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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年07月07日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事

記者の質問に答える形で、(1)2009年度(第24回)夏季セミナー(7/16~17開催予定)、(2)政局混迷の経済への影響、(3)サミット、(4)松沢神奈川県知事来訪と道州制、(5)構造改革、(6)東国原宮崎県知事の動向、(7)産活法(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法)、(8)静岡県知事選など地方選での自公4連敗、(9)衆院選、などについて発言があった。

Q: 政局の混迷によって、国の進路に関わるような大きな政策論争が置き去りにされている感があるなかで、7月16~17日に予定している夏季セミナーをどのようなものにしたいか、決意を伺いたい。

桜井: 100年に一度とも言われる経済危機のなかで、世界が協調して金融政策、財政出動を展開しており、大きく言えば底抜けはない、底が見え始めてきた(という状況である)。これからいかに世界の景気、活力を取り戻すかという時点に来ており、企業・産業が活力回復のエンジンにならなければならないと強く感じている。(夏季セミナーの論点は、)まずは、企業としていかに今後の回復のエンジンになるべきか。中・長期的に、日本の経済、社会をどういう風に持っていく必要があるか。足下の政策・施策の展開のみならず、今後の国の成長、活力に寄与していくようにするために大事なのは、「この国のかたち」、長期ビジョンをどうすべきかであり、大いに議論したい。また、その「国のかたち」を実現するためには、頓に忘れられかけてきている構造改革が非常に重要な課題である。改めて、「国のかたち」実現のための構造改革はどうあるべきか。さらに、経済危機脱出のために、かなりの財政出動(をしてきたが)、今後の活力ある成長を実現するためには、これは時限的な処置で(あるべきで)、これ以上続けるとますます債務残高が増え、少子高齢化を乗り越えられず、債務残高の解消ができなくなる。大きな日本の危機的な問題になってはいけないので、いかに財政規律を建て直し、プライマリーバランス(黒字化)、債務残高の減少にいかに持っていくかも大きな柱である。最後に、「国のかたち」を描いて実現のために引っ張っていくには、政治のリーダーシップが必要である。政治のリーダーシップがどうあるべきか、統治機構のあり方についても議論したい。各セッションはプレスの皆様にもオープンで、クエスチョン・タイムも設けているので、ぜひ積極的にご参加いただきたい。

また、夏季セミナーは、提言をまとめるものではなく、経済同友会の活動の主体たる委員会が、年間の運営について、方向性と重点を共有化することが重要な目的であることをご理解いただきたい。

Q: 政治のリーダーシップという発言があった。最近、政局が混迷している感があるが、代表幹事はどのように見ているか。また、この混迷が経済に与える影響についてはいかがか。

桜井: 政治は(確かに)混迷しており、政治の混迷は、経済に対して大きな影響を及ぼす。企業経営で言えば、どのような政策に重点化するか、その施策をいかに迅速に展開するか、これらは非常に大事なことである。今後の活力と成長・発展という施策の展開においても、政治が重点化と施策の迅速な決定、執行を行わなければいけない。(政治が混迷すると)これらが遅滞するということで、危機感を感じるほどの問題であると思う。

Q: 政治の混迷による企業経営への影響について、先週出された企業白書には「政治を待ってはいられない」という表現があったが、どのように捉えているか。

桜井: 企業白書の心としては当然その通りである。政治の空白・混乱が企業や経済に及ぼす影響は、先述の通り、非常に大きい。ただし、政治が、危機の食い止めと経済の刺激策を今後もずっと継続するのでは駄目だいうことである。そのような政策は、当然あり得ないし、その結末が過去の歴史の繰り返しになってはならない。(政治が)底抜けを止めてくれた、分野ごとに刺激策をとってくれている、これを企業が自分達で受け継がなければいけない。政治を待っていられないと言う前に、我々(企業自身)が、今後の経済活性化を、責任を持って進めていかなければならないと考えている。

Q: 「改めて構造改革はどうあるべきか」という発言について、具体的に伺いたい。郵政(民営化)や政投銀(民営化)の揺り戻しの動き、予算編成においてシーリングへのアプローチが緩くなっているのではないか等、いろいろな問題意識が指摘されているが、特にどの辺りが問題と思われるか。

