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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年03月17日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 副代表幹事・専務理事

Q: 春闘について、明日の集中回答日を前に、各個別労使が交渉を続けている。一部企業では定昇カットという動きも見られるが、大勢としては自動車、電機業界ではベアゼロ、定昇維持の回答が多いと思われる。今回の春闘交渉の結果が、景気や個人消費、企業経営にどのような影響を与えるとお考えか。

桜井:  給与や雇用の問題に対しては、各社それぞれの状況によって対応が違うが、ここまで悪化している日本経済においては、景気回復および雇用(の安定化)が非常に重要な問題なので、企業も努力をしているのが実情である。押し並べて言えば、景気・雇用対策という意味では、賃金問題よりも雇用確保の方が重要だと考え、各社努力をしている。

Q: 「景気定点観測アンケート調査結果」にも先行きの暗さが表れているが、家計への打撃や個人消費の冷え込みという影響があるのではないか。

桜井:  活力を維持するために、雇用の安定・維持を最大に考えているということである。定昇かベースアップか、という問題に如実に表れていると思うが、定昇は確保しようという企業の意図が出ていると思う。雇用維持と定昇維持、この2つだけは死守していこうという企業の姿勢を汲み取っていただきたい。

Q: 定昇を死守するのが日本企業の姿勢だとの発言があったが、今日、東芝は定昇を半年間凍結するという動きも出てきている。このような動きについてどのようにお考えか。

桜井:  個々の会社の置かれている状況によって対応は違うので、先述以上のコメントは致しかねる。

Q: 経済界では、定昇制度自体を見直すべきとの主張も強いようだが、代表幹事はいかがお考えか。

桜井:  定昇制度の見直しについて具体的に考えたことはない。(定昇制度を見直して)賃金体系を変えるというのは、完全に能力主義にするということになるのだろうが、これはそう簡単ではないだろう。全企業、全部門で一律に変えることは難しい。開発型、生産型、販売型、サービス型等それぞれの企業によって、あるべき賃金体系は違うため、一概にコメントすることはできない。

Q: (今春闘では)これまでのところ、賃上げよりも雇用確保というスタンスに添った回答が出されている。企業は、来年以降もこのスタンスを守っていくのか、景気の状況次第では定昇すらも譲歩することになり得るのか、お考えを伺いたい。

桜井:  見通しが難しいなかで約束することはできないが、定昇維持という姿勢は継続していきたい。

Q: 昨今、ワークシェアリングという言葉が、本来の意味とは違う、単なる休業あるいは失業対策の代名詞的に使われ、政策的な議論がないように見受けられる。あるべきワークシェアリングの姿について、改めて考えを伺いたい。

桜井:  欧州型ワークシェアリングと比較すると、確かに日本では、残業をなくす、時間外の仕事をなくす、あるいは休日制を採用することをシェアと捉える考え方が出てきている。例えば、オランダで考えられたのは、新しい雇用体系を作っていくワークシェアリングだった。契約期間が無期限の正規社員と、期間を限定した正規社員という形態のワークシェアリングで、新たな雇用の体系を作り上げた。(現在の日本で、)正規社員と非正規社員との間でワークシェアリングをどうするかという問題にまで踏み込んでいないのは、まだ本当にワークシェアリングが必要になっていないからではないか。現状、時短や時間外の調整で実施している段階ということである。これから、本来のワークシェアリングについて、政・労・使の協議がなされる可能性が出てくるかもしれない。

Q: 追加経済対策に反映させるため、首相が各界から意見を聞く「経済危機克服のための有識者会合」を立ち上げ、昨日から議論が始まった。初日の会合を振り返った感想と、今後の経済対策についての注文を伺いたい。

桜井:  追加 経済対策は、規模とどのような内容の対策を打つかという2点(が重要)である。

有識者会合には、私は(昨日の)初日にも参加しておらず、どのような状況になるかの見通しはつかないが、こうあって欲しいと思うことを述べる。

以前から申し上げている通り、それは、景気対策および中・長期の日本の成長に資するもの、という観点(が必要)である。(単なる)足下の対策としてアイディア募集的にいろいろな項目を並べると広く浅くなってしまうため、それでは景気対策にならない。(選択と)集中を行い重点化し、その重点分野に十分な資源を投入することが、景気を上昇させるためには大事である。有識者会合が、重点化のためなのか、それとも国民視点からのアイディア収集という認識で開催されるのかによって、行く末が全く違う。ぜひ、中・長期の視点で(かつ)足下に大きな成果が出るものに重点化するという方向で開催していただきたい。

