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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2009年02月03日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 副代表幹事・専務理事

冒頭、代表幹事より「2008年度新委員会発足について」発表の後、記者の質問に答える形で、(1)国家公務員制度改革の「工程表」、(2)谷公士人事院総裁の会合欠席、(3)「政府紙幣」発行案、(4)雇用問題検討委員会の運営、などについて発言があった。最後に、代表幹事より、ダボス会議に出席した感想が述べられた。

Q: 本日の午前中、国家公務員制度改革推進本部は、改革の工程表を決定した。来年4月に内閣人事・行政管理局を設置し、2011年から新人事制度をスタートさせるという内容が盛り込まれた。この工程表について、代表幹事の評価を伺いたい。

桜井: 1月27日、(国家公務員制度改革推進本部)顧問会議で工程表についての議論が行われたが、私はダボス会議への参加のため欠席した。後日、関係者から、議論の内容やその後の展開を聞き、概要は把握している。

まず、工程表については、中身をどれだけきちんとしていくかという議論はエンドレスになるので、限られた時間のなかで(の議論となったが)、内閣人事・行政管理局が、タテ割り行政から脱し、もっと民間の活力を得られるような公募制度を(導入する)ということで、日本のためになる官僚制度にするという狙いに対応した工程表であると思う。(主査を務めた)ワーキンググループでかなり具体的なことを検討したが、これからの公務員制度、公務員の在り方で特に重要なのは、企業並みの機能を持った人事管理システムが動くことである。公務員制度の人事管理を目的に合ったものにするためには、少なくとも、「給与」、「定員」、「(人事)評価」の各々について、制度改革および制度設計が行われることが大事である。この3つを総合して、「(総)人件費」を企画、立案し、管理・コントロールできることが、最終的には大事である。

具体的には、工程表通り、(国家公務員制度改革基本法の)基本方針通りに、各省折衝が進んでいると評価してよい。

課題としては、内閣人事・行政管理局にしっかりと機能を入れ込んだので、各府省に散らばったものを(単に)一箇所にまとめて持ってくるだけでは済まないところが、これから一番大事な点である。給与、定員、(人事)評価、そして総人件費というものが大きな束となって、その部門のトップにより、相互に有機的に結合して目的に合った人事管理が行われていくことが大事である。大事なところは出された工程表に入っているので、これがきちんと展開されていけばよい。

顧問会議は、(国家公務員制度改革)基本法のいう目的、基本理念、基本方針の3つを常に照らし合わせ、工程表通りに進んでいるか、チェックしていく役割を担うことを期待している。

Q: 人事院の谷総裁が欠席戦術というやり方で最後まで抵抗し、今日も反対している。自民党内には、谷総裁の辞任を求める声も出ているが、この点についてはどうお考えか。

桜井: (谷総裁の)辞任については私から申し上げる筋ではないが、(今回のような抵抗は)あってはならないことだと思っている。テーマは、(公務員制度が)今までどうであったかという話ではなく、(これからの)公務員制度改革である。タテ割り、あるいは非常に硬直化した内部体制を、いかにより活力ある公務員制度にしていくかという話である。(それに対する)違った見方という意見は、意見としては良いと思うが、ここに拒否権があるような話ではない。公務員制度改革なので、官邸のリーダーシップで進めていくことでよいのではないか。

Q: 景気対策として、与党内に「政府紙幣」を発行するという構想が持ち上がっているが、その効果等も含めて、代表幹事の見解を伺いたい。

桜井: 政府紙幣そのものの制度的な意味合いはよく分からないが、基本的には、政府紙幣であろうと、日銀紙幣であろうと、簡単に作って供給することには違和感がある。海外と関係がない時代であれば(ひとつの政策として)あるのかもしれないが、今日の通貨はもはや日本だけのものではないし、日本の経済力と関連して通貨の価値も決まってくる。(国内の景気対策のために)増刷を続ければ済むものでもない。為替の機能があって貨幣価値が決まるが、(増刷するほどに)その価値がどんどん落ちていく。そういう意味からも、なぜこのような構想が出てきたのか理解できず、よく考えていただいた方が良い。

小島: 基本的に、経済がお札(現金)で回っていると考えていることが間違いである。いまやお金は、現金ではなくバランスシートの中にある。政府が勝手に紙幣をばら撒いても、再び元へ戻ってきてどこかへ吸収されるだけだろう。現物のお金は必要以上に動かないものだ。(政府紙幣の発行と聞いて、)一体何を考えたのか理解に苦しむ。各家庭に2万円ずつばら撒くのと同じ発想なのか。

