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桜井正光経済同友会代表幹事の記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2008年02月19日(火)13:30~
出席者 桜井 正光 代表幹事
小島 邦夫 副代表幹事・専務理事

記者の質問に答える形で、(1)中国リスク、(2)東芝のHD-DVD事業からの撤退、(3)グランドプリンスホテルの日教組会合・宿泊拒否、(4)空港外資規制、(5)鋼材価格値上げ、(6)福田内閣支持率低下、(7)道路特定財源、について、発言があった。

Q: 中国製冷凍餃子問題の真相はまだわからないが、この問題も含めた中国リスクについて、工場など中国に進出している企業も含め、中国に頼りすぎるのはいかがなものかとも思われる。先日、リコーのタイへの進出が(紙面に)出たことにも絡め、この中国リスクについて代表幹事のご見解を伺いたい。

桜井: 食品(の)安全だけではなく、いろいろなオペレーションにおいて、リスクというと大げさになるが、(中国に限らず)どこにいても地震などの自然災害や、原材料の調達(におけるリスク)等はあり得る。その意味で、適度な分散をすることは企業のオペレーションの原則である。一極集中ではなく、「分散」は、いろいろな意味でのリスク回避として当然の話である。

餃子問題について前回(の記者会見で)申し上げたことは、第一義的には、作る方も買う方も当事者たる各企業が、しっかりとした食の安全や安定供給等をメインとした体制で進まなければいけない(ということである)。そのうえで、当然ではあるが、当事者(企業)だけではなかなかできない分野が出てくる。そこについては、ルールやそのルールをしっかり監視する体制を国(行政)が担わなければいけない。一つ一つの事例から、企業側も行政側も、原因究明と再発防止(策)体制の再構築を図っていくことが大事である。これが両国国民にとって、安心・安全の(ための)重要な要素だと思う。

Q: 東芝がHD-DVD(事業)からの撤退について、今日取締役会で正式に決めて発表するようだ。昔、ソニーのベータ方式とVHSの争いで最終的にVHSに落ち着いた。今回、DVDの方式はブルーレイに落ち着くようだが、ユーザーにとって、2方式は迷惑な話だと思う。今回の(東芝の)撤退についていかがお考えか。

桜井: ハード(ウエア)だけではなく、ソフト(ウエア)がついてくるものは、同じコンテンツであってもソフトウエアを何種類も用意しなければならない、また、(ハードウエアを)買い替えた時に手持ちのソフト(ウエア)が使えなくなる、というようなことは、消費者から見ると非常に不自由な話である。消費者にとっても、標準が一本化することは非常に大事だと思う。

非常に難しいことは、技術が良い(こと)だけが消費者の選択要素ではない、ということである。これはどの分野でも同じであり、技術を核にして、お客様にとって最終的に使い易いものを提供できるか、が一番大事なところである。その点で、(今回)東芝は、不幸にして技術以外のところでブルーレイ・ディスクに後塵を拝してしまったのであろう。これについてはコメントのしようがない。そうならないようにこれから皆頑張るしかない。とにかくお客様にとっては技術だけではなかった、ということだろう。

Q: グランドプリンスホテルが日教組の集会を拒否したが、その後、宿泊拒否もしていたことが明らかになった。この問題について、舛添大臣から「法律違反の疑いがある」との発言があった。この一連の問題についてご所見を伺いたい。

桜井: お客様を選別する、宿泊を拒否するということは、基本的にすべきではないと思う。その背景についてよく存じ上げていないので、それなりの事情があったのだとは思う。法律の問題については、私は専門家ではないので、法に触れるのかどうかという点について申しげることはない。

Q: 空港の管理会社への(外資参入)について、前回の会見で「基本的にオープンである」と発言された。その後、岡村日本商工会議所会頭は「少し違うのではないか、特殊な会社ではないか」との見解を述べられている。政府の結論はまだ出ていないが、一連の議論を踏まえていかがお考えか。

桜井: 空港の運営会社については国の安全が確保されるか、電力会社であれば安定した電力供給がなされるか、あるいは航空会社であれば利用者にとって満足のいくサービスが提供されるか等々、慎重に検討しなければいけない。そのような観点で、空港の管理会社について、それを担うにふさわしい会社であるかどうかをしっかりと調査することは大事だ。検討を進めていく際の姿勢としては、今の人口減少のなかで、今後(日本が)成長・発展していくために、外資の導入や(対内)直接投資等、海外の能力をいかに活用するかという視点が是非とも必要だ。福田首相も、所信表明やダボス会議で同様のことを述べられていた。日本の市場を開かれたものにすることは、今後の成長・発展を図るうえでの中核を成すものだ。こういう方針を基点に検討されていくことが何よりも重要である。空港の運営会社について言うなら、資本に対しては前回同様、オープンにすべきとの思いは変わらない。

