ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
ローカルナビ(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

ここからグローバルナビです。

グローバルメニューここまでです。

ここから本文です。

記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2007年09月04日(火)
出席者 桜井正光 代表幹事
小島邦夫 副代表幹事・専務理事

冒頭、桜井代表幹事より「2007年9月(第82回)景気定点観測アンケート調査結果(速報)」について説明があった後、記者の質問に答える形で(1)サブプライム問題に端を発した景気の停滞感、(2)瀬島龍三氏の訃報、(3)政治とカネ、(4)解散総選挙、(5)景気定点観測アンケート調査結果、(6)テロ特措法、について発言があった。

Q: サブプライム問題に端を発した株価下落を含む景気の停滞感について、見通しを含めて代表幹事の影響を伺いたい。

桜井:サブプライム問題は、最終的には日本の株安、円高という影響を及ぼしたが、各中央銀行の対応等もあり、回復しつつある。今後、信用収縮等がどの程度まで落ち着くのか、あるいはさらに拡大するのか等、予測は困難であるが、注視しなくてはならない。

円高については、多くの企業は、事業計画や予算計画での想定基準を115円程度においていると思うので、想定内であろう。120円近辺からの円高という意味では、その分のプラスアルファの収益というのりしろ部分が剥がれるという影響はあるが、基本的な計画に基づく事業展開に対しては、そう大きな打撃ではない。株安については、じわじわときいてくることはあっても、事業展開において大きな影響を及ぼすには至らないと思う。

今回のサブプライム問題は、これまで続いてきた円安や株価のレベルについて、正常な値を発見する動きであると捉えるべきだと考えている。

冒頭に紹介したアンケート結果にも表れている通り、今後の景気見通しは「拡大」から「横ばい」にシフトしてきているが、設備投資や事業展開、企業業績については、今のところ警戒しているわけではない。

Q: 瀬島龍三さんが亡くなられたことについて、談話をいただきたい。

桜井:個人的にお会いしたことはないし、また経済同友会としても活動をご一緒させていただいたことがないので、ご本人についての知識は新聞報道のレベルでしかないが、強いしっかりとした意志を持った方で、企業経営のみならず、日本の国家の変革等についても、行革を含めて参画され、大変な業績を残され、貢献されたと伺っている。そのような方が今まさに必要になっているという意味も含めて、残念であると同時に、経済界がこの難局を克服していくためには、瀬島さんのような活動が求められる時期にあるのではないかと考えさせられる気持ちである。

Q: ご発言の「この難局」とは、行財政や成長力などを指しているのか。

桜井:財政改革、行政の構造改革、地方分権、公務員制度改革など、日本の将来ビジョン(のあるべき姿)に近付くための重要な構造制度改革を指している。

Q: 組閣後、農水大臣が辞任するという事態に陥ったが、「政治とカネ」を巡る問題をどうお考えか。また、来週から始まる臨時国会への影響についてもお考えを伺いたい。

桜井:「政治とカネ」の問題については、まず、政治の活動費用として公的資金が投入されていることから、正当な目的のために使用されることが非常に重要であり、その使用状況を収支報告書に正しく示すということが原点にあると思う。領収書の1円、5万円という問題があるが、その大本の考え方、あるべき姿は、しっかりとした使い方をし、それを正確な報告書にして開示することが重要である。

農水相の問題には、驚いた。「調べてみないと分からない」というレベルの話ではなく、会計監査院から既に指摘を受けていたもので、正確な報告という以前の迅速な処理、対応の問題であり、絶対にあってはならないことである。国民は相当怒りを覚えていると思う。国をあずかる政治家の方々には、閣僚に限らず全員に、姿勢を正すことが早急に求められている。

臨時国会の進行に対しては、大変大きな影響を及ぼすと思う。政策を議論するうえで中核になる内閣がこのような状態では、(進行において)ネックになる問題を醸し出すことになる。経済同友会として以前から何度も述べているが、財政基盤をしっかりする、財政改革をしっかり行う、そして格差是正を含めながら、国の成長を図るための成長戦略を展開することが、日本にとって非常に大事だと思うが、これが遅滞することを非常に心配している。

Q: 「政治とカネ」について、経済同友会ではこれまで政治資金に関する提言を出しているが、今回の混乱をうけ、新たに緊急提言を出すなど、会としての考え方を政治の世界に広める行動をされるか。

桜井:経済同友会では、政治資金に関してかなり先取りしてしっかりと「あるべき姿」を提言していると思う。政治資金収支報告書について、まず、企業会計と同じように、各費目・項目を定義して共通の記述をし、そして、その内容について第三者の監査を受け、さらに、透明性の向上に向けて国民にインターネットで開示する、これを徹底することが非常に重要である。これについて、今後も積極的に発言していきたい。

