桜井: 率直に申し上げて、予想以上であったと思う。(民主党が)大勝した理由については、それぞれ分析されているが、非常に難しい判断である。直感的に考えられるのは、民主党の「国民生活第一」という政策は、(国民に)相応に受け入れられたとは思う。しかし、(民主党に)政権を預けた場合にどうなるのかとまで考えた結果だとは思わない。やはり、自由民主党に、日本の抱える課題に対する取り組み方や日本を変えていくという動き、さらに、それらを実現するために自民党(自身)を変えていこうという動きが(国民に)見えず、それに対する失望感があったのではないか。

Q: 民主党が多くの議席を持ったことで、今後代表幹事の望まれるような政策が進むと期待されているか。それとも数の驕り等のような懸念をお持ちか。

桜井: 色々と問題・課題はあると思うが、「政権政党になった」という責任感に期待したい。決して悲観的に考えている訳ではない。その責任感は、当然のことながら出てくるはずであり、しっかりと責任を果たすためにどのような政策をどう展開すべきか、また、政策展開において政権運営体制がこれで良いのか、等について、党が一枚岩となって、責任を持って考えていくと思う。これについては相当期待している。

Q: 民主党は「国民本位の政治」を掲げている。本日未明の鳩山代表の記者会見でも、何度も「国民主導型」と仰っていた。この「国民本位」は、ともすれば大衆迎合的になりがちなのではないかと思うが、いかがお考えか。

桜井: そこは注意しなければいけないところだと思う。企業経営でも同じである。CS(顧客満足)経営とは、お客様が望む商品やサービスを徹底して提供していくことで、これは原点として重要である。しかし、それぞれ違うお客様に、それぞれ違う商品やサービスを提供していくとなれば、企業経営は効率性の面で成り立たない。また、お客様は、足下の問題に対して非常に敏感なので、今困っている問題については要求するが、将来困る事を予想してこうして欲しいという(要求は)あまり出てこない。このような面は、政治の世界でも同じだと思う。お客様、すなわち国民の将来のニーズを先取りして政策を作り、展開することが「国民視点」である。迎合とは違い、将来に対する視点で、国民を、ある意味では導くということもなくてはならない。

現在の国民の悩み事にしても、ただ救うということではなく、国民が新たに動き出せるように、言わば再チャレンジ・再出発が可能になるような意識付けとそのサポートに重点を置かないと、単なる迎合になってしまうだろう。

しかし、政権を取ったならば、民主党の中でそのようなことをしっかりと捉え、政策を打っていくことになるだろう。

Q: 地球温暖化問題で(民主党の削減目標は)、経済同友会が打ち出した目標値よりさらに厳しい。(本日発表した)「新政権に望む」を読むと、民主党の目標値を受け入れるということになるのか。

桜井: 経済同友会の(地球環境問題委員会の)提言では、最大限努力をして1990年比で7%(削減)ということであった。民主党の提示(している目標値)は、90年比で25%(削減)ということで、(同友会の提言とは)開きがある。だからといって、今これを受け入れないということではない。(民主党が削減目標を)達成するのであれば、具体的どのような低炭素社会作り、技術革新、ライフスタイルの革新等が必要かを明確にしなければ、議論にならないし、評価もできない。さらに、(目標値達成のために)必要な革新の成果は、単なる温室効果ガスの削減だけではなく、日本の競争力強化につながるので、経済の活性化や底上げにどれだけ寄与するのか。また、(革新により実現する)エコ・プロダクトは、簡素で使い勝手の容易い商品・サービスになってくるはずで、それらが国民の生活の活性化にどう寄与するか、こちらの面もしっかり描き出さないといけない。そのようなことをしっかりと明示していただきたい。その後で、評価については検証しなければならない。

Q: その工程表を早く出せということか。

桜井: そうである。

Q: 「新政権に望む」は、既に民主党に提出されているか。

桜井: 明日以降、民主党の幹部の方々に手渡し、説明をしたいと考えている。

Q: 民主党に対する同友会のスタンスについて、民主党から提言等を求められれば積極的に関わっていくことになるか。

桜井: 積極的に関わろうという態度は重要だと思う。ただし、民主党に積極的にということではない。常々申し上げている通り、同友会はどの党を支えるという団体ではない。あくまで是々非々で、各党の政策のあり方について、同じ方向性と考え方を持つのであれば、大いに協力していこうということである。異なる場合は、どの政党であろうと、それは違うと発言する。(同友会は今後も)そのようなスタンスで対応、協力していく。

Q: 鳩山代表や(民主党)幹部と会う予定はあるか。

桜井: 今のところ民主党サイドもそれどころではないだろう。この「新政権に望む」の手渡しと説明から始めたい。

Q: 同友会と同じ方向性であれば協力するとのことだが、先のマニフェスト検証を見ると、同友会と民主党の合致度はDマイナスで、自民党より開きがある。この溝を埋めるためには政策対話なども欠かせないと思うが、例えば、今回当選した新人議員達に広く同友会の考えを理解してもらうようなことはするつもりはあるか。

