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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年04月07日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 副代表幹事・専務理事

記者の質問に答える形で、(1)2009年度補正予算編成(追加経済対策)、(2)解散総選挙の時期、(3)政府の温暖化対策中期目標案、(4)景気認識、(5)国家公務員制度改革関連法案の閣議決定、(6)雇用問題などについて発言があった。

Q: 麻生総理が、2009年度補正予算案として10兆円を超す規模の財政出動を指示した。財政規律の面から問題があるのではという指摘もあるが、代表幹事の所見を伺いたい。

桜井:  いま補正(予算)を組むことは、(経済)情勢からして大事なことだと思う。世界の経済情勢は刻々と悪化し、日本(経済)の急降下も激しくなっているため、日本も含め世界の経済後退を食い止めることは非常に大事である。必要かつ基本的な財政出動で(後退を)止め、(景気を)回復させることに対策が必要である。需給ギャップはいまの景気の後退局面でさらに拡がる可能性も含んでいるため、需給ギャップをそのまま埋めることには問題があるが、追加の景気対策は必要であろう。

Q: 追加経済対策の規模と中身について、代表幹事が報道等で情報収集された部分もふまえ、いまのところ妥当な方向にいっていると思われるか。

桜井:  (2008年度)第一次・第二次補正予算、(2009年度)予算、そして今回の追加経済対策について、項目的には焦点が定まっていると理解している。特に、追加経済対策については、現在の景気後退を食い止め生活防衛をしなければいけないことと、経済の活性化、そして成長力をつけるという3つのテーマに絞られてきている。ただし、大きな項目での重点化はできているものの、どのテーマについても個々の手段になると、与党にも色々な案があり、民主党も対案を出すようである。限りある財源から出動することの影響や財政規律を考えると、個々の施策についてはもっと重点化して絞っていただく必要があり、大いに期待したい。

Q: 海外需要が低迷し、国内対策だけではどうにもならない状況のなか、今回の10兆円超の補正予算で、どれほどの効果が期待できると見ているか。

桜井:  海外需要の喚起は、世界全体が協調して景気を押し上げるための財政出動や金融政策の実施に委ねるほかない。もうひとつは、輸出型企業を元気にしていくことが必要である。(国内外含め)市場が収縮していったとしても、顧客が必要とする製品であれば、国内・海外問わず購入してもらえるはずである。企業努力としては、顧客に本当に必要とされる製品をいかにして作り出し提供していくかが大事で、新しい時代の高付加価値製品を、海外の企業に先駆けて提供する必要がある。地球温暖化阻止は、世界共通の明確なニーズであり、それに対応する省エネ製品や新たなクリーン・エネルギー製品を、日本がどんどん開発していくことが望まれる。一方で、日本国内の需要を押し上げる対策を積極的に進めていくことが重要である。現在の景気対策は、国内需要をいかに高めていくかという点に相当こだわりを持っている。国内と海外需要を、バランス良くともに伸ばしていくこと必要だ。財源が限られるなかで、今後を見通した使い方が大事になってきている。

Q: 景気対策と併せて5月解散説が出ている。補正予算編成と解散総選挙の後先について、これだけの大規模なので世論に問うてから補正予算を組むべきという議論がある一方で、まず政策を固めてそれから総選挙という意見もある。どちらの順序が好ましいとお考えか。

桜井:  大事なポイントであり、麻生総理が一番考えておられると思う。今後、日本(経済)の急降下を止めて、景気回復の状態に持っていくエンジン役を育てるために、選挙の位置付けはどこにあるべきか、あるいは、補正予算の位置付けはどこにあるべきか。時の政権や党首には、これらを充分に考えていただきたい。

Q: 環境問題について、政府の中期目標の試算が発表された。削減幅が大きければ大きいほど、経済成長や雇用にマイナスの影響が出るという内容であり、これはおそらく代表幹事の考えとは異なると思うが、所見を伺いたい。

桜井:  全てに反論するつもりはないが、(3月27日の)中期目標検討委員会では、プラス4%を含め5つの(中期目標)案が出された。削減量と、それを達成するために必要な対策およびそれに掛かる費用が試算され、その費用がGDPを押し下げると算出されている。(対策費用とGDPが)単純に直結しているわけではないが、中身が良く見えないので、削減のための対策費用がGDPを押し下げるという風に判断せざるを得ない。これら(の選択肢)を公表するので、(国民の)意見を頂戴したい、というような単純なものではない。いまの委員会のアウトプットだけで、果たして国民は正当な判断ができるか。(もし)現在のアウトプットで国民が判断したら、「プラス4%」が一番良いということになるであろう。

