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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年06月16日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事

冒頭、経済情勢・政策委員会 田谷禎三副委員長より、「2009年6月(第89回)景気定点観測アンケート調査結果」について説明があった後、記者の質問に答える形で、(1)景況感、(2)日本郵政社長人事と鳩山前総務大臣の辞任、(3)消費税率、(4)日本の温暖化対策中期目標、(5)原油価格高騰、などについて発言があった。

Q: 最近、与謝野大臣や経済界から、「(今年)1~3月で景気は底を打った」という声も出てきているが、景気底打ちについてどう捉えているか。

田谷: 「景気定点観測アンケート調査結果」の現状指数の動きから考える限り、昨年末あるいは今年の第1四半期辺りが底であった可能性があると言える。

Q: アンケートでは「急激な改善」となっているが、「二番底」を懸念する声もある。(景気が)また落ちるのではないかという懸念については、どうお考えか。

田谷: 株式市場でも商品市場でも「二番底がある」とよく言われるが、今回の調査結果を見る限り、そのような見方をしている人は意外と少ないということではないか。先ほど底打ちに関する質問もあったが、底は打ったかもしれないが、概ね「横ばい」あるいは「横ばいの後に緩やかな回復」と見ている。昨年末に超悲観になった反動で、ここへきて横ばいになったという判断が指数の急速な上昇に表れており、見方そのものが超楽観になったというわけではない。

桜井: アンケート調査のP10「日本経済の見通し」では、「横ばい状態の後、徐々に回復」が44.8%、「一時的な回復の後、再び悪化」が7.4%となっており、期待感も入っているようだ。

Q: 今日、日銀も、景気判断について「下げ止まりつつある」と上方修正した。代表幹事はどのようにお考えか。

桜井: 私が(景気を)判断するよりどころは、自社の動き・予想と経済同友会の定点観測アンケートである。一言で言えば、日銀の観測とほぼ同じで、生産の持ち直しと輸出の下げ止まりを見ると、(景気は)下げ止まりつつあると思う。ただ、回復の時期については難しいので答えようがないが、希望的観測を言えば、来年前半くらいまでは横ばい、その後上がってくれれば、と思う。

Q: 日本郵政の問題について、先週末、鳩山前総務大臣が辞任、西川社長が続投という結果になったが、これをどう受け止められたか。

桜井: 西川社長の続投はまだ決まったわけではないと思うが、鳩山前総務大臣が辞任、事実上更迭という形になった。前回の会見で、この去就がはっきりする前にもお話したが、一番大事なことは、郵政民営化という路線のなかで、政府が100%株主であったとしても、民営化できる、上場できる体質をしっかりと作っていくことである。上場企業に相応しい民間企業としての力強さをしっかりと作っていくことが大事なので、すべてこれを軸に判断すべきである。CEOを誰にするかについても、民営化のなかで考える話であり、社内の指名委員会の提言を大事にすべきである。

Q: 新聞各紙の世論調査で、(鳩山前大臣更迭という)総理の判断に厳しい結果となった。西川社長がこのまま続けるのは厳しいのではないかという声もあるが、これについていかがお考えか。

桜井: 世論調査では、60%強が鳩山前大臣の辞任に疑問を持っているという結果だった。国民のみなさんが、どのような視点で判断されているのかが分からないのでコメントのしようがないが、意外に多かったという感想である。

Q: 代表幹事は、鳩山前大臣更迭という総理の判断は正しかったと思われるか。

桜井: 先述の通り、民営化を粛々と進めるための基盤・体質を(日本)郵政が構築していくことが大事であり、また、民営化のなかで、民営化たるものの責任者(である)社長の決め方を大事にするという観点から言えば、鳩山(前)大臣の西川社長否定論は、非常に考えにくい問題である。西川社長の続投については、株主総会などでの結論を大事にし、最終的には総理の判断ということになる。総理はそこ(西川社長を続投させると)までおっしゃっているわけではない。民営化路線のなかで、しっかりとした決め方をしていくことが大事である。