桜井: まず、マニフェスト検証での合致度について、自民党に比べて民主党が劣った点は、民主党が重点を置いている子育て、生活者第一の部分で合致しない面が多かったことと、(マニフェストへの明記を望んだ)財政再建、成長戦略、社会保障、地方分権等について、民主党のマニフェストでは述べられていなかったためである。(本日発表した「新政権に望む」を通して)民主党に、重要政策はこうであり、それに対してしっかりとした方向性や具体的な施策を示していただきたいと問いかけたい。それがないと、民主党とどう対話すべきかが見えない。

小島: 個々の議員に対してという次元ではなく、民主党政府としての政策に対して、同友会はこう考えている、と申し上げたい。

Q: 非常に問題意識の高い要望書と受け止めたが、ここに列挙された7項目に敢えて優先順位を付けるとどうなるか。

桜井: 優先順位が高い順に並べてある。最も中心になるのは財政再建である。

Q: 雇用について、民主党からは、労働者派遣の問題や最低賃金の引き上げなど、企業の活動においてコスト増につながりそうなことも出されているが、これについてはいかがか。

桜井: 雇用や賃金の問題については、これまでも常々申し上げている。まず、雇用問題について、今の民主党が出している派遣に対する考え方には、非常に違和感を持っている。派遣という雇用形態は、(労使)双方にとって非常に意味のある雇用形態だと認識しているためだ。しかし、(昨今の)急激な経済後退時期において、問題が顕在化した。だからと言ってそれが全てと捉え、派遣という雇用形態を一気に規制していこうとする姿勢には、非常に違和感を覚える。一つの雇用形態としていかに活用していくかが大事だと思う。これまでの経済成長を支えて来たものの一つにはこのような雇用形態があったであろうし、被雇用者もその雇用形態を望んでいるという点でも有効である。問題は、その(雇用)状態が固定化することであろう。今後、この固定化を最小化させていくことが求められる。また、雇用問題について全て企業、雇用主の方にのみ負担を負わせることは、企業活動を縛ることになり経済の活性化を減退させるため、(政労使の)役割分担が必要である。次に、最低賃金の問題については、それぞれの立場やいろいろな角度によって考え方が異なるが、可能な限り生活保護と同じレベルにはしていくことが大事だ。

Q: 来年度予算編成について、民主党政権による見直しを不安視する声もあるが、どのように見ているか。

桜井: (捻出するとされている)9兆円については相当大変だろうと捉えている。ただし、民主党が予算の見直しを行うことで、その目的や使われ方や成果についての情報が出てくるわけで、これが非常に大事だと期待している。国民に情報が開示されることで、国民の目にも明らかになる。ここが非常に重要な点ではないか。

小島: 同友会としては、来年度予算をきちんと年度内に成立させるような手順で実施していただくことを望んでいる。

Q: 同友会は、これまで個人献金を基調としながらも社会の一員として企業献金もあるとの立場だったが、将来の企業献金廃止と個人献金の普及を目指す民主党政権が誕生した。それに伴い、これから企業献金についてどのような議論がなされるべきか、また、献金のあり方についてどのようにお考えか。

桜井: 企業献金については、新政権誕生に伴い重要な課題の一つと認識している。以前より、同友会としての意思を明確にすべきと考えてきたが、夏休みシーズンで中断していた。まずは、会員アンケートから始め、政治・行政改革委員会で議論をして、方向付けを明確にしたい。

Q: いつ頃になるか。

桜井: アンケート調査は早く始める。

Q: 今回の総選挙で各党がマニフェストを示したことは良かったと評価する一方で、マニフェストに引き摺られ過ぎないかと危惧される面もある。例えば、温暖化目標や雇用問題のように(産業界と)溝がかなり大きい政策もある。(要望書に書かれているような)PDCAサイクルで回すとなると、(達成不可能など)悪い部分や問題点が出てきた場合、柔軟に対応して政策を変えるべきなのか、その場合、有権者を裏切ることにならないか。マニフェストの柔軟性をいかに担保すべきかについて、見解を伺いたい。

桜井: マニフェストは国民との契約であり、そう簡単に変更してはならない。しかし、100%固定化して、例えば次の選挙までは一切更新できないというものではないと思う。進捗状況や環境の変化、新たな課題の発生など、そのままでは(本来の目的達成に)対応できないという場合には変えるべきだろう。しかし、変える場合にはきちんとした手続きを踏むことが大事である。まずは党内、政府内で、変えざるを得ないのかを確認し、検証しなければならない。そしてもう一つが国民への説明である。これをしっかりやらなければならない。重要度にもよるが、(マニフェストの変更は本来)選挙で民意を問うべきことだが、政党としての強い責任感の下、しっかりと国民に対して説明をすべきだ。説明については(選挙を実施しなくても)他の手段でもできる。国民の反応をしっかりと捉えることで説明責任を果たした上でならば、修正することがあっても良い。

自民党の場合には、総理大臣が3代替わったにも関わらず、(国民に問うことが)実行されてこなかった。内閣府のアンケートにあったように、自分の思いが政治に伝わらず、政治がそう動いていないという距離感がどんどん広がってきたという結果に表れたのだろう。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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