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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2008年11月18日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 副代表幹事・専務理事

記者の質問に答える形で、(1)G20金融サミット、(2)2次補正審議など国会運営と民主党の対応、(3)景気認識と企業の対応、(4)雇用、(5)定額給付金、(6)解散総選挙の時期、などについて発言があった。

Q: 週末行われたG20金融サミット(の共同宣言)では、IMFの機能強化や財政出動による景気刺激策などが盛り込まれた。共同宣言の評価、および、週明けのマーケットの反応は鈍いようだが、追加対策など要望があれば伺いたい。

桜井: 基本的には大変評価したい。世界のGDPの9割程度に相当する20の国、地域が参加して、いまの世界の経済情勢やその問題・課題を認識したこと、そして(参加した国・地域が)協調してマクロ政策をとる必要があることで一致したことは、画期的であり、非常に重要である。

(今回の金融サミットで)いまの金融不安の不安要素を払拭するには至らないとしても、ある程度の効果・成果を期待していたが、実際に市場が求めているのは、具体的な政策や手段が、どういう工程・スケジュールでどのようにとられていくかであると思う。G20(金融サミット)では、短期的(対策)と中期的(対策)とに分けて出されたが、(マーケットの反応が鈍いのは)その具体性において欠ける部分があったということだろう。ただし、G20のトップが集まる会合にそれだけの要求をつけても、実際には、政策当局や担当レベルで相当な議論を重ねる必要がある課題である。(今回)行動計画で示したということは、(G20の国と地域が)前向きの、具体化していく姿勢が表れているので、今後の展開と、(共同宣言に基づいた)具体策が検討されることを期待したい。

Q: 昨日、麻生首相と民主党・小沢代表の党首会談が行われた。その結果、国会での対決姿勢を固めた民主党は、「首相が景気対策を優先するなら、第2次補正予算を今国会に出すべき」と主張し、今日の参議院の審議が止まっている。第2次補正予算が提出されなければ、(インド洋での)給油(継続のため)の(テロ)特措法案や金融機能強化法案の今国会での成立が難しい情勢になってくるが、このような状況についていかがお考えか。また、追加経済対策の裏付けとなる第2次補正予算をいつ出すのが適切とお考えか、(今回)民主党のとった戦術の評価とあわせてご見解を伺いたい。

桜井: いま日本で一番求められていることは、とにかく世界経済の減速への対応と経済活性化である。昨日、GDP速報値(7-9月期)が2四半期連続のマイナスと発表されたが、おそらく第3四半期もマイナスになるだろう。世界の情勢を見ても、プラスに転向するなどということはなく、日本の経済の活性化と景気対策が非常に重要である。(一方、)世界の安全保障も日本の長年の課題であり、(特措法の)延長法案も非常に重要である。これらを絡めて政局がらみの話題にしてもらっては大変問題であると思う。昨日の(党首)会談の結果について、私は非常に危機感を覚える思いである。景気(対策)・経済活性化(策の重要性)をしっかりと受け止め、迅速に審議していくことが、国民からも求められていることを再認識していただきたい。

Q: 民主党は、景気を重視するなら早く審議すべきという正論で(自民党に)揺さぶりをかけたが、これも他の法案を絡めたということであまり評価できないということか。

桜井: 自民党は、追加対策と補正予算に対しては、しっかりとした目的と方法論を速やかに固め、しっかりとしたスタンスで法案審議ができる状態にすることが、政権政党として重要なことである。これがなかなかまとまらないというのはいかがなものかと、遺憾に思う。一方、景気対策、経済活性化と、解散(総選挙)を絡めるという民主党のやり方もいかがなものかと思う。

Q: 第2次補正予算案は今国会中に提出し成立を図るべきとの発言と理解してよいか。

桜井: どういうスケジュールでいくかは非常に難しいことだ。少なくとも、速やかに補正予算を審議し、決めることが非常に重要である。(今国会なのか、次期通常国会か)どちらが良いかについては、私が申し上げることではない。

Q: 景気について、日を追って悪くなるという声もある。昨日発表された7-9月期のGDP速報値を踏まえ、第3四半期もマイナスではないかとの発言もあったが、現状認識を伺いたい。

桜井: 昨日、与謝野大臣も「景気は後退局面にある」と表現されていた。(どこで)景気の停滞が底を打つかを判断しようと考えても、サブプライム問題に端を発した世界経済の後退に強く影響を受け、輸出は減速からマイナス、企業業績の悪化、設備投資、雇用、給与、消費などの問題へ転換してここまで来ており、この負の連鎖のどの部分が良い方に動くかは、なかなか見えない。これが現実なので、次期予測としては、良くないとしか読めない。企業の(中間)決算発表や予測を見ても、2008年度は非常に悪い予測をしている。業績のさまざまな指標やマーケットの状況、実績の積上げや今後の動向などは敏感に分かるので、それらに基づいた判断であり、元気の良い発言をしたいところだが、短期的な下期の予測はそれほど大きく外れない。

ただし、経済同友会のメンバーなど企業経営者たちと議論をしているなかでは、首をうなだれて再起不能だ、などという感覚は絶対にない。経済が悪化している状態では、企業(経営者)は、いままで実績を残してきた強い部分と問題な部分を峻別し、どういう経営方針、施策、戦略をとれば良いかに向かう。この向かう気力を失っているなどということは決してなく、世界や日本の経済情勢が悪化しても、立ち向かう気力は依然として旺盛である。(その力で)企業はこれまで数々の苦難を乗り越えてきたし、それが企業である。