国民が考えなければいけないことは、(CO2を)削減することにより、単純にGDPがマイナスになるものではない面がある(ということである)。(CO2削減を実現する)開発活動を進めることにより、日本が技術的に優位な立場に立ち、また、開発活動によって新しい需要を創造してGDPを押し上げる、あるいは雇用を増大させるといったリターンの部分が出てくる。このリターンについて考えなければならない。

さらに、これは以前から申し上げているが、IPCCの提示するなかで、経済とCO2削減努力とが最も適切にバランスがとれるストーリー、(これは先進国全体で)25%程度の中期目標だが、これを達成しなかった場合に、(全世界への)被害は、その対応のためにどれだけの費用を投入しなければならなくなるか。この場合の費用は、温暖化防止にはまったく役に立たない、被害防止のためだけに発生する単純なコストとなる。このような面も考えなければならない。

これも含めた公表があって初めて、国民が判断できる。私は、(政府は)そこまでの情報を提供しなければならないと思っている。

Q: 対ドル為替レートが100円台を回復し、株価も8900円レベルにまでじりじり戻ってきている。これらの現象をどのように捉えているか。

桜井:  現時点ではあまりコメントすることはない。為替については、いまの金融不安という経済状況のなかでどこに資金が動いていくかということで、ある時は外貨に、ある時は日本円に、ということである。株価も、在庫調整や生産が上向く兆しなどの変化によって、どんどん変動していく。

現在の金融危機・経済危機は、マクロ的に見れば、むしろ沈んでいる方向にある。そのようななかでマクロ的考えれば、為替も100円台を維持できるとか、株価も8800円より上がっていくと捉えるべきではない。より厳しい状態を想定しなければならないと、認識しておくべきかもしれない。

Q: 今年度の景気見通しを伺いたい。

桜井:  景気の見通しを語ることは大変難しい。経済同友会の景気定点観測アンケート調査を元に申し上げると、景気の底を感じられるのは今年後半、景気回復は、来年前半と来年後半が半々くらいの見方となっており、私もほぼ同じ感覚である。

(日銀)短観では、当面非常に悪い業況判断ではあるが、現在はマイナス58、3ヶ月後にはマイナス51に若干上向くとなっている。鉱工業生産指数は、9.4%ダウンするも3~4月を見ればプラスへ転じるとある。一見良いように見えるが、世界経済全体は収縮しており、企業の売上はますます落ちている。気がかりなのは在庫回転期間が悪化していることだ。その意味で、在庫が改善してきたからといって見通しを良くすることにはならない。2009年度は、個人消費、法人需要ともに減少していくのではないか。

Q: 国家公務員制度改革について、今回、政府与党、特に麻生総理の意向により内閣官房副長官が人事局長を兼務することとなった。顧問会議では、極力官僚を排除するよう求めていたが、今回の閣議決定に関する見解を伺いたい。

桜井:  (内閣)人事局長については、顧問会議やワーキングループで、さまざまな意見が出された。官僚(出身者)の完全な排除を求める意見だけでなく、公務員の役割や制度に対する見識や経験を持った人、人事のトップに相応しい資質を備えた人が望ましいとする意見もあった。ただし、現在の3名の事務方(官房副長官)から兼務させるという声は出なかった。3月31日の閣議決定前日である30日に開催された顧問会議では、3名の(官房副長官)のなかから固定的に決めるのではなく、追加での専任の官房副長官が望ましいという意見が多数を占めたと思う。しかし、閣議決定では原案通りとなってしまい、残念だ。そもそも閣議決定の1日前の(顧問会議の)開催であれば修正のしようがない。

Q: 雇用問題について伺いたい。先月の施政方針などで一段落したかのような印象もあるが、直近の失業率や求人倍率などの指標を見ると、状況はむしろ悪化している。今後、雇用問題で取り組むべき課題は何か。

桜井:  いわゆる日本型ワークシェアリングの基本的要素の強化は今後必要になってくるものの、(政労使)三者連合の協約で概ね明らかになったと思う。まだ、(求人と求職との)アンマッチの部分があるので、職能訓練を拡充し、介護や医療、あるいは第一次産業などに人材のシフトを図っていくことが必要だろう。

今後最大の課題は、新たな雇用を増大・創出するための新しい産業を創出していくことである。それが今後の成長戦略であったり、追加経済対策の中身であったりするわけだが、新しい産業や需要、そして雇用を創出することが基本だと思う。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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