Q: 昨日、鉄鉱石の輸入価格について、新日鉄、JFE等大手4社が(鉄鉱石最大手)バーレからの65%値上げを合意したとの発表があった。これから製造各メーカーとの価格交渉があると思うが、今回の合意についての分析・評価について、また、これから消費者に行く段階での製品価格への転嫁がどうあるべきかについてお考えを伺いたい。

桜井: 消費者への影響については、原材料の鉄鉱石の段階から鋼材、部品、製品、そして最後にエンドユーザーの段階へと進んでいくなかで、各段階、各社間の交渉の中で決まっていくことだ。鉄鉱石の価格が上がったというだけで、そのまま最終価格までスライドして上がっていくかと言うと、市場での競争もあり、すぐに上がるというものではないだろう。どの段階でどれだけ吸収できるのかは、各社間での交渉を経て段々と見出されてくるようになるだろう。65%の値上げが妥当かどうかは申し上げようがない。

鉱石を始めとする資源を握っている企業、あるいはセクターの状況を見ると、例えば、ブラジル(のバーレ)は世界の(鉄鉱石のシェア)33%を握っている等、寡占化が進んでいる。トップの企業に資金が集中し、M&Aに拍車がかかり、ますます寡占化が進んでいく。こういう状況をなんとかしないと、健全な市場での競争が起こらず、価格が一方的に上がっていくのではないかとの危惧を持つ。今後は、独禁法的見地も踏まえ、競争的な価格が出てくる状況に戻していくということが必要ではないかと思う。

Q: 各報道機関の世論調査で福田内閣の支持率が低下しているが、その理由と見解を伺いたい。

桜井: サブプライムローン問題に端を発したアメリカ経済および世界経済は、先般のG7でも確認されたように、(世界経済にとっては)大変リスキーな状態になってきている。このような経済情勢に対して、日本の経済の継続的な成長と発展のためには、日本は何をすべきなのか、が問われている時代である。また、地球温暖化の問題に対して日本は何をすべきなのか。さらに、一方では、世界レベルの大きな格差、貧困という問題があり、これに対して日本としてどう取り組んでいくことが必要なのか。このように、国内外に重要課題が山積している難局にあり、これに対して日本がどうすべきか、国内問題として軸を決めていかなければならない。このような期待が国民のなかにも大きく出てきたと思う。この期待に対して、政策面でどうあるべきかを早く明確にし、政治、行政、企業に対する環境づくりを率先して展開していただくことが求められていると思う。これに対して、まだ明解に道筋が示されていないと思う。

Q: それは、改革姿勢が足りないとういことか。

桜井: まさにその通りである。以前にも述べたが、改めて確認の意味で言うと、構造改革には、日本の国のあり方として、「国から地方へ」、「官から民へ」、「財政再建を軸に成長を図る」ということがあり、地方分権、公務員制度改革、社会保障改革など7つくらいの大きな重要な改革課題があって、いかにこの改革を各省庁の抵抗を乗り切って進めていくかにかかっている。新たな課題として難しさを倍増しているのが、ねじれ国会であるが、「日本はこうあるべきだ」ということを堂々と国会の場で示し、国民に分かるような議論を展開して進めていけば、内閣支持率(の調査)において気になる「政策に期待できない」という部分はどんどん解決してくると思う。

Q: 世論調査では、暫定税率維持に対しては反対意見が多く、道路特定財源の一般財源化には賛成の意見が多い。道路特定財源については、与野党の話し合いでまとめるべきとの意見が多数を占めている。この状況を踏まえ、改めて暫定税率、道路特定財源についてお考えを伺いたい。

桜井: 基本的な考え方としては、特定財源は良くない。また、暫定税率が30年も続いており、これも暫定でやるような(性質の)ものではない。特定財源、暫定税率は、財源の硬直化につながる(ので反対である)。しかし、現状の財政難を勘案すると、経済同友会としても、特定財源ならびに暫定税率は維持してもよいだろうと考えている。2006年の閣議決定事項については、今の状況を考えると妥当であり、必要な道路財源以外のものを一般財源化していくことはやむを得ない。

ただし、暫定税率を延長する10年という期間には、違和感を覚える。(一方で、)道路整備中期計画が出された。暫定税率分の使い道は、国会論議を聞いている限りでは、(中期計画の)1万4000キロに必要な59兆円にすべてを充てるわけではないとのことだが、それでもそうした計画があるということは、暫定税率(分)をその計画に振り向けていくのではとの疑問を感じる。今後もっと慎重に議論していくべきと考えている。

(文責: 経済同友会事務局)

以上


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