全体として言えば、日本銀行が現金の(量の)バランス調整をしている現状下、不要な現金は日本銀行へ還ってくるだけだ。政府紙幣が発行される事態になれば、日銀紙幣が減って税外収入も減ることになるのだから、結果は同じである。不要な現金が世の中に溜まっていくはずはないのだから、政府紙幣の発行には意味がない。

Q: 新たに発足する雇用問題検討委員会について、通常の同友会の委員会と同様、提言や報告書がまとまるのは1年後になる見通しか。

小島: まだ委員会の活動が始まっていないので具体的には申し上げられないが、必要なことはできるだけ早く言いたいと考えている。新年度の体制として立ち上げると、実質的な始動が6月頃になってしまうため、それでは遅いので、年度の途中で発足した。一度にまとめて(出す)というよりは、緊急アピールのような形で、できたものから出していくことも考えたい。

Q: 雇用問題検討委員会で、製造業派遣も含めて議論するとの話だったが、ワークシェアリングについても議論するか。

小島: ワークシェアリングについても、どういう仕組みが良いかなどについて議論するつもりである。

Q: 雇用問題で、年頭には、政界、労働界を巻き込んで話をするとの発言があったが、これは進んでいるか。

桜井: 現在は進んでいないが、(雇用問題検討)委員会である程度のスタンスを決めたら、働きかけはしたい。公式的には、政府、日本経団連、連合の三者協議が進んでいるので、同友会は同友会の議論をベースに働きかけを行っていくことが現実的だろう。

小島: 議論を進める過程では、もちろん連合や厚生労働省の意見を聞くことも必要だと思うので、いろいろな形で接点はあるだろう。

ダボス会議に出席しての感想

桜井: ダボス会議には昨年初めて出席し、非常に重要な会議だと感想をお話した。G8やG20のような公式の首脳会議とは違い、政界、経済界から多くの人が集まり、考えていることをストレートに出す非公式な会議で、非常に有効だと感じたので、昨年そのようにお話した。

今年はまさに非公式な会合でざっくばらんに話すべき課題として、金融危機、経済危機、そして経済の後退があり、何が問題で、これから再生するためにはどうすればよいのか、という議論であった。さらに、環境、テロなどの問題もあったが、テロのセッションには出席しなかった。

(議論のなかでは、)一番の問題はアメリカの経済・金融政策で、これをいかに直していくかが大事であるという話が多かった。環境については、以前よりかなり進んできたと感じた。長期目標のみならず中期目標を設定すべきという議論は、常識であった。高いレベルの目標を達成するために、世界で、低炭素社会づくりをしっかりやっていこうという話であった。国連のワーキンググループでは、目標設定や世界の協調についての議論が荒れているが、ダボス会議で見る限り、今年末にCOP15をひかえていることもあり、産業界、政界に積極的な意見が多いという印象だった。

金融・経済について際立っていたのは、中国とロシアである。中国の温家宝首相は、「先進国の経済が相当傷んで後退が始まったが、中国はここで頑張らなくてはならない」として、4兆元の景気刺激策についてかなり詳しく述べられていた。ただし、アメリカや先進国のダウンを中国だけで埋め合わせることはできないので、各国の内需を高めなくてはならない、と発言されていた。ロシアのプーチン首相は、アメリカをかなり非難していた。意外だったのは、財政出動は緊急対応としては必要だろうが、保護主義になってはいけない、企業を国有化することの危険性を考えた方が良い、という趣旨の発言だった。かなりの財政出動、国有化を進めているアメリカのクリントン元大統領とWEFのシュワブ会長の対談では、シュワブ会長が、「世の中はかなり変わった。アメリカは国有化、ロシアは民営化。1年でこうも変わるものか」と話されていた。多くの意見として、いまは(危機的状況なので)時限的な財政出動はやむを得ないが、保護主義は排除しよう、という気持ちが相当強く響いていた。

政界も経済界も、ダボスでの意見表明は非常に大事である。日本ではあまり報道されていないが、先進国のマスコミでは、CNNでの生放送をはじめ、毎日かなりのスペースを割いて報道している。また、ダボスではキーパーソンとのコミュニケーションがしっかり行われるので、将来まで維持できる人的ネットワークにもなる。金融・経済の面では、今後世界の枠組みをどう作っていくかについてはフォローが重要になるし、環境問題についても、今後COPで各国首脳の直接の談判が行われて目標値が決まる。そういう意味でも、「6月に中期目標を出せば良い」などという単純な話ではなく、このような場面を活用することが重要である。日本ももっと発言をしていかないと、無視される可能性が大いにある。

小島: 海外のある研究所のレポートには、中国の温家宝首相の演説が目立っていたとあった。昨年は、「まだ発展途上国」という立場で少し引いていたが、今年は自国を全面に出してアピールしていたようである。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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