桜井: まず、構造改革が後退していると認識している。構造改革の後退は、中央主権的で画一的な活力のない社会へと戻る(ことを意味している)。今後の日本の再活性化という観点で見ると、まず(必要なのは)社会保障改革で、次に公務員制度改革や地方分権改革を含む行政改革、そしてもう一つ強調したいのが規制改革である。「民の活力を最大限に活用する」という社会をつくり上げなければならないので、その柱として挙げたい。その他、税・財政、つまり歳出・歳入一体改革、そして、新しく戦略的に展開すべき課題として成長戦略がある。

小島: ぜひ夏季セミナーにご参加いただき、議論を聞いていただけると、参加メンバーの考えを知っていただけると思う。

Q: 社会保障改革には、年金、医療等あるが、特に問題意識を持たれているのはどこか。

桜井: 今後、少子高齢化が加速していく現状を踏まえれば、まずは年金制度改革(が重要課題であり)、これについて経済同友会は、一階の基礎年金部分を税で対応して安定的な年金制度にすべきで、二階の報酬比例部分は民間の保険に変えていく必要がある、と提唱している。これによって世代間の受益と負担の不均等、つまり世代間のバランス格差を解消し、長持ちする年金制度にすることが可能だろう。もう一つは、医療制度改革で、高齢者がますます増加するなか、どのように医療制度を設計していくかという課題がある。年金制度も医療制度も、基本的な思想として、若者が将来に希望が持てる制度にしていかなければ、財政破綻以前に、“若者破綻”となる恐れがある。これは国家にとって一大事だ。若者が将来に希望を抱ける年金制度や医療制度がぜひとも必要である。

小島: 社会保障制度の論点はすでにある程度明確なので、今後それをどう進めるかを含めて議論しなければならない。

Q: 財政について、これ以上財政出動を続けると債務残高も増え問題だとの発言があったが、一方では、まだ景気が万全でないので、しばらくは多目の財政支出を続けるべきとの考え方もある。(財政支出を)正常なレベルに戻す時期についてはいかがお考えか。

桜井: 時期については、いま申し上げる段階ではない。底が見え始めたと言っても、まだ不安材料はある。雇用や消費、設備投資の問題である。特に、設備投資は、企業が経営の状況や社会、経済の状況にまだまだ不透明(感が払拭できていないことに起因するため)、必要な財政出動は否定できない。ただし、現時点で申し上げたいのは、日本の国の財政のあり方について、プライマリーバランス(黒字化)のように、目標を持ったうえでの政策・施策、財政出動が必要だということである。骨太(の方針2009)でも、ある程度の財政出動は今後も考えられるが、新たな指標で財政健全化への目標を立てたことが非常に重要だと思う。財政の健全化に向けて何をすべきかをきちんと整えていくことが、日本には求められている。

Q: 明日からサミットが始まるが、特に期待している議論は何か。

桜井: (ラクイラ・)サミットで焦点を当てなければいけないのは、(地球)温暖化防止のポスト京都議定書の枠組みづくりのために、先進国としてリーダーシップを発揮することである。COP15で求められるのは、全員参加であり、長期目標である。長期目標は、世界各国・各地域の共通の認識として(全世界で2050年に)50%削減ということが必要であり、そのベースを作らなければならない。そこでG8に求められることは、先進国の中・長期目標(への合意形成)である。中期目標が今回どこまで進展するかについては甚だ疑問であるが、長期目標は、先進国がどれだけ(野心的な)目標値を設定するかということであろう。

Q: 先日、松沢神奈川県知事が財界3団体を回られ、道州制について、(総)選挙の前に3団体のトップは統一して行動を示してほしい、できれば、(麻生)総理や民主党の鳩山代表に会いに行ってほしいと要請された。これを受けて、どのような対処をお考えか。

小島: スケジュールや人の問題で、具体的にそのような方向に動いているわけではない。日本経団連がどこまでリーダーシップをとって動こうとされるのかという話もある。経済同友会としては、道州制について、全国の経済同友会で、「道州制基本法を作るべき」と各党にマニフェストに記載するよう訴えている。また、マニフェストの内容について、各党に要望を出している。これから何か行動を起こすとすれば、確かに(3団体の)トップが揃って、(自民・民主党の)トップに会いに行くしかないが、いまの政治状況を含め、そう簡単に実現する状況ではないだろう。昨日、御手洗日本経団連会長が定例記者会見で、「道州制基本法を作るべき」とおっしゃったようだが、具体的に自民党や民主党に持っていくかについては、まだ聞いていない。