Q: この状況を乗り切るために、各企業は何をすべきか。日本企業は既に3つの過剰を克服してしまったので、10年前より厳しいのではないかという声もあるが、いかがか。

桜井: 2つあると思う。ひとつは、このような苦しい状況では、(お客様)市場には、常にこれまでなかった新しい要求・ニーズがある。そのニーズに対して、企業はいかに商品・サービスを提供していくかという、新たな付加価値に対する挑戦、これがひとつである。もうひとつは、過剰をいくら減らしたとしても、企業経営は、常に超過、ムダがあるものだとして、そぎ落とす努力を継続しなくてはならない。3つの超過、過剰を既に解消したとは、企業は考えない。新たな高付加価値商品・サービス(の提供)、そして常に自ら過剰を発見し解消する、この2つの努力に対してチャレンジしようという気力は、まったく失われていない。

新たな高付加価値についてお話したい。企業として重要なのは、何に焦点を当てて、新たな付加価値の高い商品・サービスを提供していくかを選択して、技術開発等のイノベーションを起こすことである。その意味では(課題は)2つか3つあるだろう。以前から言い続けているが、これほど世界の中・長期的なニーズが明確なものに、なぜ開発投資を集中させないかという課題は、「低炭素社会づくり」である。企業は、常に将来のニーズについて真剣に考えているが、リスクがあると思うとなかなか手が出ない。ところが、「低炭素社会づくり」というニーズは、世界的な明確なニーズだ。これがひとつである。もうひとつは、日本が先行し、先進国のなかでどんどん進んでいる、「少子高齢化、人口減少」という明確なニーズである。この少子高齢化、人口減少の社会では、具体的にどのようなニーズがあるかを明らかにし、開発投資を向けることが大事である。これらについては、企業のみならず、国家戦略として重要視すべき(課題)でもある。焦点を決めることで、日本の競争力強化と企業の競争力強化は、相まって推進されるだろう。焦点はまだ2~3あると思うので、戦略的に展開すべきだ。

Q: 景気の悪化に伴って、雇用も悪くなっている。新卒内定者の取り消しや、再来年の新卒採用も厳しくなるなどと言われているが、採用状況についてはどのようにお考えか。

桜井: (採用は)非常に難しく、伸びることは期待できない状況になるかもしれない。人材は非常に重要な資産なので、単に(採用を)絞れば良いというものではない。各企業が、業績や将来の人材活用を積極的に考え、それぞれが前向きな発想でいくべきだと思う。それができる企業とできない企業があるので、各企業が、将来に向かっての戦略として雇用を適切に考える必要がある。

Q: 新卒採用中心の日本社会の構造について、どのように変えていきたいとお考えか。

桜井: 変えることは一朝一夕にはいかないが、考え方として、企業は、経費論で新卒採用を絞れば良いという発想はあまりしていない。企業にとっては、若手世代が10年後にどういう職務に就き、どういう戦略マターにチャレンジするかなど、若手の戦力は非常に重要である。また、入口を閉ざしてしまうと(社内の)年齢構成が崩れて(数年後に)大問題になってくるので、人員構成や必要な能力を考えると、簡単に入口を狭めるのは問題であることに皆気づいている。実際に、団塊の世代が大量に退社するという(人員構成の歪みの)怖さを経験し、時代を背負う人材の重要さを知っているので、一概に絞ろうということではないと思う。

小島: (企業は採用について)それほど短期的に動いているわけではなく、いま起きていることはさほど大きな動きではないと思っている。

Q: 企業側として、内定取り消しは容易にすべきではないということか。

桜井: 各企業できちんと判断すべきだと思うが、その動きは主流ではないだろう。

小島: 倒産するような企業が採用できないのは当たり前で、それを騒いでも仕方がない。

Q: 追加経済対策の柱である2兆円規模の定額給付金について、過程でいろいろともめていたが、最終的には実施は各自治体に任せるという形で決着した。以前より代表幹事は、その効果ついて十分考えて実施すべきとおっしゃっていたが、今回の定額給付金の最終的な仕上がりについて、どのようにご覧になっているか。

桜井: あまり良いとは思っていない。一番の問題は、今回の定額給付金の狙い、目的が明確ではないように思う。それが、給付対象や給付方法の混乱を招いているのではないか。定額給付金の本来の目的は何だったのかをはっきりすべきだった。(そうしなかったために)必然的にこうした揺れ、地方任せという結果になったと思う。もうひとつは、効果はどうなのかという点である。日本の財政がこれだけ厳しいなかで、貴重な税金を投じるのだから、”埋蔵金”も元は税金であり、その効果・成果は厳密に考えなければならない。狙い・目的および効果・成果が未だにはっきりしないという揺れは、国民から見れば、政策不信になりかねないと心配する。定額給付金の目的が、弱者救済なのか消費促進なのか等々、この辺りが不明確なままだと思う。

Q: 解散の時期について、総理は来年の春(解散)という考えと言われている。代表幹事は、以前から速やかに解散して民意を問うべきと仰っていたが、最近の解散時期を巡る動きをどう見ているか。

桜井: 再三述べているが、(解散の時期は)私が決めることではない。以前、「速やかに解散すべき」と話した時と現在とでは状況が違う。以前は、早く民意を問うことが重要である状況だったので、その理由も含めて背景を説明した。麻生総理が、いまの課題と解散総選挙のタイミングをきちんとご判断いただければ良い。

Q: 現在は、早く民意を問うことは重要ではないということか。

桜井: その判断も含めて総理にお任せすることだ。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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