Q: 今、政府が「骨太の方針」を検討している中で消費税が議論されている。消費税率12%という案が出ているが、これに対してどのようにお考えか。

桜井: 消費税率12%というのはあくまで試算ベースの話で、この中身を詳しく精査していないので申し上げにくい。今後の消費税のあり方を考えるうえで大事なことは、社会保障が財政的に行き詰っていることが明確であり、これは世代間の受益と負担のバランスが取れていないことと、少子・高齢化で給付が増えていくなかで(現行の)保険制度で安定的に供給できるのか、という2点である。社会保障制度自体をいかに改革して、安定したものにしていくかということと、その財源をどうするのかというなかで、消費税の問題を位置付けなければならない。また、少子化対策、出生率を上げていくための子育ての問題を含み、これらも社会保障の中に加えて、消費税(で)対応すべきだろう。消費税の対象となる枠をしっかりと定め、今後制度設計をするなかで、消費税率が何%になるのかという話になる。

また、単に消費税の問題だけではなく、税と保険料をトータルした国民への負担(率)を考える必要がある。「骨太の方針2009」の中でそれらがどう謳われているか。若干不安に思うのは、財政赤字の負担をいかに国債に回さずに緩和するかという(考え方で)、財政赤字そのものを消費税で対応しようとしているように感じられることである。消費税率を決めるステップにおいて、財政赤字への対応に直結するようなことはあってはならない。したがって、行政支出、歳出をいかにスリム化するか、行政における無駄をいかに排除していくかについても徹底的に取り組まなくてはならない。その分も消費税率に上乗せされてしまうと大変おかしなことになる。

もうひとつ、成長戦略を大事にしてこれを積極的に推進すること、つまりパイを大きくして収入を上げていくことも、当然やらなければならない。

Q: 10日に、麻生総理は(温暖化対策の)中期目標をマイナス15%とすることを発表した。(これは)米国の目標14%に1%上乗せしたような印象だが、代表幹事の見解を伺いたい。

桜井: 経済同友会では、中期目標に対する意見として、中期目標検討委員会が出した6つの案のうち3番目の案をまとめた。これを決めたスタンスは、第一に、IPCCの「科学的な知見」(を重視した)。先進国は(2020 年に)25~40%減、2050年にはトータルで半減する必要があるという知見に(向けて)、可能な限り努力をするというスタンスである。次に、「実現性」。実際に具体的な施策を打つためには、実現性を勘案することが重要だと考えている。三番目に「公平性」。この考え方で、(日本は)最大限の努力をする(という目標値)として、数値的には1990年比マイナス7%という3番目の案(をまとめた)。この国のスタンスを基に、今後の温暖化会議で(国際的に)交渉をすべき(という意見である)。この意見とほぼ同じ考え方と目標値が麻生総理から発表されたので、当会としては大いに評価したい。

Q: 公平性(の議論)に関連して、先進国間の公平性がある一方で、中国など主要排出国でかつ経済規模も日本に近付きつつある国がどういう削減義務を負うべきかについて、考えを伺いたい。

桜井: 以前から申し上げている通り、途上国一辺倒でのグルーピングは良くない。先進国と、主要排出国を主体とした「新興国」という枠組みを作るべきである。排出量を考えれば、このグループには義務的な目標設定が必要である。後はレベルの問題で、これからの交渉で、かなり説得しなければいけないし、差異ある責任という(コンセプト)のなかで、適切なレベル(の義務)をつけることが大事であろう。

Q: 原油価格の高騰で、ガソリン価格がじわじわと値上がっているが、今後の暮らしや経済への影響をどう見ているか

桜井: 上がったと言っても、今後の予測はつきにくく、(現時点で)大きく騒ぐ必要はないと思う。投機マネーがどんどん投入されて価格が変動していく恐ろしさは、市場でも分かっていると思う。基本的には、需給ひっ迫(の状況)により今後も価格が変動していくはずであるが、中・長期的に言えば、クリーンエネルギーやエネルギー転換、今話題になっている石炭ガス化などの方策によって、(原油需要を)下げていくことにもなる。需給状況を考えると、(原油価格は)それほど上がっていくものではないと思う。後は投機の問題で、節度ある投機を仕組んでいく必要がある。そのような方向性のなかで、どれだけ高騰するかについては想像がつきにくく、我々の生活・経済にどう影響するかも、予測し難い。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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