Q: 東国原宮崎県知事の国政への転身が噂されており、世論調査では否定的な意見が強いが、代表幹事の感想を伺いたい。

桜井: なぜ(自民党が出馬を)求めたのか、なぜ(東国原知事が総裁候補であればと)回答したのか等、構図が見えず、(話の)展開がわからないので、コメントのしようがない。

Q: (東国原知事について、)一期目の任期途中で国政に転じるという(ことになれば)、知事としてのあり方についてはどう評価されるか。

桜井: 知事に立候補して当選し、住民からそれだけの期待を得ているとなれば、その責任は非常に大きいと思う。最終的にはご本人の選択の話ではあるが、地域の住民の立場で考えてみれば、投票し期待をかけたことに対してどうなのかという疑問は湧くだろう。企業経営も同様だが、最初の1年や2年で思い通りの成果が出せるような簡単な運営ではないはずである。住民サイドから見れば、少々問題はあるのではないか。

Q: 東国原知事は、「自分の要求した条件を(自民党が)受け入れ、総裁候補にすれば自民党は負けない」と言っており、来る衆院選が政権選択の選挙であることを考えると影響があるようにも思う。そうした一連の行動、あるいは発言内容について、代表幹事の感想を伺いたい。また、少なくとも一期は任期を全うすべきか。

桜井: 感想はない。東国原氏がマニフェストを示されれば、それに対してコメントはできるかもしれないが。(県知事の任期を全うすべきかについては、)住民の方はそう望んでいらっしゃるのではないかと思うが、私が判断することではない。

Q: 6月末に改正産活法(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法)のスキームで、半導体メーカー(エルピーダメモリ)への公的資金活用が決まったが、今後2号案件、3号案件が出てくる可能性がある。エルピーダメモリ(への公的資金活用)に関して、良かった点、悪かった点を伺いたい。

桜井: 本質的には、事業会社への国の支援は控えるべきである。事業会社は、市場の原理で、淘汰され、あるいは統合され、あるいは新しい産業構造が起こることを大事にすべきである。産活法の適用については、政府は慎重な選択と(適用)条件、そしてその後のフォローを行う必要がある。エルピーダメモリ社(への適用結果の良し悪し)については、経営状況や業界の状況をよく知らないので何とも言えないが、政府は慎重に調査・分析のうえで判断されることが重要だと思う。

Q: 一昨日の静岡県知事選で、自公推薦の候補者が民主推薦の候補者に敗れ、同じ枠組みの政令市長選で自公は4連敗になった。自公にしてみれば、昨年秋からさまざまな政策を打ち出してきたにも関わらず、それが選挙結果に反映されていないという思いがあると思われるが、どこに(自公に対する)批判が集まっていると見ているか。政策が間違っているのか、政党への批判なのか。

桜井: 私にではなく、与党の幹事長や選挙対策本部長にすべき質問ではないか。正直に言って、最近、有権者が、どこに焦点を当て、何を基準に判断して投票するのかが読めない。政党の政策展開が良くないのか、不祥事の問題なのかなどなど、一体どこに国民の意識が向いているのかを読むのが非常に難しい。

Q: 衆院選に向けて、経済同友会として各党のマニフェストに盛り込んで欲しい課題は何か。また、特定の政党を支持する考えはあるか。

桜井: マニフェストについては、6月23日に「次期衆議院総選挙 各党の『政権公約(マニフェスト)』に望む」として、各党に向けた要望を取りまとめた。内容は、冒頭に述べたこととほぼ同じだが、単なる足下の政策項目・展開のみならず、今後の衆議院選挙のサイクルを勘案すれば3~4年先を見据えて、この「国のかたち」をどうしていくかをしっかり述べて欲しいというものである。その「国のかたち」を実現するために重要な政策は何か、優先順位、財源、スケジュールはどうすべきかを含めて明らかにしていただきたい。何よりも今回は政権選択選挙であり、各党の側も「政権を任されたら責任を持って実現しなくてはならない」という責任感を持ってマニフェストを記していただきたい。それだけの質を備えたマニフェストが出てくるかは、非常に心配している。一言で言うと、“選挙に勝つ選挙ではなく、マニフェストの中身で勝つ選挙”にしていただきたい。

政党支持については、経済同友会は行わない。(各党から出される)個々の政策ごとにこうあるべきという方針で臨んでいる。各党との話し合いも行っているが、定例的なミーティングではなく、(あくまでも)政策をベースにした意見交換である。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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