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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年05月19日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 専務理事

記者の質問に答える形で、(1)全国経済同友会セミナー、(2)新型インフルエンザ、(3)景気見通しと企業が乗り切る方策、(4)新体制の民主党への要望、(5)裁判員制度、などについて発言があった。

Q: 今週21~22日、北海道・札幌で全国経済同友会セミナーが開催される。低炭素社会やエネルギー・食料など4つのテーマがあるが、どのテーマの議論、どのような議論展開を期待しているか。

桜井: ご案内の通り、全国セミナーでは「21世紀の新たな課題に挑む」というテーマを掲げている。いまの経済危機などは日頃から議論している課題であるが、日本の中・長期的課題、あるいはグローバル課題という眼でも、全国の経済同友会のメンバーで問題意識を共有化し、今後のあり方の方向を探れればと考えている。特にどのテーマということはなく、すべてのセッションに期待している。

日本だけでなく世界的に、政治も産業界も、地球環境や資源・エネルギー問題など、中・長期の地球的、グローバル課題にとまどっていると思う。現状把握はある程度できたとしても、どのような新しい枠組みで問題解決にあたるかについては、もたついてしまう。これからは、中・長期的なグローバルな課題について、常日頃から問題意識を持って、現状をよく見られるようにし、日本は、そして世界はどうあるべきかについて、我々も考え、具体的な活動に少しずつでも入り込んでいくことが大事である。方向性を定めることが目的ではなく、共有化と、それに対して一つ一つ考えていく姿勢が大事だと思っている。

Q: 新型インフルエンザについて、先週末に国内で初の感染者が見つかり、すでに3ケタの感染者が確認されている。現時点で、経済に与える影響をどのようにお考えか。

桜井: 経済に与える影響は当然ある。今回の(新型)インフルエンザは、幸いにも弱毒性ということではあるが、抵抗力のない方々は大変な事態に陥るため、決して油断できない。最も大事なことは、(感染の)拡大を防止しなくてはならないし、重症患者が出ないようにしなくてはならず、(決して)気を緩めてはならない。感染が拡大すれば、当然だが、消費行動についても、生産活動を含めた企業活動についても、ダメージは大きいと思う。

一般的な視点で述べれば、(感染状況が)第一段階(海外発生期)から、第二段階(国内発生早期)、そして第三段階(感染拡大期/蔓延期/回復期)に来ようとしている。政府や地方自治体の対応は(もちろん)必要だが、これに加えて、国民一人ひとりがいかに(感染を)防衛するかが大事だ。これが原点だと思う。もうひとつ(大事なの)は、情報公開である。団体、公的機関、個人を含め、速やかに情報公開することが非常に大事だと思っている。(感染の)拡大をいかに少なくし、重症患者(の発生)を防ぐことに、国民一人ひとりが努力することが大事である。

Q: 日本では、新型インフルエンザのニュースが必ずトップにくるほど関心が高く、マスクも売り切れが続出しているようだが、海外では、ほとんどこのニュースが報道されなくなってきており、国際的にも温度差があるようだ。感染者が出た三菱東京UFJ銀行の三宮支店では、行員を自宅待機させるなどしており、一部には(このような対応は)過剰ではないかとの意見もある。各企業も対応に苦慮していると思うが、各企業はどのような対応をすべきとお考えか。今は少し過敏だとお考えか。

桜井: まったく(過敏だとは)思わない。過敏すぎてもいけないし、油断し過ぎてもいけないというのが正解だと思う。個々の企業の自主性に応じて行えば良い。三菱東京UFJ銀行や他の企業で、自宅待機や臨時休業、生産活動を止めるなど(の対応を)しているが、それぞれの判断の下にやっていることで、過敏すぎるから止めろという話ではないだろう。(新型インフルエンザが)弱毒性だということを考慮しつつも、油断してはいけない。それぞれの企業が(感染)拡大を防ぐ方法を独自に考え、適切な対応をとることが必要である。

Q: 昨日、経済産業省から企業へ新型インフルエンザの対応策の要望が出され、その中に時差通勤の検討も含まれていた。これについていかがお考えか。

桜井: 感染の拡大防止という観点からも、(時差通勤が)可能な企業は積極的に導入すれば良い。製造部門のように全社員が一斉に集まらないとオペレーションできないようなところでは難しいが、すでにフレックスタイム制などを通して時差通勤を実施している企業もあるので、そういう企業では今後も(時差通勤を)継続していけば良い。

Q: 明日、GDP(1-3月期)の発表があるが、戦後最悪(の数字)になるのではと言われている。(景気の)底が見えてきたとの報道もあるが、企業はどう乗り切っていけば良いかについて、お考えを伺いたい。