Q: 追加経済対策の一つとして、政府・与党内で地デジへの移行促進策が検討されており、公明党からは一台あたり2万円でアナログTVを買い取るという案も出ている。先ほど、アイディア募集ではいけないと言われたが、この対策についてはどのような印象をお持ちか。

桜井:  地デジは将来必要になる話なので、単なる足下の経済効果よりは多少良いかもしれないが、他の対策との比較で、現在の足下(の景気回復)にどれだけ効き、中・長期の成長を加速させるエンジンとなるのかを見る必要がある。ひとつの例だけを示されても、比較ができないためコメントは難しい。

(追加経済対策については)自民党には日本経済再生戦略会議があり、経済諮問委員会では新成長戦略を掲げようという議論がなされ、今回の有識者会議でもさまざまな意見が出され、各経済団体も各種アイディアを提案し、さらに各省庁も予算編成の際にいろいろな案を提出している等、既にアイディアは尽くされている。この中から、中・長期の成長につながると同時に足下の雇用および景気対策につながるものをいかに選りすぐっていくかという段階にきている。厳選し重点化されたものが、景気・雇用対策にどれだけ効果があるか、さらには今後の日本の成長戦略にどれだけ寄与するか、それを政府の責任としてまとめ、国民に示すことが一番求められているのではないか。重点化分野はもうほぼ決まっている。

Q: 週末のG20(財務相・中央銀行総裁会合)で、各国が世界経済の回復に向けて財政出動などの対策で協調することを確認した。一方、景気刺激策を重視するのか、今回の危機のきっかけとなった金融機関に対する規制を強化すべきかという点で、欧米の意見にかなり食い違いがあった。今回のG20について、代表幹事の評価と要望を伺いたい。

桜井:  今回のG20は、前回のG7の会合から引き続いて、「景気対策」と「金融システムの安定」という2つの課題を、新興国まで含めた20カ国という形でその重要性と緊急性を共有化することを目的に開催された。今回、経済・金融対策は、(新興国を含めた)広い枠組みで実施していくことが重要であることの認識がさらに深まったことは、一歩も二歩も前進していると思う。

景気対策か再発防止策か(という議論に食い違いがあった)ということで、具体性に乏しいのではないかという質問については、基本的には私もそう思う。しかし、これは、乗り越えていかなければならないが、大変難しい問題である。(関係国が増えるほど)WTOでも、地球温暖化・環境問題でも、今回のG20でも同様だが、先進国間(さらに)先進国と新興国との間にも相当違いがある。簡単なことではない。

基本的には、(G20の)第一の目的であった「先進国と新興国が、現状認識と危機感、どうすべきかを共有する」ことができたことは大変重要である。最終的に、(今回のG20の結論が)不足ある結果になったとしても、4月始めに予定されている金融サミットに向けて、具体化を進める前段階としては、共有化できた部分と今後(さらに)詰めなければいけないところを明確にしたという点では、有意義であったと思う。

G20の枠組みで(先進国間や先進国対新興国という)対立が継続することは、(金融)市場に失望感を与える。対立軸があったとしても、やむを得ない。

Q: 昨日、日立製作所の社長、会長が赤字決算の責任をとって辞任したが、企業経営者の出処進退のあり方は、どうあるべきとお考えか。赤字決算の場合、辞めて体制を変えるべきか、再度業績が向上するまで頑張るべきか、ケースバイケースとは思うが、代表幹事はどちらが正しいとお考えか。100年に一度とも称される現在の経済状況下で、経験を活かすために留まるべきか、若い経営者に交代すべきか、どちらの考え方を支持されるか。

桜井:  いま言われたようにケースバイケースだと思う。一番重要なことは、トップが企業を救うためにどうすれば良いのかを本気で考え、トップ自らが最善策を判断することである。

Q: すっきりと後輩に任せたほうが良いとするか、頼りないのでまだ自分が頑張るのか、美学という面もあると思うが。

桜井:  経営者の進退について、例えば不祥事を起こした場合などは絶対に退任が必要だろう。しかし、経営の問題で(退任すべきか否かの判断が)難しいのは、業績回復のために経営革新が必要な場合で、誰をリーダーにすべきか、誰ならば経営改革を牽引できるか、ということが重要になる。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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