「ザル法」ということで、領収書の添付が1円か5万円かが問題になっているが、それ以前に、収支報告書への記載は政治団体全体として管理団体も一元化して報告すべきであるし、企業としても1円単位まですべての費用を計上している。

Q: 政治資金規正法改正案について、自民党は8月中に取りまとめるという方針を示していたが、結局党内の反対で難航した。このような事態についてはどうお考えか。

桜井:企業では、業務が煩雑だからという理由で決算報告書(の作成)に手を抜くようなことはできない。当然のことながら、企業でいえば、投資家が業績を見て投資を判断するという視点で納得できるかできないかという問題であり、政治でいえば、国民がきちんとした収支報告書を確認できるか、自分たちが納めた税がしっかりとした目的のために正しく使われているかを判断できるかが大事な話なので、できるできないの話ではなく、やればできる。評価する国民が要求しており、その要求度がかなり高いのであるから、やるべきである。

Q: 内閣の危機管理能力、ガバナンス能力が低下しており、もはや政策以前の問題で、内閣に対する国民の信頼は回復しないだろうということから、解散総選挙を行って一からやり直すべきだ、という意見もあるが、これについてはどうお考えか。

桜井:時間的なことを考えても、内閣への信任という意味から考えても、代替えとして単に解散総選挙を行ってすぐに国民の信を問うことが正しいのかどうか(は疑問である)。むしろ、いまの内閣が、足元の政治とカネの問題、あるいは財政・行政を含めた構造改革、格差是正を含めた競争力・成長力強化の展開に、責任をもって集中してまっとうしていくことが非常に重要だと思う。その能力が完全にないというわけではないので、信任については、政策の展開をもって国民に問うことが大事だと思う。今朝の報道にあった与謝野官房長官の発言ではないが、バタバタとした動きではなく、今回の内閣は政策をしっかりと固め、展開、推進するという意味で作られた内閣なので、その方々を中心に進めていかれることが先決であると思う。

小島:しっかりと政策議論を行っていただかないと、国民も何を選べばよいのかわからないと思う。そういう意味でも、慌てて何かをするよりも、今回の国会できちんと議論をしてほしい、というのが同友会の立場でもある。

Q: 景気定点観測アンケート調査結果のなかで、「参院選の結果が日本の成長戦略にどのような影響を与えるか」という設問があり、その回答では「影響はない」が4割を超えている。個人的には意外に感じるが、代表幹事はどうお考えか。

桜井:回答の根拠はよくわからないが、個人的には、(参院選の結果は)これからの法制化や政策の議論に、かなりの影響を与えることが想像できる。プロセスにおいては影響があるが、最終的にはさほど影響がないと読んでいるのかもしれない。

項目別に見てみると、歳出削減、規制改革については、「先延ばしさせる」という回答が多い。公務員制度改革については、民主党も制度的なものを提案しており、その影響が少ないとみているのだろう。ややわかりにくい部分もあるが、メンバーの期待も現れているのかもしれない。

Q: テロ特措法について、民主党が現行での延長に反対している。安全保障の面で、日米関係を含めて非常に影響がある動きだと思うが、これについてどのようにお考えか。

桜井:テロ特措法は延長すべきだと考えている。世界的な問題として、テロ対策、テロ撲滅は非常に重要であり、それに対して世界各国が現在それぞれのパートを受け持ち、それぞれの役割のもとに協力的な活動を行っている。日本もそのなかで、アメリカ等の艦船への石油や水、物資の補給を手伝い、世界各国から評価を得ている。(日本が)これだけの経済大国であることを考えても、テロ対策においてそれなりの役割を果たすことは当然である。

湾岸戦争当時、(日本は)1兆円近い支援を行ったが、国際的な評価は得られなかった。個人的にも海外で感じたが、日本人は、海外の地域の方々に「お金を払えば済む」と考えているところがあったのではないか。それは海外では決して評価される行動ではない。あくまでも頭を使い、筋肉を使い、時間を使って貢献することが大事で、それが世界からの評価につながる。そうした評価をされるようになったのだから、今後も協力し続けることが必要だと思う。

経済同友会では、2004年11月に「戦闘終了後の新たな安全確保・人道復興支援体制の構築に向けて」という提言をまとめた。ここでは、世界平和に貢献するためには、一つ一つの案件について、その都度臨時的、時限的な特措法を制定するのではなく、恒久法を作って協力するべきであると述べており、私もこれに同意見である。

Q: テロ特措法に対する民主党の対応については、どうお考えか。

桜井:民主党・小沢党首の主張である国連決議があるかないかについて、国連の明確な決議は重要だとは思うが、それに近い評価や活動はすでに始まっており、国連決議と同等、あるいはそれ以上の世界の認識・理解があると思うので、むしろそのような現状を大事にしてもよいと思う。

(文責: 経済同友会事務局)

以上


ローカルナビここまでです。

ここからサイトのご利用案内です。

スマートフォン版サイトに戻る

サイトのご利用案内ここまでです。