桜井: 一般論から申し上げる。明日(正式な)発表があるが、民間発表の平均値として、1~3月期のGDPが年率換算で(前年比)約16%(減)までいくのではないかと言われている。一方、最近(発表になった)鉱工業指数などでは、足下は(確かに)悪いが、今後の見通しとしては良い指標が出始めている。(しかし)良い指標が出始めているから(といって)、日本の景気が底を打つ、とはなかなか申し上げにくい。今年いっぱいで底を打ち、来年は景気回復を見出せるのではないか。これは予想なので、良い方を見れば良いし、悪い方、(例えば)米国経済の見通しは不透明で、欧州はそれ以上にもたついている。これ以上大きく落ちることはないだろうし、(回復に)そう長くかかるとも思わない。

そのなかで企業は(いま)何に取り組むべきか、ということであるが、私は(重要なことが)3つあると思う。1つは、いかに今のうちに身軽な企業体質を作るかである。2つ目は、売上を上げていくために、新しい時代の社会やお客様のニーズを、早く、しっかりと見極め、技術開発や生産体制の準備を行うことである。将来の社会的ニーズに対応できる商品・サービスを提供できるような体制を作り込むことが重要である。そして、3番目はやはり人材であると思う。我々が普段ガムシャラになっているときにはできなかったような、社員の再教育・能力アップ(への取り組み)が非常に大事だと思う。さらに、適切な人材の確保も大事である。

これらをやっている企業は、復活力・復元力が強く、好況時に成長力も強くなるであろうし、いま努力を怠っている企業は厳しいだろう。

Q: 今日、民主党の両院議員総会が行われ、新執行部が正式に決まった。消費税について、鳩山(新)代表は「就任期間の4年間は議論もしない」とする一方、岡田(新)幹事長は「基礎年金を税方式にするためにも議論すべきだ」と、先日の討論会で主張していた。新執行部に対して、消費税についての意見・要望があれば伺いたい。

桜井: 民主党は、今回の新代表選出の前から、財源問題についてはっきりせず、疑問視されていた。社会保障制度改革についても、基礎年金部分に国費を投入するとしているが、この議論には消費税の問題が欠かせない。その意味からも、消費税について4年間議論しないなどとせず、むしろしっかりと議論をするという立場をとる方が、政策の根拠、実現性の観点からも重要だと思う。

Q: 鳩山新代表の政策に関する考えについて、消費税以外で(特に)聞いてみたい分野を挙げていただきたい。

桜井: まず、今度の総選挙は政権選択の選挙になるはずであり、そのためには、民主党は、政策面で(自民党と)何が違うのかを明らかにすべきである。自民党の政策が、(かつての)改革路線から、やや民主党寄りの政策に変わりつつあるようにも見えるいま、自民党と民主党の差が国民に見えにくくなってきている。鳩山新体制には、「民主党とはこういう党である」ということを政策によって明らかにし、(選挙戦での)対立軸を明確に示していただきたい。鳩山新代表の政策で知りたいのは、「友愛社会」の中身だ。これは理念であって政策ではない。「友愛」(そのもの)は非の打ちどころがないが、理念だけでは国も企業も成り立たない。その視点から、(鳩山新代表には、)景気後退からの脱却と今後の成長をどのように図っていくかについて、伺いたい。

Q: 21日から裁判員制度がスタートする。裁判員に選ばれた社員には有給休暇を取得させてほしいとの要望も出されているが、企業としての対応や代表幹事の期待や不安について伺いたい。

桜井: 対応としては、企業や(企業の)規模によっても異なるだろうが、ひとつの公的な役割でもあり、有給休暇制度でカバーすることが良いのではないか。私が選ばれた場合は、時間があれば大いにやりたい。最近明らかになってきたのは、裁判で国民が判断しやすくなるように、生々しい証拠を目にしなければならず、それに耐えられるかという不安があるようだ。精神的な問題はもちろん、それを見ることによって本当に正当な判断ができるのか、(証拠に)引きずられる、あるいは逆に避けてしまうといった問題はないのか、そのあたりが課題になるであろう。

小島: 裁判員制度は、司法改革における一つのコアとも言うべきテーマなので、これを成功させていくことが大切である。裁判に行ったり自身で判断したり、負担にはなるだろうが、それも含めて国民として負ってほしいということであろう。

桜井: 先日、TVで米国の(陪審員制度の)事例を放映しており、陪審員として参加することで市民意識が非常に高まる、と言う内容で、なるほどと思った。今回の(日本における)裁判員制度も建設的に考えれば、地域に対して責任を持つ人々が育っていくのではないか、地域の生活者にとっても地域への責任感の下に生活してくようになるのではないか。これには時間がかかると思うが。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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